経営の健全性・効率性について
単年度収支は黒字で推移し、「経常収支比率」は100%を超えている。しかし「流動比率」は100%を下回っており、類似団体と比較しても低い水準となっている。企業債償還金が多額であることに加え、主な流動資産である現金預金が少ないため、1年以内に支払わなければならない負債を賄えておらず、資金繰りが大変厳しい状況である。今後は、支払い能力を高めるための経営基盤強化に努めていく必要がある。費用対効果を十分に考慮したうえで下水道面整備を行い、地方債計画を盛り込んだ整備計画を策定する。また、使用料収入の基である「水洗化率」が、90.24%と類似団体に比べて低い水準となっていることから、未水洗化世帯への水洗化の促進及び啓発を継続的に行うことで、有収量及び使用料収入の確保に努める。「施設利用率」については、類似団体と比較して低い水準となっている。汚水処理水量の減少に伴い、晴天時一日平均処理水量が減少したことが要因と考えられる。桜山処理区と大島処理区との統合及び供用開始に向けて統合工事の推進を行い、施設の改築更新費や維持管理等のコスト縮減を図る。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は類似団体と比較してやや高い水準となっている。汚水処理施設及び雨水ポンプ場施設の機械・電気設備において、耐用年数を経過したものがある。施設全体の健全度や重要度を考慮した点検やストックマネジメント計画に基づき、計画的かつ効率的に維持修繕・改築などを行っていく。
全体総括
今後は建設から維持管理へ移行するため、経年劣化の進む下水道施設の改築更新費用や、その財源となる企業債償還金が増加する見込みである。また、維持管理委託費等の固定的経費も増加傾向にある。本市の公共下水道事業は、現時点においては黒字を計上しているが、人口減少・節水傾向に伴う使用料収入の減少や施設の維持管理及び改築更新に要する経費の増大により、経営を取り巻く環境はますます厳しくなっていくことが予測される。このような状況においても事業を継続していくために、ストックマネジメント計画に基づいた施設の維持管理及び改築更新を行い経費削減に努めるなど、中長期的展開に立った経営基盤の強化に取り組む必要がある。