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財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
地方公共団体の財政力を示す指標である財政力指数は0.97と前年度より微減となったが、類似団体平均よりも高い水準を維持している。これは、人口や事業所が増加しているため、自主財源である税収が伸びていることに起因している。しかしながら、税収に占める企業からの固定資産税(償却資産)の割合が約18%と大きいため、不況下での税収の落ち込みに備える必要がある。行政運営に必要な経費も人口等の伸びに応じて増加しているため、今後も積極的に自主財源の確保に取り組んでいく。
令和3年度において、法人税及び固定資産税の減により税収は減収したが、普通交付税額及び臨時財政対策債が増加したことにより、経常収支比率は低下した。類似団体との比較では、低い水準となっており、財政構造の弾力性は保たれているが、企業からの税収しだいでは、再び数値が高くなる可能性もあることから、推移を注視し健全な財政運営を行っていく。
新型コロナウイルス感染症対応や人口増加に伴う多様な行政需要への対応のため、職員及び会計年度任用職員の増員や時間外勤務手当の支給増により、人件費が増加した。物件費についても、プレミアム付食事券事業や新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業等の実施により、増加した。
近年職員数は増加しているが、人口も増加しているため、類似団体平均より低い水準を維持している。今後も宅地開発等により人口が増加し、多様な行政需要対応のため職員数は増える見込みである。
実質公債費比率は、昨年度よりも1.3ポイント減少し、類似団体平均を下回ったが、今後大型事業の償還が本格化し、新規事業に伴う地方債の発行も予定されていることから、一般会計における公債費は今後増加する見込みである。今後も交付税算入率が有利な地方債を中心に財源を確保することにより、後年度の負担の抑制を図り、公債費管理の適正化に努める。(参考)3カ年平均5.0%令和3年度3.8%、令和2年度5.6%、令和元年度5.8%
防災センター整備事業や菊陽杉並木公園拡張整備事業等の大型事業の実施により、地方債残高が増加し、菊池環境保全組合の新環境工場建設に伴う組合負担等見込額の増加により、将来負担比率が13.9ポイントの大幅増となった。今後も菊陽空港線延伸計画道路事業等の大型事業が控えており、基金を取り崩すことによる充当可能基金の減少や地方債残高の増加により、将来負担比率はさらに上昇する可能性がある。地方債残高や基金残高の適正管理を行い、過度な将来負担を増やさないように努めていく。
人件費は、職員及び会計年度任用職員の増員等に伴い前年度より増加したが、増類似団体と比較すると、低い水準を維持できている。今後も多様な行政需要に対応するため、職員及び会計年度任用職員の増員による人件費のさらなる増加が見込まれるが、適切な定員管理に努めていく。
ふるさと納税の大幅増に伴う返礼品代の増加や総合行政情報システム更新に伴うデータ移行業務等の要因により、物件費は増加し、類似団体と比較しても高い数値である。今後も住民サービスの充実と経費のバランスを保ちながら、適正な財政運営を行うため、経費の見直し等を図る。
子育て世代を中心とした人口の増加等に伴い、扶助費は増加傾向で類似団体と比較しても高い水準にある。前年度に引き続き私立保育園運営費負担事業と児童手当が大きな割合を占めており、障害者自立支援法に基づく事業費も増加している。今後、子ども医療費助成の対象年齢拡大等により扶助費の増加が見込まれるため、住民サービスの充実と経費のバランスを図りながら抑制に努めていく。
維持補修費は、令和3年度に見直しを行った公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、計画的に維持管理を行う予定であるため、今後増加の可能性がある。類似団体と比較して低い水準ではあるが、今後も適正な財政運営の維持に努めていく。
ごみ焼却施設である「クリーンの森合志」が令和2年度に完成したことで、菊池環境保全組合への負担金が大幅に減少し、補助費等が減少した。類似団体と比較しても低い水準であるが、今後は消防施設整備等のため、菊池広域連合負担金の増加も見込まれる。各種団体への補助について事業内容を精査し、必要性の低い補助金を見直すなど、経常的な補助費の削減に努めていく。
