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数値においては横ばいに推移しており、平成30年度においては、前年度と同数値を維持している。また、類似団体平均ならびに北海道平均についても同程度の数値であるものの、基幹産業の低迷に加え、人口減少等により、全国平均からみても依然低い水準にある。今後も更なる税の徴収強化等により、自主財源の確保に努める。
平成30年度の85.8%は、平成29年度の82.8%と比べ3ポイント悪化した。その要因としては、人件費について独自削減等に伴い、減額傾向となったが、起債額の大きい事業の償還が始まり、公債費が昨年度より増加となったことによるものと考えられる。全国、北海道、類似団体に比べ低い数値になっているものの、依然として弾力性のない財政状況となっている。今後は交付税も減少することが予想され、人件費、公債費についても増額になっていくことが考えられるため、経常的経費の抑制に努めるとともに、自主財源の確保を強化していく。
人件費については、独自削減等の影響により昨年度と比較して減少したが、物件費については増加傾向にある。決算額については、大きな増減はないものの、当町では依然ごみの焼却ができないため、他町へのごみ運搬委託料が高額であるなど、ごみ処理に要する経費は大きい。また、急激な人口減少も要因の一つと考えられる。今後も引き続き、リサイクルを推進し、ごみ処理量を抑制し、経費節減に努める。
平成29年度(平成30年4月1日基準)と比べ、平成30年度(平成31年4月1日基準)は3ポイントの増加となった。これは、平成28年度から継続して実施していた職員給与の独自削減が、平成30年度をもって終了したことにより類似団体内平均値を若干上回ることとなった。今後においても、適正な給与水準を維持できるよう努める。
新規採用職員の抑制や退職者の増加等により、職員数は減少傾向にあるものの、それ以上に人口減少率が大きく、人口千人当たりの職員数の数値は上昇傾向にある。今後も職員数の更なる減少傾向が見込まれる中、職員の事務量は増加傾向にあり、人員の削減は非常に厳しい状況にあることから、引き続き人員の適正配に努める。
過去からの起債抑制に伴い、起債残高は減少傾向、実質公債費比率の値も減少傾向にあった。しかしながら昨年度は起債額の大きい事業の償還が始まったことにより、実質公債費比率が若干の増加傾向となったが、大きな事業の償還が終了したことから、今年度は0.6ポイントの減少となった。今後は、地方交付税が減少していくことが予想される中、公共施設の老朽化に伴う公営住宅の大規模な建設事業計画もあり、引き続き有利な起債の活用や起債抑制などのほか、新たな自主財源の確保強化に努める。
過去からの起債抑制により近年、将来負担比率はマイナスの値となっている。今後は新中学校の建設や公民館の耐震診断結果による解体、または町民体育館の耐震改修工事等により、将来負担比率は増加していくものと考えられるが、引き続き充当財源の確保等、起債抑制に努めるほか、過疎対策事業債など有利な起債を活用するなど、財政の健全化を図っていく。
決算額自体は昨年度より減少したものの、決算額全額のうち人件費の割合が、昨年度13.5%だったところ、今年度は16.4%となったことから昨年度より0.4ポイントの増となった。当町は、面積、道路が少ないなどの地域実情から標準財政規模が小さく、総支出が少ないことなどにより、人件費の占める割合が大きくなっていると考えられる。財政健全化に向け、起債抑制などによる計画的な事業を実施しているが、今後もさらに類似団体と同様の水準に近づけるよう努める。
旅費や委託料の見直しや、節電等の経費節減による取り組みを行っているものの、全国辺平均、類似団体平均値と同水準となっている。今後も、引き続き経費の節減に努めるものとする。
決算額自体は昨年度より減少したものの、決算額全額のうち扶助費の割合が、昨年度4.1%だったところ、今年度は5.1%となったことから昨年度より0.3ポイントの増となった。扶助費率は類似団体を下回っているのは、国の制度による扶助費以外の町独自のものが少ないためである。今後は自主財源の確保を強化し、扶助費を増加できるように努める。
当町での補助費の多くは一部事務組合への負担金が占めており、中でも清掃費関係の支出が増加している。この負担金は、ごみ処理の実績により変動するため、ごみ処理量を抑制し、経費の節減に努める。
以前から行ってきている起債抑制により、近年は類似団体の数値を下回っている。今後は、中学校の建設事業に係る元利償還金や、老朽化による公営住宅の建て替え、町民体育館の耐震改修工事による起債借り入れなど、大規模な事業に伴う公債費率の増加が予想されることから、引き続き有利な起債の借入により、公債費の抑制に努める。
町独自でごみ処理ができないなど、地域の実情等に伴い、先述のとおり清掃関係等の補助費等の支出が大きいことなどの要因により公債費以外の割合が類似団体よりも高くなっている。今後は、地域実情に絡む補助費等以外において経費削減を行い、類似団体内平均値と同水準で推移できるよう努める。
