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平成23年度までは低下傾向であったが、平成24年度以降は0.39を維持している。しかし、類似団体平均を0.35ポイント下回っており、依然低い水準となっている。これは、市税などの自主財源が乏しく、地方交付税等への依存度が高い状況を示しており、脆弱な財政構造となっている。そのため、税等の滞納整理強化により、徴収率の向上に取組むとともに、未利用資産、不用物品等の売却など自主財源の更なる確保に努める。更に、ふるさと納税の推進、第4次行財政改革の実施、戦略的政策評価等による歳出削減の徹底など、財政基盤の強化に努める。
前年度と比較し2.9ポイント増加(悪化)したが、類似団体平均、全国平均、兵庫県平均を下回っている。歳入では合併算定替えの段階的縮減により普通交付税が大きく減収していること、歳出では豊岡病院組合負担金の増額、広域ごみ処理施設の償還開始による公債費の増額等によることが、経常収支比率を圧迫する大きな要因となっている。今後も引き続き公債費負担の適正化に努めるとともに、企業会計の経営健全化に向けた取組を進め、負担金の抑制を図りながら、経常収支比率の90%未満を目指す。
ラスパイレス指数は、類似団体平均と比べ2.9ポイント低いものの、人口1人当たり人件費は95,409円で、類似団体平均57,754円と比べ37,655円高くなっている。これは、人口千人当たり職員数が9.88人に対して類似団体平均6.31人を3.57人上回っていることが要因となっている。物件費は68,253円で、類似団体の平均54,462円を13,791円上回っている。第4次行財政改革を強力に推し進め、コスト削減を図る。
令和元年度は95.5であり、類似団体平均に比べ2.9ポイント、全国市平均に比べ3.4ポイント下回っている状況である。今後も職員の年齢及び経験年数階層を考慮しながら、給与の適正管理に努める。
定員適正化計画に基づき職員数の削減を進めてきたが、人口千人当たり職員数は平成26年度から増加に転じ、令和元年度は9.88人と前年度と比較し、0.2人増加した。これは、職員の年齢構成の偏りを是正するため計画的な新規採用を行い、職員数を現状維持としていることと人口減少によるものである。しかしながら、類似団体平均と比べて3.57人多い状況となっているので、今後も職員の年齢及び経験年数階層を考慮しながら、引き続き定員の適正管理に努める。
実質公債費比率は、平成21年度の19.4%がピークで年々減少してきており、令和元年度は13.3%で、地方債発行の許可団体を判断する18%を平成24年度から引続き下回ることとなった。下回る主な要因は、積極的な繰上償還、計画に基づく地方債の発行、交付税算入率の高い地方債の発行等によるものである。しかしながら、近年は増加傾向に転じており、前年度と比較して1.0ポイント増加(悪化)している。これは分子となる元利償還金及び準元利償還金は減少しているものの、普通交付税の合併算定替えの段階的縮減により、分母となる標準財政規模が縮小することにより、比率が低下する結果となっている。今後も引き続き、地方債発行額の抑制に努めるなど、実質公債費比率の改善に努める。
前年度と比較し、一般会計等の地方債残高、公営企業債等繰入見込額及び組合負担等見込額が減少したことにより、将来負担比率は74.5%で0.3ポイント減少(改善)している。しかし、類似団体平均と比較すると52.4ポイント上回っており、依然として高い水準で推移している。これは分子にあたる地方債現在高や公営企業債等繰入見込額等は着実に減少しているものの、普通交付税の合併算定替えの段階的縮減により、分母となる標準財政規模が縮小することにより、比率の減少幅が小さくなる結果となっている。今後も引き続き、地方債発行額の抑制に努めるなど、将来負担の軽減に努める。
令和元年度は24.6%で、前年度に比べて0.3ポイント増加しているが、時間外・休日勤務手当等の減少により充当一般財源は-19百万円減少している。類似団体平均との比較では1.1ポイント上回っているが、全国平均・兵庫県平均との比較では下回っている状況である。経常収支比率における人件費は、やや低い水準にあるといえる。
