資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額は前年度末から百万円以上の変動はなく、負債総額は前年度末から277百万円増加(+0.4%)した。負債の増加は、退職手当引当金の162百万円減少、地方債の360百万円増加等による変動である。全体会計では、資産総額は前年度末から1,078百万円減少(△0.4%)し、負債総額は前年度末から215百万円減少(△0.1%)した。資産総額も負債総額も公営企業会計の影響を受け、資産総額では一般会計等に比べて117,191百万円多く、負債総額では一般会計等に比べ86,445百万円多くなっている。連結会計では、資産総額は前年度末から855百万円減少(△0.3%)し、負債総額は前年度末から351百万円減少(△0.2%)した。資産総額は、一部事務組合・広域連合等の資産が含まれるため、全体会計に比べて5,270百万円多くなっている。負債総額も資産総額と同様に一部事務組合・広域連合等の地方債等が含まれるため、825百万円多くなっている。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、純行政コストは前年度比△9,975百万円(△16.5%)、純経常行政コストは前年度比△8,259百万円(△13.7%)となっている。経常費用は53,170百万円(前年度比△7,989百万円)となっており、業務費用(24,562百万円)が移転費用(28,608百万円)よりも少なくなっている。業務費用のうち最も金額が大きいのは減価償却費(5,642百万円)を含む物件費等(14,327百万円)であり、移転費用のうち最も金額が大きいのは社会保障給付(11,797百万円)である。今後、民間委託による事務の効率化や公共施設等の適正管理を務めることにより経費の削減等を図る。全体会計では、純行政コストは前年比△8,708百万円(△10.1%)、純経常行政コストは前年比△8,323百万円(△9.7%)となっている一般会計等に比べて、公営企業会計の使用料及び手数料に計上されるものの、国民健康保険や介護保険の負担金も補助金等に計上されるため、純行政コストは27,331百万円多くなっている。連結会計では、純行政コストは前年比△8,065百万円(△8.2%)、純経常行政コストは前年比△7,701百万円(△7.8%)となっている。全体会計に比べて、連結対象団体の人件費や物件費が計上されるため、純行政コストは12,778百万円多くなっている。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、財源(50,323百万円(前年度比△7,622百万円))が純行政コスト(50,436百万円(前年度比△9,975百万円))を下回ったため、本年度差額は△113百万円(前年度比+2,352百万円)となったが、有形固定資産の変動額(△171百万円)の影響等により、純資産残高は277百万円の減少となった。純資産残高の減少が続いているが、当年度においては減少額が少なくなった。今後も、純資産の減少を食い止められるよう、財源の確保とともに行政コストの削減に努めたい。全体会計では、一般会計等と比べて、国民健康保険特別会計・介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料、公営企業会計の国や県の補助金が財源に含まれており、本年度差額は641百万円、本年度純資産変動額は586百万円少なくなっている。連結会計では、全体会計と比べて連結対象団体の国県等補助金等が財源に含まれるが、相殺処理の影響もあることから、本年度差額は364百万円、本年度純資産変動額は358百万円多くなっている。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、投資活動収支については、公共施設の投資(3,514百万円(前年度比△3,582百万円))等の支出、及び、基金の取崩(1,116百万円(前年度比△1,539百万円))等の収入がともに前年度から減少したため、△3,873百万円(前年度比+268百万円)となった。財務活動収支については、公共施設への投資の財源確保等のために地方債を発行(5,738百万円(前年度比△1,897百万円))、地方債の償還(5,378百万円(前年度比△73百万円))の継続により、280百万円(前年度比△1,855)となっている。業務活動収支が3,397百万円(前年度比+990百万円)増加しているが、投資活動収支は継続してマイナスのため、財務活動収支をマイナスに転じられるよう、健全な行政運営を行う。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、公営企業会計の使用料及び手数料収入が含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より3,856百万円多い7,253百万円となった。投資活動収支は、公営企業会計の投資への支出が含まれることから、一般会計等よりも2,780百万円減少し、△6,653百万円となった。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、△425百万円となり、本年度末資金残高は前年度から174百万円増加し、6,288百万円となった。連結会計では、業務活動収支は全体会計より469百万円多い7,722百万円となった。投資活動収支は、連結対象団体が資産の取得を行ったことにより全体会計より△512百万円の△7,165百万円となった。財務活動収支は、全体会計と同様に地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから△539百万円となった。本年度資金収支額の18百万円のほか、比例連結割合変更に伴う5百万減少により、本年度末資金残高は7,442百万円となった。
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は類似団体平均を下回っている。なお前年度に比べて1.3万円増加しているが、その要因は人口の減少による。人口の減少に合わせて、資産保有状況の検討を進めていく必要がある。歳入額対資産比率については、類似団体平均を下回る結果となった。当年度については資産合計に変動がない反面、歳入総額が減少したため、前年度から大幅に増加した。有形固定資産減価償却率が類似団体平均を若干下回っている。経年の推移(微増の傾向)も近似しており、類似団体と比較して有形固定資産の適正な維持・更新が実施できていると言える。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を大幅に下回っている。また、類似団体平均は微増であるが、当市は微減の傾向にある。その要因として、資産合計の減少以上に純資産が減少していることにある。なお、当年度においては資産合計に変化がなく純資産が減少したため、前年度から△0.1%減少した。なお、インフラ資産(59,352百万円)を除いた実質純資産比率(算式:(純資産△インフラ資産)/(資産合計Δインフラ資産)*100)は35%前後で推移しており、純資産比率の変動要因はインフラ資産であると考えられる。社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を大きく上回っている。当市は増加傾向にあり、当年度は資産の減価償却による減少があったが、地方債発行額の増加に伴って将来世代の負担も増加した。今後は地方債の償還をすすめ、将来世代の負担を減少できるよう努める。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値を上回っており、また、前年度から7.6万円減少している。住民一人当たりの純経常行政コスト(算式:純経常行政コスト(5,197,465百万円)/人口)が42.2万円(前年度△6.2万円)であることから、当年度の減少は、前年度の純行政コストに新型コロナウイルス関連事業費が含まれていることが要因である。ただし、今後、少子高齢化に伴う社会保障給付をはじめ、人件費や物件費も増加傾向にあることから、純行政コスト(純経常行政コスト)は今後増加していくことが懸念される。そのため、民間委託の効率化や施設集約化等により経費削減に努める。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を大きく上回っている。また、類似団体平均値は減少傾向にあるのに対し、当市は増加傾向にある。これは、近年大型建設事業を実施し財源として地方債を発行したこと、継続して人口減少が進んでいることが要因である。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、△502百万円となっている。類似団体平均は継続して黒字であるが、当市は赤字が続いている。地方債の発行・業務活動収支の黒字額充・基金取崩によって建設事業の実施にあたっていることがうかがえる。今後、基礎的財政収支の赤字額を縮減し黒字となるよう、健全な行政運営・適正な公共投資に努める。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は継続して類似団体平均を大きく下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低い状況である。前年度の受益者負担率が極端に低い要因は、前年度の経常費用に新型コロナウイルス関連事業費が含まれていることが挙げられる。なお、参考までに令和2年度の類似団体平均(3.4%)まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は経常費用を17,994百万円削減(△33.8%)する必要があり、経常費用を一定とする場合は、経常収益を612百万円増加(+51.1%)させる必要がある。