(増減理由)公共施設整備に伴い、特定目的基金より230百万円取り崩した一方、老朽化した町営住宅の建替え等を計画的に実施するため、「公共施設整備基金」に200百万円を政策的に積み立てたほか、ふるさと納税の寄附実績に伴い209.5千円を積み立てできたことにより、基金全体として330百万円の増となった。(今後の方針)「町営住宅等建替推進事業」及び「町民体育館耐震改修事業」等の老朽化した公共施設の建替え、更新、撤去、長寿命化を図るため、今後も「公共施設整備基金」へ可能な限り積み立てをしていく方向であるが、今後、更なる老朽化公共施設の維持補修等で取崩し額も大きくなることが想定されることから、全体として基金は減少傾向になることが予想されるため、健全財政の運営に努める。
(増減理由)平成30年度の収支状況から基金取り崩しは行わず、政策的及び寄附金による積立(131百万円)を行うことができたため、増額となった。(今後の方針)近年多発する災害等に備え、財政調整基金については10億円を目標としてはいるが、歳入の大部分を地方交付税等の財源に依存している当町では、近年減少傾向にある地方交付税などの影響により、財源不足を補うため、財政調整基金に取崩しが想定されることから、今後は減少していくことも考えられることから、更なる財政の健全化に努める。
(増減理由)減債基金については、例年、当該年度元利償還金の内、過疎対策事業債のソフト事業分償還額の30%を取崩し、当該年度で借入れる過疎対策事業債のソフト事業分の30%を積み立てている。平成30年度については、3.8百万円を取崩し、13.8百万円を積立てたことにより増額となった。(今後の方針)減債基金については上記のとおり取崩しと積立てを行っており、令和元年度においては当該起債区分における限度額を超える借入を行う予定もあり、借入額が大きくなることから基金積立が増えることから残高が増額となるが、長期的には、償還額が増加傾向となることから、減少していく見込みである。
(基金の使途)主な基金の使途については次のとおりです。・公共施設整備基金:公共施設に係る修繕や長寿命化などの整備資金に充てるための基金・文教施設整備基金:学校教育施設や文化・スポーツ・社会教育施設の整備資金に充てるための基金・知床・羅臼まちづくり基金:ふるさと納税等の寄附金を財源とした基金。産業振興や医療推進、教育等の6項目の使途事業がある。(増減理由)・公共施設整備基金:平成30年度に実施した各公共施設の工事及び修繕等に86百万円を充当したが、町営住宅の建替え計画等に伴い政策的に200百万円を積立てたことによる増加。・文教施設整備基金:10百万円の寄附金があったが、平成30年度に実施された新中学校外構工事及び旧中学校解体工事等に伴い77百万円を取崩したことにより減額となった。・知床・羅臼まちづくり基金:当該基金に係る使途事業実施のため、36.5百万円の取崩しをしたが、ふるさと納税の寄附実績に伴い209.5百万を積立てることができたため、増額となった。(今後の方針)大規模事業であった新中学校の完成に伴い、今後計画的な文教施設整備基金の大きな増減するはないが、耐震診断結果に伴う公民館解体、体育館の耐震改修等により更なる取崩しがよぎなくされている。また、先述のとおり町営住宅の建替え等老朽化した公共施設の整備資金に充てるため、公共施設整備基金も減少傾向にあることから、可能な限り政策的な積立を行っていく。
有形固定資産減価償却率については、北海道並びに全国平均値よりやや下回ったが、公共施設等の老朽化に伴い、今後も公共施設等総合管理計画をはじめ、町営住宅長寿命化計画などの個別計画に基づき、計画的に整備を進めていく予定である。
今年度の債務償還比率は北海道並びに全国平均を下回っているが、当町の昨年の債務償還比率を上回っている。主な原因としては公共施設等総合管理計画に基づく施設の整備に伴う債務償還が増加していることと考えられる。債務償還比率の増加を抑制するため、今後も有利な起債の活用に取り組んでいく。
有利な起債の活用や発行の抑制など、計画的な地方債の活用により、将来負担比率はない状況である。有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値よりやや低い水準であり、今後も公共施設等総合管理計画等に基づき計画的公共施設の整備を実施していく。
実質公債費比率については、類似団体平均値と比べて若干下回っており、将来負担比率においても過去からの起債抑制により起債残高は減少傾向にあり、平成27年時には将来負担比率はマイナス値となっている。しかし、近年行われた中学校の統廃合に伴う新中学校の建設や更には今後予定される町民体育館の改修などにより、将来負担比率が増加することが想定されるため、引き続き充当財源の確保や起債抑制に努めるほか、有利な起債の活用などによる財政の健全化を図っていく。
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