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基準財政収入額については、例年減少する大型事業所の固定資産税において、今年度は減価償却分を上回る設備投資により、償却資産分は増加となったものの、地価の下落や新型コロナウイルス感染症に係る措置などにより固定資産税全体では減少し、また、一人当たり基準税額の減少や法人税割の精算などにより市税が減少したことから減少となった。基準財政需要額については、令和2年度国勢調査人口の反映により、測定単位が減少したことによる減少、また、下水道費においては過去の大型事業に係る公債費の終了に伴う事業費補正の減少となる一方で、新設された地域デジタル社会推進費及び単位費用が増となった高齢者保健福祉費等で増額となったことなどにより増加となった。
市税収入全体では減少したものの、地方消費税交付金などの増により経常収入は増加となり、歳出ではコロナ禍における対応により物件費などの減少があったものの、出資及び貸付金や公債費などの増加があったことから前年同水準となった。今後も経常一般財源は減少傾向に推移すると考えられることから、公共施設の見直しや既存事業の見直しなどの改革に取り組んでいく。
人件費については、持続可能な財政運営を図るため、定員管理と効率的な人材運用を行っているものの、会計年度任用職員に係る費用等により増加している。物件費については、固定資産税評価替経費など減少しているものの、コロナ禍における感染症対策経費の増加により増加となり、全体的に前年度比で増加となった。
消費税交付金等の増加による標準財政収入額等の増及び普通交付税の増があったものの、公共施設長寿命化に係る建設地方債や増加傾向にあった臨財債等の元金償還が始まったことによる公債費充当額における一般財源の増を主な要因として前年度比で増加となり、3カ年平均で前年度比0.4%の増となった。近年増加傾向にあり、類似団体平均を上回る状況が続いており、今後も地方財政措置のある地方債の活用や事業の精査を行うことで適切な地方債の償還水準の維持に努める。
令和2年度は対前年度比2.5ポイントの改善となった。主な要因として、将来負担額が地方債現在高や債務負担行為に基づく支出予定の増に伴い増となった一方、消費税交付金や普通交付税等の増により標準財政規模が増となったことなどによる。今後も、引き続き事業の「選択と集中」、多様な連携や創意工夫により歳出の抑制を図るとともに、地方財政措置のない地方債の発行抑制など、将来負担額の抑制に努めるとともに、歳入総額を見据えた歳出枠の設定により、基金取り崩し額を最小限に抑えることで、持続可能な財政の健全化を図る。
類似団体平均に比べて高い水準となっているが、保育所等の直営施設に係る人件費や平成27年度から実施している新たな任用制度により、物件費にある賃金から人件費へ移行したことが主な要因と考える。今後も、適切な定員管理により、人件費の抑制に努める。
平成27年度から実施している新たな任用制度により、賃金から人件費へ移行したことを主な要因として、類似団体を下回る水準となっている。また、令和2年度に減少している主な要因は、汚泥運搬処分業務委託料の費用負担の適正化を図り、一般会計及び下水道事業会計の負担割合を見直したこと等によるものである。
類似団体平均とやや下回る傾向にあるが、その要因としては、幼児の教育・保育の無償化に伴う保育委託事業費の減少や児童扶養手当の減少が要因と考えられる。今後も資格審査等の適正化に努めるとともに、真に必要な市独自支援事業を実施するよう精査に取り組む。
平成30年度に下水道事業会計が法適化されたことにより、繰出金支出額が大きく減少となり、以降は、類似団体平均をやや下回っていたが、令和2年度は上回る水準となっている。対前年比で増加している主な要因は、介護保険事業会計及び後期高齢者医療事業会計への繰出金の増によるものである。
類似団体平均を下回る水準となっている主な要因としては、加入している一部事務組合が少ないため、これらに対する負担金等が少ないこと等が考えられる。また、令和2年度に減少している主な要因は、外部団体に対する補助金を見直したこと等によるものである。
平成27年度以前に実施した大型事業に係る元金償還の開始や臨時財政対策債の増加に加え、国が時限的に実施する「防災・減災、国土強靭化のための緊急対策」に係るハード整備の財源として地方債を活用することにより、公債費は増加傾向にある。今後も最終処分場の整備をはじめとする大型事業に係る地方債や、災害復旧債の元金償還が始まる見通しであるが、特に交付税措置の無い地方債の発行抑制に努める。
類似団体平均と比較し、人件費、公債費、その他は高い水準である一方、その他の項目は全て低い水準であったため、令和2年度は類似団体平均をやや下回る結果となった。また、対前年度比で地方交付税等の経常一般財源が増額となったことに加え、歳出経常経費が減少したため、経常収支はやや改善している。
