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数値においては横ばいに推移しており、平成29年度においては、前年度と同数値を維持している。また、類似団体平均ならびに北海道平均についても同程度の数値であるものの、基幹産業の低迷に加え、人口減少等により、全国平均からみても依然低い水準にある。今後も更なる税の徴収強化等により、自主財源の確保に努める。
平成29年度において、人件費については独自削減等に伴い、減額傾向となったが、起債額の大きい事業の償還が始まり、公債費が昨年度より若干高くなった。全国、北海道、類似団体と比較しても低い数値にはなっており、依然弾力性のない財政状況となっている。今後は交付税も減少することが予想され、人件費、公債費についても増額になっていくことが考えられるため、経常的経費の抑制に努めるとともに、自主財源の確保を強化していく。
人件費については、独自削減等の影響により昨年度と比較して減少したが、物件費については増加傾向にある。決算額については、大きな増減はないものの、当町では依然ごみの焼却ができないため、他町へのごみ運搬委託料が高額であるなど、ごみ処理に要する経費は大きい。今後も引き続き、リサイクルを推進し、ごみ処理量を抑制し、経費節減に努める。
平成27年度数値において既に類似団体を下回るラスパイレス指数値を示していたが、平成28年度より継続して職員給与の独自削減を実施し、全国町村平均、類似団体平均を下回るラスパイレス指数値となった。今後は、引き続きラスパイレス指数が上昇しないよう努める。
新規採用職員の抑制や退職者の増加等により、職員数は減少傾向にあるものの、それ以上に人口減少率が大きく、人口千人当たりの職員数の数値は上昇傾向にある。今後も更なる減少傾向が見込まれる中、職員の事務量は増加傾向にあることから、人員の削減は非常に厳しい状況にあるが、引き続き人員の適正配置に努める。
昨年度までは、過去からの起債抑制に伴い、起債残高は減少傾向、実質公債費比率の値も減少傾向にあったが、平成29年度から起債額の大きい事業の償還が始まったことにより、実質公債費比率が若干の増加傾向となった。今後は、地方交付税が減少していくことが予想される中、平成30年度に建設が終了する新中学校や、公共施設の老朽化に伴う公営住宅の大規模な建設事業計画もあり、引き続き有利な起債の活用や起債抑制などのほか、新たな自主財源の確保強化に努める。
過去からの起債抑制により近年、将来負担比率はマイナスの値となっている。今後は学校の適正配置に基づく、老朽化した2校の中学校の統廃合、並びに新中学校の建設に伴い、将来負担比率は増加していくものと考えられるが、引き続き充当財源の確保等、起債抑制に努めるほか、過疎対策事業債など有利な起債を活用するなど、財政の健全化を図っていく。
給与の独自削減により、昨年度より人件費が減少したと考えられる。当町は、面積、道路が少ないなどの地域実情から標準財政規模が小さく、総支出が少ないことなどにより、他の類似団体よりラスパイレス指数が小さいものの、人件費の占める割合が大きくなっていると考えられる。財政健全化に向け、起債抑制などによる計画的な事業を実施しているが、今後もさらに類似団体と同様の水準に近づけるよう努める。
旅費や委託料の見直しや、節電等の経費節減による取り組みをおこなっており、前年度よりやや増加したものの、全国、北海道、類似団体平均値よりも低い数値となっている。今後も、引き続き経費の節減に努めるものとする。
当町での補助費の多くは一部事務組合への負担金が占めており、中でも清掃費関係の支出が増加している。この負担金は、ごみ処理の実績により変動するため、ごみ処理量を抑制し、経費の節減に努める。
昨年度は、以前から行ってきている起債抑制により、地方債の現在高が減少傾向にあり、公債費率も減少傾向にあり、類似団体の数値を下回ったが、平成29年度においては、起債額が大きい事業の償還が始まり、公債費は若干の増加傾向となった。今後は、中学校の建設事業に係る元利償還金や、老朽化による公営住宅の建て替えによる起債借り入れなど、大規模な事業に伴う公債費率の増加が予想されるが、引き続き有利な起債の活用や、起債抑制に努める。
町独自でごみ処理ができないなど、地域の実情等に伴い、先述のとおり清掃関係等の補助費等の支出が大きいことなどの要因により公債費以外の割合が類似団体よりも高くなっている。財政健全化のための起債抑制などにより、計画的に建設事業の抑制を行ってきたことにより、平成28年度以前の公債費は類似団体の平均を下回っていることから、公債費以外の割合が高くなっていた。しかし平成29年度においては、起債額の大きい事業の償還が始まり、公債費以外の割合は、類似団体と同程度となった。今後も財政健全化に向け、経費の削減に努める。
