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地方税が対前年度比で3.8%増加しているが、普通交付税の算定時に算定される基準財政収入額は少なく、基準財政需要額は横ばいのため、類似団体内平均値を下回っている。今後も人口減少に加え、高齢化人口が多い状況が続くため、町全体で歳出削減を行い、中学校跡地等の利活用として参入した企業に対する支援などの取り組みを通して財政基盤の強化を図る。
歳入経常一般財源は、普通交付税や地方消費税交付金などが増額となり、対前年度比で1,545千円、0.03%の増とほぼ横ばいとなっている。歳出経常経費充当一般財源は、人件費、物件費を除き、ほぼすべての性質項目で増加し、対前年度比で56,855千円、1.1%の増となっている。結果的に分母である経常一般財源の増加幅が少なく、分子の歳出経常経費充当一般財源の増加幅が大きかったことから、経常収支比率は前年度より3.8ポイント上昇した。今後も物価高騰等による経常経費の増加が見込まれることから、行財政改革への取組を通じて、経常経費の削減に努めていく必要がある。
人件費および物件費とも類似団体内平均を上回っている。その要因は、人口1,000人あたりの職員数が類似団体と比較して多いことなどが挙げられる。職員の年齢構成比率にもよるが、適切な定員管理を行う必要がある。維持補修費については、人口1人あたりの決算額は前年と比べて増加している。今後も公共施設の老朽化対策を実施していく見込みのため、公共施設等総合管理計画に基づき、ライフサイクルコストの抑制に努める。
前年度と比べて0.2ポイント悪化しており、類似団体内平均・全国町村平均との比較では高い水準となっている。現在、国の給与水準に倣った制度設計に向けた協議を継続して行っている。
類似団体と比較して、やや高い水準となっている。職員の年齢構成上、今後は退職者が増加していく見込みであるため過去に策定した定員管理計画の検証や事務事業の見直し、今後の人口推計を踏まえ適切な定員管理を行う必要がある。
公債費及び公債費に準ずる費用が類似団体と比較して少ないため、実質公債費比率は類似団体内平均値よりも低い水準となっている。今後の見込としては、平成27年度から平成30年度にかけて整備した新中学校(くす星翔中学校)建設事業、令和2年7月豪雨、令和3年8月大雨に係る災害復旧事業に伴う地方債元利償還金が増加し、その大半は普通交付税の基準財政需要額に算入されるものの、水準は高くなっていく見込みである。
地方債残高などの将来負担額に対して、充当可能基金や基準財政需要額算入見込額などの充当可能財源が多くなっているため、将来負担比率はマイナスとなっている。しかしながら、新設中学校(くす星翔中学校)建設事業、令和2年7月豪雨、令和3年8月大雨関連の災害復旧事業などの影響により、今後も地方債現在高が増加し、基金残高が減少していく見込みである。地方債発行額の適正な管理を行い、将来負担の抑制に努める。
前年度と比較すると、経常収支比率に占める人件費の割合は0.5ポイント増加しており、依然として類似団体内平均値よりも高い水準となっている。要因としては、類似団体と比較して、職員数が多いことなどが挙げられる。適正な定員管理や、国の給与水準に倣った制度設計を継続して進めていく必要がある。
前年度と比較すると、経常収支比率に占める物件費の割合は、0.4ポイント増加しており、類似団体内平均値より若干低くなっている。主な要因として、サテライトオフィス整備、デジタル化関連の維持管理経費、物価及び燃料高騰による経費の増加が挙げられ、今後も継続すると見込まれるため、財源確保について検討する必要がある。
経常収支比率に占める扶助費の割合は、前年度と比較して0.4ポイント増加しており、依然として類似団体内平均値よりも高い水準となっている。要因としては、施設型給付費や障がい福祉サービス介護等給付費などが、年々増加傾向にあることが挙げられる。福祉サービスの充実は必要ではあるものの、給付の適正化を図り、今後も特定財源の確保について検討していく必要がある。
前年度と比較して0.5ポイント増加しており、歳出経常経費充当一般財源も増加した。主な要因としては、国民健康保険事業や後期高齢者医療事業など特別会計への繰出金が増加したことによるものである。今後も健康増進や生活習慣病の予防などに重点を置きつつ、効果的な健康教育、健康相談などの保健事業を展開し、医療費の抑制に努めていく必要がある。
前年度と比較して0.7ポイント増加しており、その要因は日田玖珠広域消防組合負担金の増や各団体に対する補助金の増などが挙げられる。恒常的な町独自の補助金については、引き続き、各事業の要綱等を作成し、事業効果の検証、見直しを行っている。今後も各補助金の必要性や効果などを検証し、縮小や廃止を行っていく必要がある。
前年度と比較すると1.3ポイント悪化しており、その要因は過疎対策事業債や災害復旧事業債の増加などによるものである。類似団体内平均値と比較しても例年と同様に、若干低い水準になっているものの、その差は少なくなってきている。しかしながら、新設中学校(くす星翔中学校)建設事業及び令和2年7月豪雨、令和3年8月大雨の災害復旧事業により、今後も地方債現在高が増加していくことが見込まれるため、発行額の適正な管理に努めていく必要がある。
