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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率（令和２年度末４４．９％）に加え、町内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均比較で０．１２％下回っている。経常経費の削減、まちづくり計画に沿った施策の重点化に努め、活力あるまちづくりを展開しつつ、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化に努める。
前年度から５．４ポイント増加しており、類似団体平均比較でも８．７ポイント上回っている。主な要因は、過疎対策事業債や災害対策債等の据置期間が終了し、償還開始となった事業の増加及び経常経費の見直しによる会計年度任用職員等による人件費の増加により経常経費充当一般財源が大幅増となったことによる。普通交付税や地方消費税交付金は、前年度に比べ増額したものの、分子の増加率が分母の増加率を超えているため経常収支比率が上昇した。新規事業の抑制等による起債残高の縮減等に努め、財政の弾力性確保に努める。
広大な面積を要する当町の場合、行政効率が悪く、一人あたりの人件費及び物件費は類似団体平均を上回る数値となっている。なお、平成２９の数値が一時的に増加しているのは、台風災害に係る廃棄物処理業務（粉砕・選別等）委託を実施した影響で物件費総額が２倍以上増となったことによる。
昨年度より０．３ポイント減少し、類似団体平均比較と同水準となったが、全国町村平均比較では０．４ポイント下回っている。同水準を維持しつつ、地域における民間給与水準の適正な反映等により給与の適正化に努める。
前年度から０．０９ポイント減少したが、類似団体平均を２．３６ポイント上回った。台風１０号災害に係る災害復旧を行うためのマンパワー不足を補うよう、災害復旧に従事する職員の採用を進めたことが影響している。広大な面積を有する当町において、職員数減による行政効率化は難しい側面があるものの、災害復旧事業の進捗を鑑み、適正な定員管理について検討をする必要がある。
実質公債費率は、平成２６年度過疎対策事業債、平成２８年度台風災害に係る災害復旧事業債の償還開始等により、前年度から０．８ポイント上昇し、類似団体平均比較を４．９ポイント上回った。今後も過去の大型事業に充当した過疎対策事業に加え、災害復旧事業の償還が発生して実質公債費比率は上昇していく傾向にあることから、一層将来展望を見据えた健全財政の運営に努める必要がある。
将来負担比率は、決算剰余金の積み立てによる影響等により、充当可能財源等が、将来負担負担額を上回ったことにより、将来負担比率は生じなかった。台風災害に係る災害復旧事業債の発行により地方債償還額が高水準となっていることから、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
会計年度任用職員の追加により、昨年度より５．４ポイント増加し、類似団体平均を１．７ポイント上回った。会計年度任用職員も含め、適切な定員管理により、経費の削減に努める。
昨年度から０．１ポイント増加したが、類似団体平均を２ポイント下回った。決算額は臨時職員に係る経費が皆減となったため、昨年度より減少したが、長寿命化計画策定やナラ枯れ対策に係る事業により、経常経費充当一般財源等が増加したため、経常収支比率が増加した。同水準を堅持しつつ、引き続きコスト削減に努める。
昨年度から２．５ポイント減少した。これは、簡易水道事業特別会計への繰出金が皆減（補助費へシフト）となったためである。また、類似団体平均では、１．２ポイント上回っていることから、引き続き、公営企業会計においては、独立採算の原則に立ち返り、料金の値上げの検討を推進するなど、普通会計の負担を減らしていくよう努める。
昨年度から２．２ポイント増加した。特別定額給付金給付事業の影響が大きい。また、類似団体平均は、２．９ポイント下回っている。今後も介護予防の推進等による社会保障関係経費の抑制や補助金の見直し等により経費の削減に努める。
昨年度と同水準であり、類似団体平均を１２．４ポイント上回った。これは、据置期間満了による過疎対策事業債、災害復旧事業債の元金償還額の増加による経常経費充当一般財源の増が影響している。今後も、据置期間満了に伴い償還開始となる地方債や、台風災害による災害復旧事業債の新規発行により元利償還金が上増加する見込みのため、計画的な借入や償還に努め公債費を削減する必要がある。