(増減理由)新中学校の建設等に伴い、特定目的基金より195百万円取り崩した一方、老朽化した町営住宅の建替え等を計画的に実施するため、「公共施設整備基金」に300百万円を政策的に積み立てたほか、ふるさと納税の寄附実績により157百万円を積み立てしたことにより、基金全体として209百万円の増となった。(今後の方針)老朽化した町営住宅の建替え計画のほか、「公共施設等総合管理計画」に基づく老朽化した公共施設の建替え、更新、撤去、長寿命化を図るため、今後も「公共施設整備基金」へ積み立てをしていく予定である。しかし、今後、町営住宅の建替えが本格化し、老朽化公共施設の維持補修等で取崩し額も大きくなることが予想されることから、全体として基金は減少傾向になることが予想される。
(増減理由)政策的に積み立てを行ってはいるものの、財源調整のための取り崩し額が積立額を上回っていることから減額となっている。また、上記で先述したように、積み立てについても、使途が明確なものについては特定目的基金に積み立てをしていることも減額となっている要因に一つと考える。(今後の方針)近年多発する災害等に備え、財政調整基金については10億円を目標としてはいるが、歳入の大部分を地方交付税等の財源に依存している当町では、近年減少傾向にある地方交付税などの影響により、財源不足を補うため、財政調整基金に取崩しが余儀なくされることから、今後も減少していくことが考えられる。
(増減理由)減債基金については、例年、当該年度元利償還金の内、過疎対策事業債のソフト事業分償還額の30%を取崩し、当該年度で借入れる過疎対策事業債のソフト事業分の30%を積み立てている。平成29年度については、2百万円を取崩し、5百万円を積立てたことにより増額となった。(今後の方針)減債基金については上記のとおり取崩しと積立てを行っており、平成30年度においては一時的に借入額が大きくなることから基金残高が増額となるが、長期的には当面の間、償還額が増加傾向となることから、減少していく見込みである。
(基金の使途)主な基金の使途については次のとおりです。・公共施設整備基金:公共施設に係る修繕や長寿命化などの整備資金に充てるための基金・文教施設整備基金:学校教育施設や文化・スポーツ・社会教育施設の整備資金に充てるための基金・知床・羅臼まちづくり基金:ふるさと納税等の寄附金を財源とした基金。産業振興や医療推進、教育等の6項目の使途事業がある。(増減理由)・公共施設整備基金:平成29年度に実施した各公共施設の工事及び修繕等に44百万円を充当したが、町営住宅の建替え計画に伴い政策的に300百万円を積立てたことによる増加・文教施設整備基金:1百万円の寄附金があったが、平成29年度に実施された新中学校建設本工事等に伴い118百万円を取崩したことにより減額となった。・知床・羅臼まちづくり基金:当該基金に係る使途事業実施のため、32百万円の取崩しをしたが、ふるさと納税の寄附実績に伴い157百万を積立てることができたため、増額となった。(今後の方針)大規模事業であった新中学校の完成に伴い、今後文教施設整備基金は大きく増減することはないが、先述のとおり町営住宅の建替え等老朽化した公共施設の整備資金に充てるため、長期的には減少していくことが予想される。
有形固定資産減価償却率については、北海道並びに全国平均値よりやや下回ったが、公共施設等の老朽化に伴い、今後も、公共施設等総合管理計画をはじめ、町営住宅長寿命化計画などの個別計画に基づき、計画的に整備を進めていく予定である。
有利な起債の活用や発行の抑制など、計画的な地方債の活用により、将来負担比率はないが、公共施設等の老朽化に伴い有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値よりやや高い水準である。今後は、公共施設等総合管理計画等に基づき計画的に公共施設の整備を実施していく。
実質公債費比率については、類似団体平均値と比べて若干下回ったが、将来負担比率においては、厳しい財政状況から、平成24年時には類似団体と比べ、大きな差が生じていた。しかし、厳しい財政状況に依然変わりはないものの、過去からの起債抑制により起債残高は減少傾向にあり、平成27年時より将来負担比率はマイナス値となった。今後は、中学校の統廃合に伴う新中学校の建設などにあたり、将来負担比率は増加することが想定されるが、引き続き充当財源の確保、起債抑制に努めるほか、有利な起債の活用などにより、財政の健全化を図っていく。
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