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単年度での分子となる基準財政収入額が前年度比で減額となり,伸び悩みがみられる一方で,分母となる基準財政需要額の増額傾向は継続した結果,前年度比で0.1ポイント減少することとなった。基準財政需要額は,主に臨時財政対策債や旧合併特例事業債の償還費のほか,臨時経済対策費,臨時財政対策債償還基金費等において増加した一方で,基準財政収入額は,個人市民税所得割額が大きく減少したほか,固定資産税の小幅な減少の影響などにより減少している。
前年度から3.3ポイント減少している。この要因としては,分子において公債費等が増加しているものの,臨時経済対策費や臨時財政対策債償還基金費の増額により,普通交付税が前年度比で大きく増額したこと等により,分母の増加幅が大きくなったことで,経常収支比率が改善することとなった。
前年度比3.7%減少している。人件費は微減となったが,退職者の増や長期的な職員構成の変化により,職員基本給が減少している。また,物件費は令和元年東日本台風に係る災害廃棄物処理業務の皆減等の影響で,大幅な減額となった。一方で維持補修費は,大雪の影響で除雪等に要する経費が増額となった。
前年度と比較し,結果的に指数の増減はなかったが,内部的には社会人採用者1年目の給与が低く,経験年数が長く上位の階層にいる職員の数値が高めであったなどの傾向が見られた。類似団体内平均値より1.3ポイント,全国市平均より0.6ポイント低い水準となっている。各平均値よりも低い水準であるが,微増傾向であり,今後も国の制度に準拠することを基本として給与の適正化に努める。
合併以降,集中改革プランと連動した定員適正化計画のもと職員の削減を行い,平成27年4月1日に目標値(合併時から400人削減)を達成した。令和2年3月以降は,定員管理計画の見直し(令和6年度まで)により,職員削減による行政組織の疲弊,職員のモチベーション低下を未然に防止し,行政サービス水準の維持・向上が図られるよう職員採用,人員配置を行い人件費の動向に配慮しつつ,組織運営の安定化に努めている。
前年度から増減なしだが,類似団体平均を上回る結果となった。旧合併特例事業債の元利償還金の増等により,元利償還金等の総額は前年度より増となったものの,基準財政需要額の増等により,標準財政規模が増となったことで単年度で見ると数値が改善したが,3ヶ年平均としては増減なしであった。今後も公債費の増加は見込まれるものの,交付税算入率の高い地方債の活用のほか,事業規模の見直し等を通じ,健全な財政運営に努める必要がある。
前年度から5.0ポイント増加し,引き続き類似団体の平均値を上回る結果となった。分子となる将来負担額は,大崎地域広域行政事務組合に対する負担金が増額しているものの,下水道事業の法適用化により,全体としては減額している一方で,分母となる充当可能財源が,財政調整基金の残高の減少等の影響で大きく減額したことが,主な増加要因である。
前年度から0.6ポイント減少し,引き続き類似団体の平均値を下回る結果となっている。これは,教育支援員の継続的な配置等の影響で,人件費に係る経常経費は微増となっているものの,普通交付税の増額等による指標の押し下げ効果が,上昇要因を上回ったことによるものと考えられる。
前年度から0.1ポイント減少し,引き続き類似団体の平均値を下回る結果となっている。これは,路線数の増によるスクールバス運行管理経費の増額等の影響で,物件費に係る経常経費は増額しているものの,普通交付税の増額等による指標の押し下げ効果が,上昇要因を上回ったことによるものと考えられる。
前年度から0.4ポイント減少し,引き続き類似団体の平均値を下回る結果となっている。これは,保育所の運営経費や,生活保護費等の扶助費に係る経常経費は微増となっているものの,普通交付税の増額等による指標の押し下げ効果が,上昇要因を上回ったことによるものと考えられる。
前年度から0.5ポイント減少し,類似団体の平均値を下回る結果となっている。減少要因としては,維持補修費や繰出金の経常経費に大きな増減がなかったことで,普通交付税の増額等により,指標の改善が図られたものと考えられる。
前年度から1.9ポイント減少したものの,引き続き類似団体の平均値を上回る結果となっている。減少要因としては,主に大崎地域広域行政事務組合への経常的な負担金が減少したことによるものとなっている。
前年度から0.2ポイント上昇し,引き続き類似団体の平均値を上回る結果となっている。上昇要因としては,平成29年度に借り入れた大崎広域消防本部新庁舎建設事業などの大型建設事業に充当した旧合併特例事業債に係る元金償還が始まったことで,公債費の増額につながったもの。公債費の抑制のため,建設事業の規模の見直しや,必要に応じ,高利債の繰上償還を実施する必要がある。
前年度から3.5ポイント減少したものの,引き続き類似団体の平均値を上回る結果となった。普通交付税の増額等を背景として,指標の改善は図られている一方で,経常経費を性質別に前年度と比較すると,補助費等や維持補修費では減少したものの,人件費や物件費,扶助費等は増加しており,差し引きでは増加していることから,事業の統廃合などの行財政改革を進め,経常経費の削減に努める。