（増減理由）災害公営住宅の家賃低廉化事業等のために復興交付金基金から４７百万円、各基金事業のため、日本短角種肥育素牛導入資金貸付基金から１７百万円、森林環境譲与税基金から２１百万円取り崩した一方、財政調整基金への決算剰余金積立て等による２２３百万円増、町債管理基金への積立により５５百万円増となったほか、新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金を新設したことにより、基金全体としては２７７百万円の増となった。（今後の方針）平成２８年台風第１０号豪雨災害で借入した地方債及び平成２６～２８年度に行った大型事業の償還が開始となることから、減債基金（町債管理基金）から取り崩しを行う予定としている。
（増減理由）財源不足による取崩、決算余剰金を積み立てたことにより、令和２年度末残高は昨年度から２２３百万円増加し、２，１９０百万円となった。（今後の方針）財政調整基金の残高は、標準財政規模の２０％を適正と考えており、１，２４０百万円程度となるよう努める。
（増減理由）決算余剰金を積み立てたことにより、令和２年度末残高は昨年度から５５百万円増加し、２，６４０百万円となった。（今後の方針）台風災害で借入した地方債及び平成２６～２８年度に行った大型事業の地方債の償還が始まり、償還のピークである令和５年度までの公債費が年１，９００百万円前後で推移する見込みとなり、平成２７年度の公債費１，１７７百万円と比較すると６０％以上の増加となる。この間、減債基金（町債管理基金）から取り崩し償還を行う予定としており、１，０５１百万円程度減少する見込み。
（基金の使途）公共施設等整備基金：町が行う公共施設その他の施設の整備に充てる。高齢者福祉基金：高齢化社会に対応した施策を推進し、高齢者福祉の増進に資する事業に充てる。日本短角種肥育素牛導入資金貸付基金：日本短角種の肥育素牛を導入する資金の貸し付けを行う事業に充てる。森林環境譲与税基金：森林整備及びその促進に関する費用に充てる。新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金：新型コロナウイルス感染症の拡大により、経営状況が悪化した中小企業者に対する利子補給事業経費に充てる。（増減理由）高齢者福祉基金：福祉施設設備の改修に充てるため、８百万円を取崩した。日本短角種肥育素牛導入貸付基金：返還が貸付を上回ったため、２百万円増加した。森林環境譲与税基金：新規積立額（譲与額）が森林整備等に係る事業のため取り崩した額を上回ったため、３６百万円増加した。新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金：令和２年度に基金設置した。（今後の方針）公共施設等整備基金：建築関係のハード事業について、計画的に取崩しを行う予定。高齢者福祉基金：現時点では、増減の予定なし。日本短角種肥育素牛導入資金貸付基金：現在の規模で、事業実施農家への貸付支援を行う予定。森林環境譲与税基金：事業規模の拡大に伴い、取崩し額も増加する予定。新型コロナウイルス感染症対策利子補給基金：令和６年度末まで事業を実施し、事業完了とともに基金廃止予定。
有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値６４．０％に対し、６３．５％と０．５ポイント低い状況にあるが、道路や学校施設、保健施設等の老朽化が進んでいることに起因し、年１ポイント程度増加傾向にある。個別施設計画により、施設の維持管理等の適正化に努める。
債務償還比率は、前年度の４５４．６％から５．５ポイント増加し、４６０．１％となっており、類似団体内平均値４０２．３％に対しては、５７．８ポイント高い状況にある。これは、平成２８年台風第１０号災害に係る復興復旧関連事業による、地方債発行に伴う公債費の増加に起因している。今後、地方債発行の抑制に加え、減債基金の積立等を計画的に行っていく必要がある。
令和２年度決算においては、充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、将来負担比率は発生していない。有形固定資産減価償却率については、類似団体内平均値に対し、0.5ポイント程度低い状況となっているが、平成28年台風第10号災以降、既存施設の更新や老朽化対策よりも、災害復旧事業を優先してきたことにより、増加傾向である。今後、個別施設計画により、施設の維持管理等の適正化に努める。
令和２年度決算においては、充当可能財源等が将来負担額を上回ったため、将来負担比率は発生していない。一方で、実質公債費比率については、類似団体内平均値よりも高く、また、上昇傾向にある。令和２年度決算に関しては、13.8となっており、前年度比0.8ポイント増加している。要因としては、平成28年台風第10号災に係る災害復旧事業の元利償還金が、前年度比で0.4億円増加したことが考えられる。今後も実質公債費比率の上昇が考えられるため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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