(増減理由)令和2年度末の基金残高は、普通会計で約7,653百万円となっており、前年度から約453百万円の増加となっている。これは、市道管理基金で約12百万円、市民福祉ささえあい基金で約9百万円など、事業進捗による取り崩しにより減少した一方で、電源立地地域対策基金で約194百万円、学校給食運営基金で約131百万円などの積立が増加したことが主な要因である。(今後の方針)今後の公共施設の老朽化対策等の事業に備えるため、令和2年度は上記のとおり基金を積み立てたことにより、全体では増額となったが、引き続き効率的・効果的な歳出の執行に努めるとともに、歳入についても補助金の活用等の工夫を行い、市政の安定的な運営のために基金を活用する方針である。
(増減理由)歳入の根幹をなす市税収入が毎年減少する厳しい財政状況の中、健全な財政状況を堅持するため、継続して歳出の削減及び多様な歳入の確保に取り組んだことにより、財政調整基金の取り崩しをせず、前年度決算余剰金の積立額も増額となり、これにより基金残高は増となった。(今後の方針)近年の実績から、台風が発生した場合、5億円程度の財政需要が発生する。台風や大雨をはじめとする災害が頻発しており、こうした災害発生時に十分な対応ができるよう財政調整基金の残高を確保することを目指す。
(増減理由)財政調整積立金と同様に、歳出の節約、歳入の確保を行い、一般財源を確保することで取崩額を令和元年度同様に抑制することができたため、残高は前年度から微増となった。(今後の方針)建設地方債残高のピークを令和6年度に迎えるため、基金残高を踏まえ計画的な償還及び取崩しを行う。
(基金の使途)各基金条例に示された基金の設立目的に応じて使用する。(増減理由)令和2年度は、対前年度比408百万の増となったが、主な要因は電源立地地域対策基金約194百万、学校給食運営基金約131百万円の増加によるものである。それぞれ、今後必要となる公共用施設に係る整備、維持補修、企業導入・産業活性化等に要する経費、給食調理業務に要する経費に対応するために積み立てたものである。(今後の方針)果実運用型の基金については、引き続きその設立目的に沿って活用し、取崩し型基金は、歳出の抑制、収入の確保に取り組む中で基金の取り崩し額を最小限に抑えるなど、計画的な運用に努め、健全な財政運営に活用する。
本市では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を12%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めている。有形固定資産減価償却率については、53.0%となっているが、正しくは60.0%である。類似団体平均と比較すると低い率となっており、これまでの取組が表れていると考えられる。しかしながら、経年比較では前年度比2.1ポイント上昇するなど、数値が上昇傾向にある。こうした傾向も踏まえつつ、引き続き施設の集約化・複合化を含め、将来を見据えた計画的な施設管理を実施する。
前年度比では、地方債残高及び退職手当等負担額の減少など将来負担額が減少したことに加え、経常一般財源の増加や経常経費の減少などにより、債務償還比率は前年度比23.8ポイント改善した。しかしながら、類似団体と比較すると高い値となっており、その主な要因の1つとして、職員数が多く、人件費が高いことが挙げられる。今後も老朽化した施設の更新や統廃合などの大型事業が控えていることから、プライマリーバランスを考慮した地方債発行額のコントロールに取り組むとともに、人件費については、多様な任用形態を活用して適正な職員配置を行うことで経費の圧縮を目指す。
有形固定資産減価償却率は類似団体よりもやや低い水準となっている。これは、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の延べ床面積を12%削減するという目標を設定し、公共施設等の集約化・複合化を積極的に進めてきたことや、老朽化した施設の除却が進んだためであると考えられる。その一方で、これらの公共施設管理に係る防災・減災・国土強靭化緊急対策事業債の活用により地方債は増加傾向であるものの、プライマリーバランスを考慮した地方債発行額のコントロールに取り組むことで、類似団体よりも高い水準となる将来負担比率については、対前年度比で2.5%改善している。今後、公共施設マネジメントの推進により、公共施設等の維持管理に要する経費が減少するものの、将来負担比率は同水準を維持すると予測されることから、事業の「選択と集中」や創意工夫により歳出の抑制を図るとともに、財政措置のある地方債の活用や、新発債の発行額を償還額以下に抑制するなどにより、持続可能な財政の健全化に努める。
将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均を上回る状況が続いており、実質公債費比率については、元利償還金の増加を要因として悪化。また、将来負担比率については、充当可能財源の増加を主な要因としてやや改善している。いずれの数値についても、事業の「選択と集中」や創意工夫により歳出の抑制を図るとともに、財政措置のある地方債の活用や、新発債の発行額を償還額以下に抑制するなどにより、持続可能な財政の健全化に努める。
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