経営の健全性・効率性について
(1)健全性について経常収支比率については前年度より微減した100%を超えた数値を出しており、累積欠損比率についても0%を維持していることから健全な運営がされているものと考えます。(2)効率性について効率性の指標の一つである施設利用率は類似団体と比較して低い水準となっています。今後は人口減少による流入水量の減少が予測されるため、施設の効率性が下がる可能性があります。そのため将来的に施設のダウンサイジング等、施設を効率的に使用する手法の検討が必要となります。
老朽化の状況について
標準耐用年数を経過した管渠の割合を示す管渠老朽化率は、全体の1.85%と前年度比で約1ポイント上昇しました。全国平均値に比べると比較的低い状況ですが類似団体平均値を上回っています。なお、道路陥没の発生が増えるとされる供用後30年経過した管渠の割合は全体の約68%と微増傾向が続いています。以上を踏まえ、今後もストックマネジメント計画に基づく健全度の把握と管更生や布設替えによる改築・更新を計画的に進め、安全で安心な市民生活を確保して参ります。
全体総括
現状としては、経常収支比率が100%を上回っていることから、現在の経営状況は良好と判断できます。また令和元年度に100%を下回っていた経費回収率ですが、昨年度から汚泥乾燥施設が稼働し、発生汚泥量の減少などによる資源化経費が減じたことや、本年度に下水道使用料の家事用外分が増加したことにより100%を上回っております。今後の下水道事業経営の見通しとしては、予想される人口減少から収益の基本となる下水道使用料の減収が懸念されることに加え、施設の老朽化や耐震化への対応、近年の自然災害への対策など投資的事業の必要性から、経営状況は厳しくなることが予想されます。こうした背景の中、令和4年3月に見直しを行った恵庭市下水道ビジョン・経営戦略に基づき、令和4年度から令和13年度までの10年間、計画的な施設更新や事業の平準化を図るとともに、下水道資源の有効利用、経費の圧縮など、健全かつ効率的な経営ができるよう努めてまいります。