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緩やかな景気回復により個人市民税や軽自動車税が増収となり,また各種税交付金も増額になっているものの,合併特例債の発行や臨時財政対策債の増により基準財政需要額に算定される公債費が増額となったことなどにより前年度と同水準にとどまった。財政力指数は平成21年度以降低下し続けているため,今後も,企業誘致などによる市税確保を図り,財政基盤の強化に努める。
退職手当負担金や共済組合負担金の減による人件費の減や,これまでに実施してきた市債発行抑制による公債費の減など,経常経費が減少したことにより,経常収支比率は前年度と比べ0.8ポイント低下した。今後も,社会保障関係経費の増や施設の維持管理経費の増等が見込まれることから,歳入面においては,市税等の収納強化や新たな自主財源の創出により一般財源の確保等に努め,また歳出面においては,事務事業の見直しによる経常経費の抑制に努める。
職員の若年化に伴う職員給の減等による人件費の減など,人件費・物件費等の決算額は前年度と比べ減少しているものの,住基人口の減により,人口1人当たりの決算額は前年度と比べ微増となっている。人件費については,定員適正化計画に基づく削減,物件費及び維持補修費については枠配分対象経費の拡大や事業の厳選により削減を実施してきたが,今後も単に経費の圧縮にとどまることなく,事業の目的や成果目標に合わせて既存事業をゼロベースで見直すなど,経常経費の削減に努める。
臨時特例法に基づく国家公務員の給与削減措置が終了したため,ラスパイレス指数が相対的に低下した。なお,平成24年度において当該給与削減措置がなかったと仮定した場合の本市のラスパイレス指数は95.1であったたため,その値と今年度のラスパイレス指数を比較すると0.3ポイント上昇した。この理由は国家公務員が高齢層職員の昇給停止措置を行っている一方で,本市が当該制度について未導入であるためである。今後とも給与水準の適正化に努める。
平成18年度から平成22年度に実施した定員適正化計画により職員数は減少し,現在はほぼ横ばいの職員数を維持している。毎年度策定している職員増減計画を今後も策定し,今後も簡素で効率的かつスリムな組織・機構の構築を進めながら,中長期的視点に立った適正な定員管理の維持に努める。
実質公債費比率は,年々低下している。これは,高金利な資金の繰上償還を実施するとともに,事業債の発行を償還元金の範囲内に抑えることで公債費の縮減に努めたことなどによるものである。今後は,一定期間は,合併特例債の発行や大型事業の推進などにより,公債費の増加が予想され,実質公債費比率も上昇に転じる見込みであるが,施策の厳選や事務事業の見直し等により,後年度の公債費抑制に努める。
徹底した債務縮減により,特別会計を含めた市債残高を平成10年度末の1,017億円をピークに平成25年度末には833億円と-184億円,-18.1%の削減を図ってきたことなどにより,将来負担比率は年々低下してきた。近年は大型事業の推進に伴い市債発行額が増加しているが,平成25年度は市債残高は増加しているものの宍塚大池周辺開発用地取得により当該事業に係る債務負担行為額が皆減となったため,前年度と比べ4.2ポイント低下している。今後も行財政改革を推進し,財政の健全化に努める。
職員給の減等により人件費は減となったものの,普通交付税の減などにより経常一般財源も減となったため,人件費にかかる経常収支比率は,前年度と比べわずか0.1ポイントの減となっている。
平成12年度以降上昇していた扶助費にかかる経常収支比率は,こども手当の減などにより,前年度と比べ0.6ポイント減に転じ,類似団体平均よりも低くなっている。扶助費は,今後も増加することが見込まれるが,厳正な執行に努める。
各施設等の維持補修費が減少したことにより,その他にかかる経常収支比率は前年度と比べ0.1ポイント低下しているものの,介護保険特別会計などの特別会計への繰出金が大きいため,類似団体平均を大きく上回っている。今後も,国民健康保険,介護保険,後期高齢者医療の各特別会計において保険料徴収率の向上を図り,市税収入を主な財源とする普通会計の負担を減らしていくよう努める。
平成13年度以降,補助金の整理合理化を進めてきたことにより,補助費等にかかる経常収支比率は,類似団体平均を大きく下回っている。今後も,定例化している補助金等について見直しを行い,適正な執行に努める。
これまでに実施してきた繰上償還等により,公債費は平成21年度より減少しており,類似団体平均と比べても低くなっている。しかし,今後は,合併特例債の発行や大型事業の実施により公債費の増加が予想されるため,引き続き市債を財源とする事業の厳選や計画的な発行を行い,将来の財政負担の軽減に努める。
公債費以外の経費にかかる経常収支比率は,人件費や繰出金,補助費等の減少により,前年度と比べ0.1ポイント低下し,類似団体平均を下回っている。市税収入の低迷が見込まれる一方で,社会保障関係経費や,公共施設等の老朽化対策経費などの増加が見込まれることから,歳入面においては,一般財源の確保等に努め,また歳出面においては,事務事業の徹底した見直しによる経常経費の抑制に努める。
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