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コンビナートの企業からの税収があるため,財政力指数は1.33と高く,類似団体の平均を大きく上回っているが,近年は横ばいの状況である。コンビナートの企業への依存度の高い当市としては,引き続き企業の動向を注視するとともに徴収の強化や手数料収入など,自主財源の確保に努める。
合併特例債の償還期間を短く設定したため,公債費が一時的に増加し,経常的経費充当一般財源が対前年度比6億5千3百万円増えたことにより,比率が前年度から3.9ポイント上がったが,類似団体の中では一番低い状況である。一時的に公債費償還金の増加となったが,残額の抑制は継続しており,今後もさらなる自主財源の確保と義務的経費の削減に努めていく。
人件費は,類似団体平均の中でも低く,県平均よりも下回っている。物件費は,類似団体の平均値であるが,県平均よりは上回っている状況である。物件費が高い要因は,公園やスポーツ施設等の委託料等が多いためである。また,維持補修費は,類似団体の中でも高く,県平均よりも高い状況である。公共施設の老朽化が要因であり,今後も修繕費が増えることが予想される。今後は,公共施設等総合管理計画に基づき,計画的な更新等を実施していく。
ラスパイレス指数については,給与の総合的見直しによる現給保障対象職員数の割合が低くなったこと等による要因が考えられるが,全国市の類似団体平均をやや上回った。引き続き行財政改革に取り組み,適正な定員管理を行っていく。
普通会計部門において,平成27年度の543名から平成28年度は,546名と1名の増となった。定員管理の適正化を図る計画の目標職員数よりも低い数値となっており,類似団体に比べても低い状況となっている。
将来負担比率については,類似団体の平均値からみても比率は下回っているため,市の財政運営は健全であるといえる。しかし,財政調整基金等の取崩しによる充当可能基金の減や,配水場更新に伴う水道事業への出資金の増などにより,前年度比2.9ポイント増加しているため,引き続き地方債残高の抑制と基金等の充当可能財源の確保に努める。
定員管理の適正化を図る計画に基づき,引き続き適正な定員管理に努めた。職員数については,昨年度から3名の増となったが,給与の総合的見直しによる現給保障対象職員数の割合が低くなったこと等により類似団体平均からも4.6ポイントと大きく下回る状況である。今後については,市施策,事業等を勘案し,適正な定員管理を図りながら職員の任用に努めていく。
物件費が類似団体平均に比べ高いのは,公園の管理の民間委託,スポーツ施設等の指定管理制度導入による。前年度より1.2ポイント比率が上昇している要因としては,学校給食業務委託料や児童クラブ業務委託料が増となっているためである。引き続き,経費の抑制を図っていく。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回り,かつ上昇傾向にある要因として,障害者サービスの事業所や保育施設の増により利用者が増えたことなどが挙げられる。今後も扶助費の増加が見込まれるため,各種手当てなど市単独事業については見直しを進めていく必要がある。
その他に係る経常収支比率は,類似団体に比べ,低い水準となっている。今年度は,国民健康保険事業会計の赤字補填的な繰出金が増額となったが,下水道事業,水道事業への繰出金が減ったことにより,前年度と程度の水準となっている。
補助費等のその他の経費に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは,若年世帯住宅取得補助金などの単独補助を実施しているためである。前年度を0.1ポイント比率が下がったのは,水道事業会計補助金の減などによるものである。今後も補助金の目的と効果を見極め,適正な交付に努める。
合併特例債の償還期間を短く設定したため,公債費が一時的に増加し,対前年度比2.1ポイントの増となったが,起債残額の抑制は継続しており,また,公債費にかかる経常収支比率は,類似団体よりも低い水準となっている。今後,公共施設の老朽化に伴い,多くの財政需要が見込まれるため,起債の残高と借入額のバランスを考慮しながら,公債費の縮減に努める。
公債費以外の比率については,前年度より1.8ポイント上がっているが,類似団体の平均値よりは低い状況である。義務的経費においては,扶助費が増加していることにより,年々増加傾向である。一方,義務的経費以外においては,物件費や補助費等が多くを占め,今後は,事業費の費用対効果をふまえ,経費の縮減に努める。
実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準であり,近年減少傾向である。また,将来負担比率は,平成25年度・平成26年度は算定されておらず,平成27年度は22.3%となったものの,類似団体と比較して低い水準である。実質公債費比率は,市債借入の抑制や一部事務組合における元利償還額の減により改善している。将来負担比率は,神栖中央公園防災アリーナ(仮称)整備運営事業に係る債務負担行為額の増により,将来負担額が増となったことが,算定された要因となっている。今後も引き続き新規発行債の抑制や充当可能財源の確保,事業実施の効率化に取り組み,財政の健全性を維持するよう努めていく。
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