経営の健全性・効率性について
本町の経常収支比率は117.22%と100%を上回っており、また、全国平均(113.03%)や類似団体平均(107.20%)を上回っていることから健全な状況であるといえる。しかしながら、給水人口規模が小さいため料金回収率が76.99%と全国平均(104.60%)及び類似団体平均(93.66%)と比較すると大幅に低く、給水に係る費用が料金収入で賄えていない。有収率については、本町施設は93.86%と全国平均(89.78%)や類似団体平均(79.48%)と比較すると高く、配水管網の漏水調査や修繕を実施するなど有収率の確保に努めていることが見て取れるが、施設利用率は49.40%で類似団体平均(49.22%)は若干上回っているものの全国平均(59.80%)より低い。これは本町が中山間地域ということもあり、少子高齢化により人口減少が著しいことや、井戸を利用している家庭が多く、加入率が上昇していないことが要因といえる。
老朽化の状況について
管路の老朽化を示す管路経年化率は、本町は1.40%と全国平均(12.42%)及び類似団体平均(9.86%)のいずれとも大幅に低い。また、有形固定資産減価償却費率は43.96%で、全国平均(46.31%)類似団体平均(46.12%)を下回っている。今後は施設の更新到来を見据え、耐震化診断や老朽化の状況調査を早急に実施し、計画的な更新、耐震化に取り組む必要がある。
全体総括
上水道事業における本町の経営状況について、現段階では健全的であるといえる。しかしながら、少子高齢化による給水人口の減少や、節水意識の高まりによる給水収益の減少が見込まれる事や、20年後には多額の更新投資費用が発生することが考えられる。以上を踏まえ今後は後年において急激な負担とならないよう、適正な料金改定や更なる費用削減による経営改善、投資計画等の見直しが必要である。