経営の健全性・効率性について
「経常収支比率」「累積欠損金比率」「経費回収率」「汚水処理原価」は使用料の減少や維持管理に係る費用が増加したことにより、類似団体より不良な状態である。「流動比率」は平成26年度に会計基準の見直しにより大幅に減となったもので、その後はほぼ横ばいで類似団体より低い水準である。「企業債残高対事業規模比率」は過去の企業債完済等により前年度より減少はしているものの、依然類似団体より高い。「施設利用率」はほぼ横ばい状況にあり、類似団体より低い水準であるため、今後予測される人口減少による処理能力の余剰部分の有効利用を検討する必要がある。「水洗化率」は類似団体より高い水準であるが、ここ5年ほぼ横ばい状態であるため、加入率の向上を図る必要がある。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は増加傾向にあり、類似団体より高い水準で推移している。平成28年度~令和3年度の処理施設更新事業により固定資産が増え、今後比率が下がると予想される。「管渠老朽化率」「管渠改善率」は供用開始から31年であるため耐用年数(50年)を超えている管渠がなく、未だ0%である。
全体総括
経営の健全性・効率性については、使用料の増加及び水洗化率の大幅な向上はあまり見込めないため、効率的な維持管理により経費を抑えるとともに、不明水対策を強化することで有収率を上げ、累積欠損金を減らすことが必要である。さらに平成28年度~令和3年度の処理施設更新事業により借入額が増加するが、計画に基づいた事業実施で事業費の平準化を図り、借入額を償還額内に収めることにより、着実に企業債残高を減らしていかなければならない。老朽化の状況については、ストックマネジメント計画を策定し、それに基づき耐用年数までに更新・改善工事に取り組んでいく必要がある。