経営の健全性・効率性について
①経常収支比率について、令和3年度は前年より2.8ポイント改善されたが、依然100%を下回っている。平成29年度から100%を下回っており、その主な要因はその他営業収益の施設提供対価料の減である。②累積欠損金比率は、毎年度0%であるので経営が健全であることが示されている。③流動比率は、100%以上であることが必要であり、短期的な債務に対する支払能力は良好である。④企業債残高対給水収益比率は、0%であり、健全経営であることが示されている。今後も起債に頼らない財政運営に努める。⑤料金回収率は、100%を下回っている。給水に係る費用について、給水収益以外であるその他営業収益(施設提供対価料)で賄っていることが主な要因である。⑥給水原価は、全国平均値を上回っており、類似団体より下回っている。今後も効率的な運営を図るよう努める。⑦施設利用率が平均値を下回っている理由として、事業認可当初の配水量に米軍基地が見込まれていたことが考えられる。現在は米軍基地内のごく僅かな限られた施設にのみ給水を行っているため当該値が低く算出されている。令和3年度の値については、例年どおりであり問題ないと考える。⑧有収率は、高水準を維持しており、有効率が95%を超えていることから、問題は無いと考えられる。今後も維持するよう努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、年々増加しており老朽化の進行が伺える。②管路経年化率は、類似団体に比べ低い数値になっているが、今後10年では法定耐用年数に達する施設が増加することから、計画的な更新が必要である。③管路更新率は、今後、更新対象管路が増えることから、経営状況を勘案しながら計画的な更新が必要である。
全体総括
分析により、経常収支比率が前年に引き続き100%以下となり収支が赤字であることが示された。減少した主な理由は米軍基地からの収益である施設提供対価料の減少によるものである。また、水道料金については、前年に引き続き全体として前年比減となった。要因として考えられるのはゆるやかな給水人口の減少、節水機器の普及、新型コロナウイルス感染拡大の影響等が考えられる。一方、その他営業収益である施設提供対価料においては、コロナ禍の影響で使用量が大きく減少した前年に比べ、使用量が増加した。しかしながら施設提供対価料においては、今後も収益増が見込めない為、水道料金等での給水収益確保が必要である。また、施設の老朽化も進んでいることから、計画的に施設の更新を行う必要がある。以上の事を踏まえ、今後、料金改定を含めた経営改善に向けた取り組みを行う必要がある。