経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は100%を超え,類似団体平均を上回っているが,一般会計からの補助金に依存している面もあるため,使用料収入の確保と維持管理費の抑制により縮減を図っていく。②累積欠損金比率は0.00%である。今後も営業収益の安定的な確保を維持していく。③流動比率は,19.46%と類似団体平均を大きく下回っている。投資規模の適正化による企業債残高の縮減と,普及活動による使用料収入確保の両面から,比率の改善に努めていく。④企業債残高対事業規模比率は,615.77%と類似団体平均を下回っている。これは,企業債残高の縮減と,普及活動による使用料収入確保の両面から,比率の改善に努めていく。⑤経費回収率は,100.00%であり,使用料で回収するべき経費を使用料で賄えている状況である。今後も継続して,使用料収入の確保と汚水処理費の抑制に努めていく。⑥汚水処理原価は153.69円と類似団体平均を若干し下回っており,効率的な汚水処理が実施されていると考えられる。引き続き,接続率の向上による有収水量の増加と,汚水処理費の抑制に取り組んでいく。⑦施設利用率は,流域関連公共下水道に接続しており,処理場を有していないため対象外である。⑧水洗化率は,92.84%と類似団体と概ね同程度である。引き続き,広報や戸別訪問などの普及活動により,更なる水洗化率の向上に努めていく。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は,令和2年から法適用企業となったため,減価償却累計額が小さく,比率は4.18%と類似団体より低い数値となっている。今後は,資産の償却により減価償却が進んでいくため,ストックマネジメント計画に基づき,計画的な施設の改築・更新に努めていく。②管渠老朽化比率は,法定耐用年数を経過した管渠がないため0.00%となっているが,耐用年数の到来を見据え,ストックマネジメント計画に基づく,計画的な改築・更新を進める必要がある。③管渠改善率は,令和2年度に更新した管渠がないため0,00%となっている。今後はストックマネジメント計画に基づき,老朽管渠の調査・点検を行い,必要に応じて改築・更新を進めて行く。
全体総括
経営の健全性及び効率性に関する指標から,当市の公共下水道事業の経営は,おおむね健全な状態であると言える。しかしながら,人口減少による使用料収入の減少が懸念される中,資産の老朽化による施設の更新時期の到来を見据えると,厳しい財務状況となることも想定される。一般会計補助金に依存する経営状況からの改善に向けては,普及促進により水洗化率と使用料収入の確保に努めるとともに,料金体系についても適宜見直しを進め,経営基盤の強化を図る。また,施設の老朽化による改築。更新費用の増加が見込まれるため,ストックマネジメント計画に基づき,計画的な改築・更新を進めるとともに,更新費用の平準化を図ることで,財源の確保に努めていく。