経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、前年度と比べて繰入金の見直しを行い、大幅な収益増となりましたが、下水道使用料は前年比4%減少したので、他会計繰入金に依存している状況です。②累積欠損金比率は、①の理由により今年度黒字化したことにより減少しました。③流動比率は、類似団体平均を上回っていますが、企業債償還に係る流動負債が大きいです。今後も下水道整備拡張により企業債償還が増加するため流動比率が減少していく見込みです。引き続き収入の確保と経費の削減に努める必要があります。④企業債残高対事業規模比率は、下水道整備拡張により新規発行額の方が償還金よりも上回るため今後も増加傾向と見込みです。⑤経費回収率、⑥汚水処理原価は、新型コロナウイルス感染症拡大防止による休業等の影響で使用料収入が下がりましたが、汚水処理費は増加したため、前年度よりも経費回収率が悪化しました。今後は下水道整備により新規接続件数が増加し使用料収入の増加が見込めますが、経営改善のために使用料改定を引き続き検討してく必要があります。⑦施設利用率は、処理能力に変化はありませんが、不明水の増加に伴い処理水量が増加したためです。今後は不明水削減の取り組みを図る必要があります。⑧水洗化率は、下水道整備区域拡張により減少しました。今後も未接続者への更なる広報活動など、水洗化率向上に向けて取り組んでいきます。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を下回っていますが、法適用してから日が浅いため、減価償却累計額が少ないことが要因です。②管渠老朽化率は、今年度は耐用年数を経過した管渠はありませんが、供用開始してからもうすぐ50年が経過しますので、耐用年数を超える管渠が増えていきます。今後は、早期にストックマネジメント計画を策定し、適正な維持管理・更新を行う必要があります。
全体総括
重点アクションプランにより下水道整備の拡大を行っており、供用開始区域の拡大とともに使用料収入の増加を見込んでいます。一方で人口減少等による使用料収入の減少や老朽化した施設の維持更新費用の増大が予想されます。今後は水洗化率の向上等による収入の確保に努めるとともに、経費削減を図り、持続的かつ安定的な経営を目指していきます。下水道事業経営戦略は、平成28年度に策定しましたが、平成31年4月1日より企業会計に移行したことから、令和3年度に改定を行いました。