令和元年度は10.2%で、前年度と比べて0.1ポイント減少しており、備品購入費等の減少により充当一般財源は-67百万円減少している。類似団体平均16.2%に対して6.0ポイント下回っており、全国平均・兵庫県平均との比較でも下回っている状況である。しかし、人口1人当たりの決算額では、本市が68,253円に対して類似団体平均は54,462円で、13,791円多い状況となっている。引き続き行財政改革の徹底などにより、経費の節減に努める。
令和元年度は7.5%で、前年度に比べて0.4ポイント増加しており、児童保育運営事業費等の増加により充当一般財源は83百万円増加している。類似団体平均との比較では、5.4ポイント下回っており、全国平均・兵庫県平均との比較でも下回っている状況である。主な要因は、金額の大きい児童福祉費の人口一人当たり決算額が、類似団体平均と比較してマイナス7.0%となっていることと考えられる。また、生活保護費の人口一人当たり決算額は類似団体平均と比較し、マイナス47.2%と低額となっている。一方、老人福祉費の人口一人当たりの決算額は、類似団体の約2.8倍にもなるので動向を注視する必要がある。
「その他」は繰出金と維持補修費で、前年度と比較して0.3ポイント増加し、充当一般財源は43百万円増加している。類似団体平均を3.7ポイント下回っており、全国平均・兵庫県平均との比較でも下回っている状況である。このうち繰出金は、介護保険事業特別会計、後期高齢者医療広域連合などへの繰出で、高齢化等の影響で増加傾向が続いており、資格審査等の徹底や介護保険料の適正化に努め、一般会計の負担の軽減を図る。
令和元年度は18.6%で、前年度と比較して1.6ポイント増加しており、公立豊岡病院組合負担金等の増加により充当一般財源は351百万円増加している。類似団体平均を5.8ポイント上回っているが、本市は下水道事業が地方公営企業法を適用しており下水道事業会計への負担金が補助費等に計上されるが、公営企業を法適化していない団体は繰出金に計上されるため単純比較はできない。公立豊岡病院組合の負担金増加は、今後ともその傾向が続くと考えられることから、関係団体への補助金については整理合理化を進める必要がある。
令和元年度は22.8%で、前年度に比べて0.4ポイント増加しているが、市債利子の減少等により充当一般財源は-10百万円減少している。類似団体平均との比較では7.7ポイント上回っており、全国平均・兵庫県平均との比較でも上回っている状況である。新市のまちづくり整備について一定の目途が立ったことから、公債費は減少傾向にあるものの、今後も引き続き地方債の計画的な発行及び発行抑制に努めるなど、公債費負担の減少に努める。
公債費を除く経常経費の経常収支比率は70.6%で、上昇傾向にあるものの、類似団体平均の78.8%を8.2ポイント下回っており、全国平均・兵庫県平均との比較でも下回っている状況である。これは、公債費の比率が類似団体平均を上回っていることが大きな要因となっている。公債費負担の減少に努めとともに、経常経費の削減を図り、弾力性のある財政構造を目指す。
(増減理由)令和元年度は、前年度と比較して136百万円の減額となった。財政調整基金、減債基金が減額となった。(今後の方針)地方財政法第7条第1項の規定に基づく積み立てについて、それぞれの条例において財政調整基金、市債管理基金、公共施設整備基金に市長が定める額を積み立てると定めている。決算時のそれぞれの基金の残高を勘案し、適切な積み立てを行うこととする。財政調整基金は、「純財政調整基金」分として標準財政規模の10%以上を確保する。
(増減理由)令和元年度は、基金利子や予算調整のため142百万円を基金に積み立てを行った。一方、収支不足のため414百万円を取り崩したため、前年度と比較して272百万円の減額となっている。(今後の方針)平成28年度からの普通交付税の合併算定替えの段階的縮減により収支が悪化。収支不足を補うため財政調整基金を取り崩して財政運営を行っている状況である。一般的に財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%以上が望ましいとされており、本市の標準財政規模は、令和元年度で276億円であるので、その10%は約28億円となる。特定目的化分を除く純財政調整基金分として、30億円程度を確保し健全な財政運営を行う。