熊本地震に係る元金償還が本格化したため、前年度より公債費が増加し、類似団体と比較しても高い水準にある。今後は、防災センター整備事業や菊陽杉並木公園拡張整備事業の償還が本格化し、新規事業に伴う地方債の発行も予定されていることから、公債費に係る経費は増加することが見込まれる。引き続き適切な事業執行を行い、償還額の平準化に努めていく。
公債費以外の経常収支比率は、普通交付税及び臨時財政対策債の増加等の要因により低下した。税収による部分が大きく今後の見通しは不透明だが、推移を注視し健全な財政運営を行っていく。
(増減理由)学校建設基金に100百万円、企業誘致環境整備基金に494百万円、財政調整基金に310百万円積み立てた。一方、公共施設整備基金を67百万円、土地区画整理事業基金を18百万円、総合スポーツ施設整備基金を179百万円取り崩したが、積み立て額が取り崩し額を上回ったため、基金全体は増加している。(今後の方針)菊陽町中期財政計画において、財政調整機能のある基金(財政調整基金、減債基金)については標準財政規模の20%以上を確保することとしている。また、目的が決まっている場合は、特定目的基金に積み立てることとする。
(増減理由)取り崩しは行わず、310百万円積み立てた。(今後の方針)年度末残高約20億円を目安とし、標準財政規模の20%以上を確保するよう努める。令和3年度は上記目標を達成したが、財源の年度間調整を適切に判断しながら引き続き基金管理に努める。
(増減理由)積み立て取り崩しは行わず、利子分のみの増加。(今後の方針)財政調整基金と併せ、標準財政規模の20%以上を確保するよう努める。
(基金の使途)総合スポーツ施設整備基金:総合スポーツ施設の整備公共施設整備基金:公共施設の整備企業誘致環境整備基金:企業誘致推進のための環境整備学校建設基金:町立小中学校の施設整備ふるさと創生事業基金:ふるさと創生事業の推進(増減理由)総合スポーツ施設整備基金:菊陽杉並木公園拡張整備事業のため179百万円取り崩したことによる減少公共施設整備基金:土地改良事業のため67百万円取り崩したことによる減少企業誘致環境整備基金:新規に494百万円積み立てたことによる増加学校建設基金:100百万円積み立てたことによる増加ふるさと創生事業基金:3百万円積み立て、花いっぱい推進事業のため4百万円取り崩したことによる減少(今後の方針)総合スポーツ施設整備基金:施設整備のため計画的に取り崩しを行う予定公共施設整備基金:公共施設の更新に備え、重点的に積みたてを行う予定企業誘致環境整備基金:企業誘致推進の環境整備のため、計画的に取り崩しを行う予定学校建設基金:小中学校の増改築等が続き、今後は基金の取り崩しが多くなるため、計画的に積み立てを行う予定ふるさと創生事業基金:企業版ふるさと納税関係、花いっぱい推進事業等のため、計画的に積み立て・取り崩しを行う予定
有形固定資産減価償却率は平成29年度から増加傾向にあるが類似団体と比較すると大きく下回っているため比較的に新しい施設が多いといえる。人口増に伴う施設の総量の増加は、維持補修費用の増大にもつながる。そのため施設の更新においては優先順位をつけて施設マネジメントを実施していく必要がある。
債務償還比率は類似団体と同水準で推移している。令和2年度から令和3年度においては、施設整備の起債発行による地方債残高の増加や菊池環境保全組合の工場建設による組合負担も増加したが、地方交付税の増加で経常一般財源等が増加したため債務償還比率が改善された。
将来負担比率は類似団体と比較すると増加傾向にあり、特に令和2年度からは数値を計上している。防災センターや菊陽北小学校の整備による起債により地方債残高の増加が主な要因としてあげられる。将来負担減少のため、計画的な施設更新による施設マネジメントの推進を行っていく必要がある。
将来世代負担比率は類似団体と比較すると増加傾向にあり、特に令和2年度からは数値を計上している。また実質公債費比率は減少傾向であり、類似団体を下回っている。施設整備による地方債残高や一部事務組合の施設整備負担が将来負担比率の増加となっているため、今後償還が開始されれば実質公債費比率は増加する見込みである。
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