経営の健全性・効率性について
R2年度は法適用初年度であり、前年度以前と比較分析をしておりません。①経常収支比率は、117.6%と類似団体を上回っています。維持管理費等の経常費用を下水道使用料・一般会計繰入金等の経常収益で賄うことが出来ている状態ですが、維持管理費の削減などにより一般会計繰入金の削減に向け努力をしていきます。②累積欠損金比率は欠損金が発生していないため、表示されておりません。③流動比率は47.28%で類似団体を下回っており、1年以内の支払いに対応できる現金預金等の流動資産が不足していることを示しています。下水道事業会計は収入における一般会計繰入金の割合が高く、内部留保資金を増やすことは難しい状態です。④企業債残高対事業規模比率は、340.71%で類似団体・全国平均を大きく下回っています。これは、平成初期の大規模整備の財源となった企業債の償還が終了しつつあるためと考えられます。⑤経費回収率は97.52%であり、類似団体を上回っています。100%を目指して、維持管理費の削減及び使用料適正化の検討を行います。⑥汚水処理原価は159.41円であり、類似団体をわずかに下回っています。こちらも⑤と同様にさらなる改善を目指します。⑦施設利用率は、流域下水道に接続しているため、処理場を有しておらず、数値は対象外となります。⑧水洗化率は、類似団体・全国平均値を上回っており、年々上昇しております。引き続き加入促進を行い、接続率向上に努めます。
老朽化の状況について
公共下水道事業の建設工事は、荒川本郷地区、筑波南第一工業団地、筑見地区の整備を進めていますが、それらの完了後は福田工業団地の整備及び老朽化が進む下水道施設の維持管理が中心になっていきます。長寿命化計画やストックマネジメント計画に基づき、計画的に管渠及び人孔補修を行っていきます。また、R2年度に企業会計に移行しましたので、固定資産台帳により②の管渠老朽化比率も見据えたうえで、財源確保とのバランスを考慮し、適切に改善を行います。
全体総括
経営の健全性は一定程度保たれているものの、今後ポンプ場・管渠の老朽化が進み、維持管理へ移行することから、維持管理・修繕工事等の事業費増加が想定されます。修繕計画に基づく費用、それらの財源確保(使用料、起債等)や、企業債残高等の事業収支のバランスを注視しながら、本来の目的である水質保全を保てるよう、計画的に維持管理を行います。また、共同化・広域化の検討を行い、施設更新・維持管理コストの低減や下水道経営の効率化を図ります。接続補助制度の積極的な活用が図れるよう、戸別訪問や郵送による接続推進活動を実施し、接続率向上及び使用料収入の増加を目指します。また、下水道施設における維持管理費削減のため、電気使用料契約を見直します。今後も一般会計からの繰入に頼らない健全経営を目指し取り組んでまいります。