宗像市：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は、使用料収入や一般会計からの繰入金等の収益で、維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す指数で、当市は100％を超えており健全である。②累積欠損比率は、営業収支に対する累積欠損金の状況を表す指標で、当市は欠損金は発生しておらず健全である。③流動比率は、短期的な債務に対する支払い能力を表す指数で、当市は100％を越え、類似団体平均よりも数値は高い。④企業債残高対事業規模比率は、使用料収入に対する企業債残高の割合であり、毎年新規借入を上回る償還を続けており残高は着実に減少していることから、減少傾向となっている。当市は平均よりも低く健全性が高いと捉えることができる。⑤経費回収率は、使用料で回収すべき経費をどの程度使用料収入で賄えているかを表す数値で、当市は基準となる100％を超え健全である。⑥汚水処理原価は、有収水量１㎥あたりの汚水処理に要した費用であり、資本費・維持管理費の両方を含めた汚水処理に係るコストを示す指数で、当市は類似団体と同程度となっており、汚水処理にかかるコストは平均的だといえる。⑦施設利用率は、一日に対応可能な処理能力に対する一日平均処理水量の割合であり、当市は平均より利用率が高く、効率性が高い。⑧水洗化率は、処理区域内人口のうち、実際に水洗便所を設置して汚水処理をしている割合を示す指数で、当市は処理人口の増加に伴い微増となっている。約９９％と平均より水洗化率は高い。

老朽化の状況について

昭和45年の事業開始から50年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいる。そのため、管渠施設については、早期に供用開始した日の里地区や自由ヶ丘地区などをはじめ、老朽化したマンホール蓋等の更新を行っている。併せて、管内カメラ調査等を行い、判明した老朽管・老朽蓋の改築更新も進めている。また、管と桝の接合部の補修などの浸入水対策事業も引き続き行っており、経費の抑制に努めている状況である。また、処理場やポンプ場施設については、引き続き老朽化した箇所の改築更新を継続して行っている。

全体総括

総じて全国の類似団体と比較しても堅調な経営を行っていると言えるが、事業開始から50年を超え、有形固定資産減価償却率が類似団体の平均より高く、下水道関連施設の老朽化が進行していると言える。今後は、施設の劣化状況等を把握したうえで、長寿命化対策を含む計画的な改築や更新、維持管理を行い、老朽化施設の適正かつ効率的な管理を行っていく必要がある。また、接続促進やなどによる収益の向上や徴収困難案件に対する滞納整理を進め料金徴収に努めていく。