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外海離島にあって,人口減少や高い高齢化率(平成29年度末37.9%)に加え,小規模農家による農業を基盤とする産業構造にあることなどから,財政基盤が弱く,0.23と類似団体平均を下回っている。行政改革大網に基づき職員数,人件費の抑制,単独補助金見直し等,歳出の見直しとともに,税収の徴収率向上を中心とする歳入確保に努める。
経常収支比率の中で人件費が27.7%,扶助費6.5%,公債費19.5%と義務的経費に係る構成比率が高く,類似団体の平均を上回っている。職員数抑制による人件費削減や新規起債の抑制による公債費の縮小,また社会保障費等の見直しなどを含め,行財政改革への取り組みを通じて義務的経費の削減に努める。
物件費については,類似団体以下の水準で推移している。ごみ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っていること等が挙げられる。人口一人当たりの人件費は,類似団体を上回っているため,定員管理と給与体系の見直しにより抑制していく必要がある。
2%の給与カットを継続実施しているため,類似団体と同水準となっている。給与カットについては,継続して実施する予定であり,今後もより一層の給与水準の適正化に努める。※ラスパイレス指数は当該資料作成時点において,平成30年度調査結果が未公表のため,前年度の数値を引用している。
新規採用抑制策等による職員削減により,類似団体とほぼ並んでいる。引き続き行政改革大網及び定員適正化計画に基づき職員数の適正な水準を推移するよう努める。
大規模事業の償還終了,新規起債の抑制により実質公債比率は減少傾向にある。今年度実質公債費比率が上がった要因としては,交付税基礎数値(公債費)の報告誤りに伴い算入公債費が減少したためである。平成31年度決算において錯誤措置額として算入公債費が増となる予定である。新規起債の抑制など実質公債比率については,適正な水準の確保に努める。
光ブロードバンド導入事業や公園長寿命化事業など大規模の起債事業等により,地方債残高は増加した。しかしながら,団塊世代の大量退職が続いていることと新規採用職員を抑制していることから,退職手当負担見込額が減少し,将来負担比率は減少した。依然として類似団体より数値が高いため,新規事業の実施について,厳しく点検を行い,財政の健全化に努める。
給与水準が類似団体と比較して高いために,経常収支比率の人件費が高くなっている。給与制度についての提言や定員管理計画に基づく職員数の減など行政改革への取組を通じて人件費の削減に努める。
毎年の予算編成に関してシーリングを設定し,事務事業の改善・合理化に努め,執行方法の効率化を図った結果,類似団体平均に比べ低くなっている。しかし委託業務の増加から物件費が微増傾向にあるので,今後も行財政改革を通じて経費の削減を図る。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体に比べ高い。社会福祉費における障害者自立支援給付事業等が毎年増加傾向にあることなどが要因となっている。扶助費全般について所得制限や単価,対象者など国・県の制度に上乗せしているもののほか,町単独で実施している制度についての見直しを進め,財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る費用については,国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療等の特別会計への繰出金の占める割合が高くなっている。高齢化率の上昇に伴い,医療費・介護給付も増加する傾向が予想されるが,各保険料の適正化・収納対策を図ることなどにより特別会計の財政健全化を図り,一般会計の負担を減らしていくよう努める。
補助費等は類似団体平均に比べ高くなっている。主に一部事務組合への負担金の増によるもので,種子島産婦人科医院の建設事業費負担等の経費等である。町単独補助金については,補助金等検討委員会の答申に基づき廃止・縮小を進め,特に運営費補助金については事業の見直し,経費の削減など経営の合理化を図る。一部事務組合による病院事業及びごみ処理施設整備事業,産婦人科医院建設事業等の公債費発生による影響で負担金の増加が見込まれるため,今後は補助費の増加が懸念される。
大規模事業の償還終了により,類似団体の平均とほぼ同等に推移しているが,高い数値にある。今後,老朽化施設の大規模改修や公営住宅の長寿命化対策の償還が始まるなど公債費の増加が見込まれるため,これまで以上に厳しい財政運営となることが予想される。そのため新規発行を伴う普通建設事業については,実施年度の見直し等を行うこととしている。
行財政改革や予算執行の適正化等により,物件費など類似団体平均を下回っている項目はあるが,人件費,扶助費,補助費が高いため類似団体平均を上回っている。給与制度の是正や定員管理計画における職員数の管理削減等により,人件費の縮小を図り,類似団体平均水準で推移するよう努める。
(増減理由)地方交付税の減少や公共施設等の老朽化対策に係る経費の増大に備え,財政調整基金を58百万円(うち余剰金処分28百万円)積み立てた一方,減債基金を89百万円取り崩したこと,地域福祉基金から老人措置費に21百万円取り崩したこと等から基金全体としては,23百万円の減となった。(今後の方針)減債基金,特定目的基金については,それぞれの目的により順次取り崩していくことを予定しており,全体的にも減少傾向にある。
(増減理由)決算余剰金を28百万円積み立てたほか,公共施設等の老朽化対策に係る経費の備えとして,30百万円を積み立てたことによる増。(今後の方針)今後の財政需要を見込み,現在額を下回らない程度で推移していく見込み。
(増減理由)償還のため,89百万円を取り崩したことによる減額。(今後の方針)地方債の償還計画を踏まえて,年次的に取り崩していく予定であり,今後減少していく見込み。
(基金の使途)・文化スポーツ振興基金:住民のゆとりある文化の創造と明るく健やかな郷土づくりを推進。・地域福祉基金:在宅福祉の向上等高齢者保健福祉の増進。・ふるさと応援基金:ふるさと納税を財源として,魅力あるふるさとづくりの推進。(増減理由)・文化スポーツ振興基金:長期振興計画に基づく各種の文化・スポーツ事業の財源として19百万円を充当したため減額。・地域福祉基金:長期振興計画に基づく高齢者福祉事業の財源として21百万円を充当したため減額。・ふるさと応援基金:ふるさとづくり推進事業に30百万円を充当した一方,寄附金の増加により,77百万円の積立を行ったため増額。(今後の方針)・文化スポーツ振興基金:各文化・スポーツ施設の老朽化が進んでおり,修繕等の経費に充当していくため減少傾向。・地域福祉基金:年次的に高齢者福祉事業の財源として充当し,最終的には基金の廃止を予定している。・ふるさと応援基金:寄附金の増減により,影響を受けるが,寄附者の希望に添った事業に積極的に充当していく予定である。
当町では,平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画において,施設総量(総床面積)を縮減するという目標を掲げており,老朽化した施設の除去を進めている。有形固定資産減価償却率については,類似団体平均値よりも高い数値であるが,今後公共施設の個別計画を策定することとなっており,当該計画に基づき適正な維持管理に努める。
将来負担比率が減少傾向にあるものの,有形固定資産減価償却率については高い水準にある。これは庁舎や中央公民館等施設の老朽化が進み,有形固定資産減価償却率が90%を超えているなどが要因として挙げられる。今後策定する公共施設の個別計画に基づき,適正な維持管理に努める。
実質公債費比率と将来負担比率については,近年減少傾向にあったが,実質公債費比率は昨年と比べ増加した。要因としては,平成25年度に行った中学校体育館や文化施設の大規模改修事業の元金償還開始によるものと考えられる。今後保健センター等の大規模改修を予定しているため,元利償還金の増が見込まれることから,事業実施の適正化をはかり,財政の健全化に努める。
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