経営の健全性・効率性について
公共下水道は、湯沢処理区のみで平成3年度から整備を開始し、現在も継続中です。下水道整備の財源は約半分が国からの交付金と残りの半分を企業債(借入金)で賄っています。企業債の大部分は返済期間が28年又は30年ですので、まだ返済が終了しておりません。そのため公共下水道の維持管理費と企業債返済額を合わせた金額が増加傾向にありますが、平成29年度から公費負担の算定方法を見直したことにより令和元年度の「収益的収支比率」は76%、また同様の理由により「経費回収率」も100%まで改善しております。一方で経済的に困難であることや今の生活環境に不便を感じていない高齢者世帯などで未接続者が多く、水洗化率が69%と低いレベルにあり、また面整備の進捗の遅れ等により、処理場に流入する汚水量が少なく、「施設利用率」は50%と類似団体と比較して低い状況にあります。
老朽化の状況について
平成3年度整備開始から29年経過で耐用年数未到来であることから、下水道管渠については更新事業を開始していません。湯沢市生活排水処理整備構想においては、平成28年度から令和7年度までの10年間で面整備を終了する目標としており、未普及地域解消のための面整備を継続しております。管渠の更新事業は、その後に耐用年数を考慮し行うこととしています。処理場の更新事業については、平成24年度策定の長寿命化計画に基づき平成29年度までに機械設備等の更新を行うと共に、耐用年数により令和8年度から施設更新を行うこととしています。
全体総括
使用料の適正化のため、引き続き汚水処理原価を意識した使用料の見直しに努めます。また、大口需要家に対する加入活動や未水洗化家屋に対する普及啓発活動を強化し使用料収入の増加に努めるとともに、滞納対策を強化し収納率の向上を目指します。面整備事業及び更新事業については、将来的な処理区域内人口を考慮した最適な処理方法を検証し選択するとともに、財源となる企業債については、毎年度の元金返済額を超えない範囲で利用することにより残高の低減を目指します。平成28年度から施設の維持管理業務を運転管理業務と必要な物品や電力等の調達等を併せて委託する包括的民間委託に移行しました。また令和2年度から窓口民間委託の実施により、引き続き、民間活用による経費の節減を目指します。