経営の健全性・効率性について
①経常収支比率:100%を超えていますが、施設の老朽化が進行し、計画的に修繕や大規模改修を行っており、使用料収入の確保に向けた取り組みが必要となっています。②累積欠損金比率:一般会計から繰入金により、欠損金は発生していません。③流動比率:流動負債は、主に建設改良に充てられた企業債の元金償還等となっているものの、使用料収入で賄うことができず、一般会計からの繰入金に依存している状況となっています。④企業債残高対事業規模比率:類似団体と比較すると低くなっていますが、耐用年数を超えた処理場の設備改修工事等を行っており、企業債残高を見据えながら計画的に実施していく必要があります。⑤経費回収率:①経常収支比率と同様に、100%を超えていますが、使用料収入の確保に向けた取り組みが必要となっています。⑥汚水処理原価:汚泥処理は脱水までで焼却処理を行っていないため、類似団体と比較して、原価は安くなっています。⑦施設利用率:類似団体の水準を超えていますが、利用率は76%程度となっています。⑧水洗化率:83%程度となっており、類似団体と同程度の水準となっています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:事業の開始時期が昭和52年で、終末処理場の機械・電気設備等が耐用年数を迎えており、ストックマネジメント計画に基づき、更新工事を実施しています。②管路老朽化率、③管渠改善率:事業の開始時期が昭和52年で、耐用年数(50年)を迎える管渠はまだありませんが、平成28年度から豊後高田市公共下水道長寿命化計画に基づき、老朽管の更新事業を実施しています。
全体総括
下水道施設の管渠整備は、ほぼ計画を達成していますが、その一方で、水洗化率は徐々に上昇しているものの80%前半にとどまっています。これは事業計画に基づいて建設した汚水処理場等が処理能力の80%程度しか活用されず、20%分が余剰能力となっている状態です。下水道は、市民生活に欠くことのできない施設であり、下水道事業の健全で安定的な経営を図るうえで、水洗化率の向上が最優先課題となっています。また、今後は人口減少による汚水処理人口の低迷が懸念されます。限りある財源を効率的に投資するため、下水道が整備されていない山間部等(非人口密集地域)については、合併処理浄化槽の整備を推進していきます。