国保病院 簡易水道事業(法適用) 簡易水道事業(法適用) 公共下水道
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財政力指数は、歳入面での税収増加を主要因に、平成28年度は増加した。ただし、税収増加と表裏一体で普通交付税が大きく減少し、各種譲与税も減少したため、一般財源総額の確保に課題がある。特に、自主財源確保の観点から税収増加は重要である一方、その内訳で法人税の占める割合が高まると景気動向の影響を直接的に受ける恐れがあるため、その備えとして年度間の財源調整を行う財政調整基金を一定程度確保しておくなど、持続可能な財政基盤の確保に努める。
行財政改革の取り組みによる歳出削減策は継続しているものの、社会保障関係経費や公共施設等適正管理のための維持補修費の増加により、経常経費総額は増加傾向にある。また、平成28年度は前年度と比較して経常経費総額の増加幅(1.3%)より、経常一般財源総額の減少幅(-5.3%)が大きかったため、経常収支比率は前年度比較で6.1%悪化した。歳出側での経常経費の圧縮に努めるとともに、歳入側では町税をはじめとする経常一般財源総額の確保に努める。
人件費については、行財政改革の取り組みで人件費総額を抑制してきていたが、人事院勧告に基づく給与水準改定により、前年度より増加している。物件費等については、臨時職員の雇用により賃金が増加傾向であり、また公共施設の適正管理のための建物や道路の維持補修費も増加している。
ラスパイレス指数は、類似団体平均を2.1上回っており、引き続き比較的給与水準の高い若年層の水準適正化や各種手当、昇給の見直しなどにより給与水準の適正化に努め、縮減を図る。
これまで行財政改革の取組みとして退職者不補充を中心とした職員数削減に努めてきたことで、人口千人当たりの職員数としては、少ないものとなっているのが、緩やかながらも人口増を続ける本町において、住民ニーズの多様化や地方分権による事務移譲の対応、また地方創生を進めていくための人材確保など、引き続き住民サービス水準の維持を図るための適正な定員管理に努める。
五省協定に基づく立替施行償還債務を中心とした準公債費である債務負担行為の償還金、公営企業への繰出金が影響して類似団体比較において高い水準が続いている。近年、公共施設の耐震化による建替事業を実施したため、償還経費の増大が見込まれるなど、短期的に数値が大きく好転する要素はなく、債務残高総額の圧縮に継続して取り組む。
学研都市建設に伴う都市基盤整備のための借入や五省協定に基づく旧住宅・都市整備公団立替施行による債務負担行為残高の大きさが懸案課題である。地方債繰上償還の実施や、新規地方債発行額を償還元金の範囲内に抑える公債費適正化対策により着実な債務圧縮を続けてきたが、それでもなお類似団体比較においても将来負担比率は極めて高い値となっている。近年の公共施設の建替等に伴う地方債発行により地方債残高が一時的に増加したが、将来世代への過度な負担とならないよう、引き続き適切な財政運営に努める。
経常経費に占める人件費の割合は類似団体と比較して高めの傾向であり、これまで行財政改革の取組みで人件費総額を抑制してきていたが、行政サービス水準維持のための人材確保や給与制度の総合見直し、人事院勧告に準拠した給与の見直しなどにより前年度より増加しているが、引き続き人材確保など職員数の適正化に取り組む。
平成28年度は、国の施策である臨時福祉給付金・年金生活者等支援臨時給付金や保育所関係の扶助費が影響し、前年度と比較して増加した。本町の高齢化率(65歳以上)は、超高齢(21%)社会へ移行したことから、今後も高齢化の進行に伴い、扶助費の自然増加は避けられない見通しとなっている。
保険事業特別会計への繰出金が扶助費と同様に年々増加傾向にあり、全体的な比率の増加傾向につながっている。合わせて、下水道事業特別会計における公債費の増加に伴う繰出金も増加しているが、受益者負担の原則に照らして歳入確保策を講じるなど、一般会計からの繰出金の抑制を図る必要がある。
町村規模では消防や病院を一部事務組合で運営し、負担金として支出する団体が多いところ、本町にあっては、単独消防であり、病院については指定管理者制度を導入しているため、相対的に低い水準にある。
学研都市建設に伴う都市基盤整備のための多額の債務残高が懸案課題である。地方債繰上償還の実施や、新規地方債発行額を償還元金の範囲内に抑える公債費適正化対策など、債務圧縮に取り組んできたことにより近年数値は良化してきているが、それでもなお類似団体比較において高い水準となっている。また、近年の公共施設の建替等に伴う地方債発行により地方債残高は増加に転じたことから、今後公債費の増大が見込まれる。
公債費を除いた場合の比率は類似団体平均と同水準で推移してきたが、平成28年度は、扶助費をはじめとする経常経費の増加は確かにあるものの、経常一般財源総額の減少に起因しているものであるため、町税収入やその他交付税交付金の歳入確保に努める必要がある。
本町は、関西文化学術研究都市の中心地として平成の初期に急速な都市建設が進められたという特性があるため、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率は低い。ただし、固定資産台帳整備において、建物と附属設備を可能な限り分けて計上したことにより、附属設備については、建物本体よりも耐用年数が短いため、建物一体評価による有形固定資産減価償却率を算出した場合と比べて、比率が高くなる。したがって、有形固定資産減価償却率を用いた今後の更新費用の推計について、この点を考慮することが重要であると考える。
類似団体と比べて、本町は、将来負担比率が高く、有形固定資産減価償却率が低くなっており、真逆の傾向を示している。これは、平成初期の関西文化学術研究都市建設に伴い、借り入れた地方債や五省協定に基づく旧住宅・都市整備公団立替施行による債務負担行為の残高の大きさが将来負担比率の高い値に結びついている。一方で、保有資産については、比較的新しいことに加え、特に、平成26~27年度にかけて、公共施設の建替えを実施したことから、有形固定資産減価償却率については、類似団体に比べ、低くなっている。したがって、公共施設等の整備を実施することにより、有形固定資産減価償却率は低下するものの、施設整備のために借り入れた地方債の償還が将来世代への負担へつながることから、この双方のバランスを勘案しつつ、今後来たるべき公共施設等の更新需要に備えるための財源確保や、施設の長寿命化による財政負担の軽減・平準化を図る必要がある。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体と比較して高い水準にある。これは、上述するように、関西文化学術研究都市建設に伴う都市基盤整備のための借入や五省協定に基づく旧住宅・都市整備公団立替施行による債務負担行為残高の大きさが将来負担比率を押し上げているものである。また、特に平成26~27年度にかけて、公共施設の建替等に伴う地方債発行により、地方債残高は増加に転じていることに伴い、今後公債費が一時的に増加することから、実質公債費比率が好転する見込みはないと想定される。したがって、これまで以上に歳入の推移と実質債務の償還推移、さらに基金残高の動向も踏まえつつ、将来にわたる持続可能な財政運営のための安定的財政基盤の確立が必要とされる。
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