経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は116.13%で、前年に引き続き100%を超え黒字となった。理由としては、単価改定による受水費の減や減価償却費の減により経常費用が抑えられたことと、給水収益の増、開発負担金の収入増などにより、経常収益が増加したことによるものと考えられる。②営業収益が大きいことから、現在のところ発生していない。③流動比率は昨年度とほぼ同率で横ばいとなった。流動負債の支払いに充当できる流動資産は、平均値を大きく上回っている状況である。④企業債残高に対する給水収益の比率は、更新工事に伴う起債の借入をしていないため、低い割合となっている。⑤料金回収率は100%を越え、給水に係る費用が給水収益でまかなえている状況である。⑥給水原価は昨年を下回った。理由として①でも述べたように、受水費や減価償却費の減により、費用が抑えられたためである。⑦施設利用率は昨年度とほぼ同率であり、新規需要が落ち着いたと思われる。⑧有収率は前年度より改善した。年々減少している状況を踏まえ、令和3年度に漏水調査を実施し、漏水箇所の修繕をした結果、有収率の向上につながった。
老朽化の状況について
有形固定資産原価償却率、管路経年化率ともに昨年ほぼ横ばいとなった。有収率の低下にも関係するため、水道管の管理や調査を適切に行っていく必要がある。今後、アセットマネジメントを通して管・施設等の更新計画を立て、優先順位が高いものから順次更新工事を行っていかなければならない。管路更新率については、国の遊水地工事に係る布設替えを行ったものである。
全体総括
令和3年度は、経常収支比率が前年度を上回り、流動比率・料金回収率も全国平均を上回るなど、経営状況を見ると悪くない数字だが、以前より課題として挙げていた施設・資産の更新について引き続き対応していかなければならず、施設更新計画や水道事業アセットマネジメントにより具体的な対応策を実行し、経営と資産管理の両方を安定させられるよう努めなければならない。