(増減理由)令和元年度は、基金利子や予算調整のため7百万円を基金に積み立てを行った。一方、通常の満期一括償還財源150百万の他に、財源不足から残りの償還分150百万円も取り崩しを行った。(今後の方針)必要に応じて、地方財政法第7条第1項の規定に基づく積み立てを行う。また、今後の償還予定を勘案し、財政の健全な運営の観点から地方債償還の平準化を図る。なお、満期一括償還財源の取り崩しは令和3年度で終了する見込み。
(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設再編計画等に基づき公共施設の整備、除却等に要する資金に充てるもので、平成29年度に創設したもの。地域振興基金:市民の利便性の向上及び連携の強化並びに均衡ある地域振興を図る。合併特例債を原資に創設。ふるさと納税コウノトリ豊岡寄付金を積み立てる。植村直己顕彰基金:国民栄誉賞受賞者である植村直己氏の偉大な業績等を顕彰するもの。植村直己冒険館の整備等に活用する。(増減理由)公共施設整備基金:令和元年度は決算剰余金等427百万円を積み立てる一方、公共施設解体工事で337百万円の取り崩しを行った。地域振興基金:ふるさと納税として前年度歳入した額とほぼ同額を地域振興基金から繰入れ、地域振興に資する事業の財源として活用。令和元年度は平成30年度ふるさと納税分等の194百万円を取り崩し、地域振興の財源として充当する一方、令和元年度ふるさと納税分から収支不足分を除いた509百万円を基金に積み立てた。植村直己顕彰基金:植村直己冒険館の整備等に充てるため繰り入れを行っている。積み立てはないので、事業に充当しただけ減少する。(今後の方針)公共施設整備基金:当該基金は、地方財政法第7条第1項の規定に基づく積み立てを行うこととしているので、財政調整基金の残高を勘案しながら可能な限り積み立てを行うこととする。繰り入れについては、財源がない危険建物の除却等を中心に行うこととする。地域振興基金:引き続き地域振興に資する事業の財源として活用していく。植村直己顕彰基金:植村直己冒険館についてPFIの手法を用いて整備を実施している。この財源として基金を活用する。なお、令和3年4月のオープンを予定しているが、これを機に、寄付を募るなどの方法により基金の再造成を検討する。
有形固定資産原価償却率は上昇傾向にあり、兵庫県平均よりは低いものの、類似団体・全国平均を上回っている。有形固定資産の老朽化は今後も進行するため、公共施設等総合管理計画等に基づき、老朽化対策に取り組むことが一層必要となっている。
債務償還比率は昨年度よりも増加し、兵庫県平均ならびに全国平均を上回っている。地方債の積極的な繰上償還、計画に基づく発行及び発行抑制、交付税算入率の高い発行等に努める。
将来負担比率は、地方債の積極的な繰上償還、計画に基づく発行などの縮減に努めた結果、減少傾向にあるものの依然として類似団体と比較してかなり高い状況である。有形固定資産原価償却率は類似団体より高く、また上昇傾向にある。主な要因としては、合併前に旧市町毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、施設の更新や除却の影響が表れにくいためであると考えられる。公共施設等総合管理計画等に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設の適正管理に取り組んでいく。
将来負担率は減少傾向にある。これは、地方債の積極的な繰上償還、計画に基づく発行、交付税算入率の高い発行などによるものである。しかしながら類似団体と比較し、将来負担比率で52.4ポイント(昨年度50.6ポイント)、実質公債費比率で7.0ポイント(昨年度5.9ポイント)上回っており、ともに高い水準にある。今後も引き続き地方債の発行抑制や交付税算入率の高い地方債の発行などに努める。
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