(増減理由)財政調整基金に関しては,例年,決算剰余金の一部を財政調整基金に積み立てるものの,扶助費や公債費等の義務的経費を始めとする経常的な経費の抜本的な削減を図ることができてない中での,本庁舎建設事業や,地域交流センター整備事業等,総合計画や新市建設計画を実施するための臨時的な負担が重なり,多額の取崩しが必要となっている。大型事業の実施等に伴い,取崩額は高止まりの状況にある中,短期財政計画における基金残高の推移は,今後3年~5年で,30億円程度まで減少する見込みとなっている。その他特定目的基金は,施設の維持管理を目的としているものが多く,概ね残高は減少傾向にある。(今後の方針)財政調整基金については,今後は歳入に見合った歳出規模への転換を図り,災害等の突発的な財政出動に備え,残高50億円を確保するよう努めることとしている。その他特定目的基金については,全体的に減少傾向にある。設置目的と基金残高の推移を考慮し,適正に管理する。
(増減理由)令和2年度末残高7,814,191千円に対して,決算剰余積立1,160,000千円と令和3年度中の積立等5,887千円を基金に積み立てた一方で,2,307,068千円の繰り入れ(取崩し)を実施した結果,令和3年度末残高として6,673,097千円(-1,141,094千円)となった。本庁舎建設事業や,地域交流センター整備事業などの大規模建設事業の進捗等の影響もあり,扶助費や公債費等の義務的経費の増加を,行政改革による歳出削減や歳入確保等で捻出できていない状況にある。(今後の方針)今後は歳入に見合った歳出規模への転換を図り,災害等の突発的な財政出動に備え,残高50億円を確保するよう努めることとしている。
(増減理由)減債基金に関しては,積立によって微増している。(451,250千円(+1,621千円))(今後の方針)公債費の推移に留意しながら,適切に管理していく。
(基金の使途)地域自治組織支援基金:持続的で活力ある地域の醸成をめざし,地域自治組織の育成と活動を支援し,市民協働のまちづくりを推進する。地域自治組織への安定的な財政支援を行うための果実運用型基金である。まちづくり基金:住みよい豊かなまちづくりを推進する。主に,ふるさと納税や指定寄附を積み立てている。災害公営住宅維持管理基金:災害公営住宅として建設された市営住宅及び共同施設の整備,修繕及び改良並びに地方債の償還に要する経費に充当する。(増減理由)地域自治組織支援基金:市内7地域にある地域自治組織に対する活動支援や施設改修(集会所等)に伴う事業補助金の財源として活用している。年間1億円を超える補助金を支出しているが運用益がそれ程多く見込めないため減少傾向にある。まちづくり基金:ふるさと納税や指定寄附は一時的に基金に積み立てるものの,翌年には寄付者の意向を踏まえ事業充当を行っている。各年度の寄付額により年度末の残高に大きく影響している。災害公営住宅維持管理基金:家賃の低廉・低減化を踏まえ,震災復興交付金を財源に基金に積み立てているが,大きな費用負担がないため増加している。(今後の方針)地域自治組織支援基金:安定的な財政支援を行うため,預金利子のみならず,有価証券の購入等,より効果的な果実運用を実施する。まちづくり基金:基金残高等を踏まえつつ,寄附金の使途に応じた事業を適宜実施する。災害公営住宅維持管理基金:災害公営住宅の将来の整備,修繕,改良及び地方債償還費用に充当予定。
有形固定資産減価償却率は類似団体と比較してやや高い状態にあり,上昇傾向にある。施設の老朽化が進行していることが原因であると考えられる。平成29年2月策定(令和4年3月改正)の「大崎市公共施設等総合管理計画」及び令和3年1月策定(令和4年1月改正)の「大崎市公共施設等総合管理計画個別計画」に基づき,施設の更新・統廃合・処分等を行い,公共施設の適切な維持管理に努める。
令和3年度の債務償還比率は全国平均,県平均より高い水準となっている。算定上の分子となる金額は,公営企業債等繰入見込額が大幅に減少した等により将来負担額が減少したものの,財政調整基金の取崩し額の増加,都市計画税収等の減少等により,それ以上に充当可能財源が減少したことで,総額では前年比微増となった。また,分母となる金額は,公債費増加等の影響により,経常経費充当財源等が微増したものの,地方交付税の大幅増等により,経常一般財源が増加したことで,大幅増となっている。分子の増加幅よりも分母の増加幅が大きかったことから,比率は昨年度より改善したものの,全国,県内の平均を大きく超えており,また今後もさらに,財政調整基金の減少や,公債費の増加が見込まれることから,抜本的な歳出抑制が必要となっている。
将来負担比率,有形固定資産原価償却率ともに類似団体と比較し高い水準となっている。将来負担比率については,分母となる充当可能財源が,財政調整基金の残高の減少等の影響で減額したことが主な増加要因として考えられる。また,有形固定資産減価償却率については,施設の老朽化が進行しているため上昇傾向にある。そのため,「大崎市公共施設等総合管理計画」に基づき,公共施設等の集約化・複合化を進め,将来負担の抑制を図っていく必要がある。
令和3年度より市町村類型がⅢ-1からⅢ-2へ変更となっている。実質公債費比率については,前年度と同値であるが,類似団体平均値を下回っている。将来負担比率については,前年度比微増であるが,類似団体平均値大きく上回る結果となった。将来負担比率については,財政調整基金の取崩しや都市計画税収の減少,合併特例債残高の減少等による基準財政需要額算入見込み額の減などにより,充当可能財源が減少したことが主な要因として考えられる。また,実質公債費比率については,旧合併特例事業債を有効に活用してきたことなどで,負担の抑制を図ることができているものの,旧合併特例事業債には発行限度があり,庁舎建設事業等をもって新市建設計画事業は終了する見込みのため,今後,指数の悪化を抑制するための抜本的な普通建設事業の見直し,地方債借入の抑制が必要となっている。
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