前年度と比較し2.5ポイント増加しており、歳出経常経費充当一般財源も増加した。主な要因としては人件費、物件費を除く全ての項目で増加が考えられ、類似団体内平均値との差は依然として開いている状況である。各性質ごとに記載している分析内容を踏まえ、健全な財政運営に努めていく必要がある。
(増減理由)基金全体としては189百万円の増加となった。増加の主な基金としては、公共施設等総合管理基金、童話の里くす・ふるさと応援基金などの積立が挙げられる。減少の主な基金としては、財政調整基金、減債基金、地域振興基金などの主要基金の取崩が挙げられる。(今後の方針)今後も特定防衛施設周辺整備調整交付金を財源とした基金事業に積立を行いつつ、財政調整基金を充当する単独事業の経常的な経費を抑制・削減し、特に財政調整基金の取崩しを抑制する必要がある。令和4年度は全体基金は前年度から増加したが、近年財政調整基金が減少傾向にあることから、行財政改革プランの実施により、財政調整基金の取崩しを抑制し、可能な範囲で積立を行う。
(増減理由)令和4年度は146百万円の積立を行ったものの、これを上回る263百万円の取崩しを行ったため、基金は減少となった。(今後の方針)令和4年度は減少しており、今後も扶助費や公債費などの義務的経費に加え、物件費や災害普復旧費などの負担が継続するため基金残高は減少するものと見込まれる。大災害など不測の事態に備えるため、一定程度の額を保持するよう努めていく必要がある。
(増減理由)令和4年度は、73百万円の取崩しを行ったため、基金は減少となった。(今後の方針)令和2年7月豪雨、令和3年8月大雨等に係る災害復旧事業債の発行により、令和9~10年度に地方債償還のピークを迎えるため、それに備えて毎年度計画的に積立を行う予定であり、現時点の見通しでは、令和11年度以降は減少予定である。
(基金の使途)地域振興基金地域における快適な生活環境整備、福祉の充実及び定住促進のため公共施設整備計画に基づく事業に充当公共施設等総合管理基金複合施設管理費などの公共施設等管理総合計画を推進する事業に充当ふるさと応援基金公営塾運営費やふるさと納税返礼品代、外国青年招致事業等に充当(増減理由)公共施設等総合管理基金事業のため24百万円を取崩し、231百万円の積立を行った。ふるさと応援基金事業のため111百万円を取崩し、211百万円の積立を行った。子ども医療費助成事業基金事業のため27百万円を取崩し、60百万円の積立を行った。(今後の方針)ふるさと応援基金ふるさと納税制度を活用し、地域商社を立ち上げることで、基金増を図る。公共施設等総合管理基金今後も、老朽化した施設の更新に係る費用の積立を行い、処分や更新等の計画的な施設整備を行う。その他施設に関連する基金個別施設計画に記載のある修繕や更新事業を優先して予算化するため、現有施設関連基金の統廃合を行う。
有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているが、建物や施設の老朽化等により、今後上昇していくと考える。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、今後30年間に公共施設等の延長面積を15%削減するという目標を掲げ、平成30年度には施設類型ごとに個別管理計画を策定し、令和7年度までを第1期計画期間(集中及び見直し期間)と位置付けている。当該計画に沿って、施設の維持管理を適切に進めていく必要がある。
債務償還比率については、類似団体平均を下回っているが、今後も大型事業や災害復旧事業等による地方債償還の増加と基金残高の減少により、将来負担額が上昇し、比率も上昇していくことが見込まれる。地方債の適正な発行管理を行い、将来負担の抑制に努めていく必要がある。
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率については、類似団体平均を下回っているが今後上昇していくと考えられる。平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画及び平成30年度に策定した個別管理計画に基づいた、施設の維持管理を適切に進めていく必要がある。
実質公債費比率及び将来負担比率は類似団体と比較して低い水準にある。しかし、平成27年度から新設中学校(くす星翔中学校)建設事業などの大型事業を実施し、平成31年4月に開校し、建設費用に借り入れた地方債の償還が始まっており、また、令和2年7月豪雨で被災を受けた道路や河川、農地・農林施設等の復旧費用に借り入れを行った地方債の償還も始まる予定となっている。これらの要因から、実質公債費率・将来負担比率ともに上昇すると考えられることから、これまで以上に地方債の適正な発行管理を行い、将来負担比率の抑制に努めていく必要がある。
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