経営の健全性・効率性について
本市の公共下水道事業は、喜多方処理区、塩川処理区の2処理区あり、全体計画に対する整備率が4割程度であることから引き続き管渠埋設等の計画的な面整備を推進する必要がある。一方、終末処理場である喜多方浄化センター、塩川浄化センターにおいては、施設、設備の老朽化等による更新費用や維持管理経費が増加していく傾向となっている。①収益的収支比率については、平成29年度から基準内繰入金の見直しを行ったことや使用料収入の増加により上昇傾向にあるが、令和元年度は地方公営企業法の一部適用により打ち切り決算となったため減少している。④企業債残高対事業規模比率については、基準内繰入金の見直しにより一般会計の負担が高くなったため減少している。⑤経費回収率については、横ばい傾向であり100%に満たない状況が続いているため経費の節減や適正な使用料の検討を行っていく必要がある。⑥汚水処理原価については、横ばいではあるが依然高い状況となっている。⑦施設利用率については流入量の増加により増加している。⑧水洗化率については、整備拡大、下水道接続者の増加により増加傾向となっている。
老朽化の状況について
喜多方処理区は平成5年度に供用開始し26年を経過、塩川処理区は平成14年度に供用開始し17年を経過しており、両処理区とも施設、設備の老朽化等による更新費用が増加する傾向となっている。なお、供用開始から20年以上経過している喜多方処理区については、予防保全的管理を行うため、平成23年度に長寿命化計画を策定し、平成24年度より計画的な改築、更新等を実施している。さらに、持続可能な下水道事業のため、平成28年度には喜多方処理区及び塩川処理区において下水道ストックマネジメント計画を策定し、下水道施設の計画的かつ効率的な管理を実施する。管渠については、法定耐用年数である50年を経過している箇所はありません。
全体総括
令和元年度決算については、令和2年4月からの地方公営企業法の一部適用に伴い打ち切り決算となっている。本事業は住民の日常生活に欠くことのできない重要なサービスを提供する役割を果たしており、必要な未普及区域への管渠整備や施設等の老朽化に伴う更新投資の増大、人口減少に伴う料金収入の減少等により厳しい経営環境となっている。このような中、公衆衛生の向上と公共用水域の水質の保全を図るため将来に渡り持続可能なサービスを提供していけるよう、加入促進や料金体系見直しの検討を行い使用料の確保に努め、維持管理費等のコストの縮減を図り健全な経営を行っていく必要がある。