経営の健全性・効率性について
本市の下水道は、各事業(公共下水、特定環境保全公共下水、農業集落排水、漁業集落排水、合併処理浄化槽)を一体的に経営しており、経費の一部は按分等により算出して経営比較分析表を算出しています。また、平成30年度に地方公営企業法を適用したことから、令和2年度は、適用後3年目の決算であり、ぞれ以前の数値は比較対象としていません。公共下水道については、⑥汚水処理原価、⑦施設利用率、⑧水洗化率は、類似団体平均を若干下回っていますが、ほぼ同程度の数値であり、前年度との比較では、わずかではありますが、改善しています。また、令和2年度に下水道使用料を平均10.6%増となる改定を行ったことにより、収入が増加し、⑤経費回収率が向上し、平均値を若干上回っています。③流動比率については、翌年度の企業債償還額がピークとなることから、昨年度を下回り低い状況が続いています。④企業債残高対事業規模比率については、令和元年度に一般会計負担額の算出方法を法適用企業のものに訂正をした結果、類似団体に比べて非常に高い数値となっています。借入額の調整等により企業債残高の削減に努めていきます。
老朽化の状況について
法適用後3年しか経過しておらず、①有形固定資産減価償却率は低い状況です。また、管渠については、法定耐用年数を超過したものがわずかであることから、②管渠老朽化率は低い状況であり、老朽管渠の更新が少ないことから、③管渠改善化率は低い状態となっています。
全体総括
本市の下水道事業は、昭和35年に事業着手してから約60年が経過し、水洗化普及事業は令和2年度に概成しました。今後は、合併処理浄化槽等により水洗化を推進するとともに、ストックマネジメント計画に基づき、施設更新を実施していくことが必要となっています。しかしながら、人口減少等により、使用料収入は減少傾向にあると見込まれ、大変厳しい経営状況にあることから、令和2年度から10カ年の中期経営計画である経営戦略を基本に、状況の変化にも対応し、経費の節減を図りつつ、更新投資等を着実に実施することにより、持続可能で安定的な経営に努めます。