経営の健全性・効率性について
経常収支比率100%以上、累積欠損金比率0%、流動比率100%以上、料金回収率100%以上と健全な経営状況です。また、100%地下水である為、浄水施設等が不要であることから給水原価が86.33円と類似団体平均を大きく下回っています。しかし、業務用の給水収益の比率が高く、一部大口使用者の業績に影響されやすい不安定な状況にあるとも言えます。職員数の減少や企業債利息の減少により給水原価が低く抑えられていますが、技術の継承が課題となっており、今後は委託費等の増加が見込まれます。また、企業債残高対給水収益比率は近年減少傾向にありましたが、老朽化施設の維持更新や、耐震化工事により多額の資金が必要となることから、今後増加していくことが見込まれます。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は類似団体と比べて高く、管路更新率は低いことから、老朽化が進み更新が進んでいない状況です。管路経年化率は現時点では比較的低いものの、年々増加傾向にあり、老朽化施設の維持更新や耐震化工事に多額の資金が必要となることから、更新時期の集中を避けるため計画的な更新や耐震化を行っていきます。
全体総括
比較的健全な経営状況に見えますが、老朽化施設の維持更新や耐震化工事、また施設のバックアップの検討も必要です。これらに多額の事業費を必要とするため、企業債の借入や料金改定により資金を確保しなければなりません。今後、アセットマネジメントに基づき将来にわたって施設・財政両面で健全性を確保し、持続可能な水道運営を進めていきます。また、運営にあたっては、専門的な事務や技術の継承、若い世代の人材育成などが課題となっており、今後検討していく必要があります。