経営の健全性・効率性について
令和3年度は浄水場施設設備の更新に伴い資産減耗費が増加したことなどから、経常費用を経常収益で賄えなかった。また、料金回収率が低く、給水収益以外の収入割合が高い。累積欠損金が発生していないことから概ね健全な運営となっているが、流動比率が高くないことから資金の増加に努め、支払能力を確保していく必要がある。給水収益に対する企業債残高は減少してきたものの、浄水場施設設備の更新を実施したことに伴う借入により増加した。給水原価が高い主な理由としては、減価償却費や受水費が高いためであるが、減価償却費については、本町は面積が広く起伏のある地形であることから、加圧や減圧など多くの施設が必要となることによるものである。また、受水費については、基本料金162.97円/m3、使用料金26.70円/m3であり、受水量を減らしても受水費の削減が困難なためである。施設利用率は高く、適正規模の施設であると考えられる。有収率は年間を通して漏水調査を実施し、早急な修繕に着手していることから、類似団体よりも高く、配水した水が給水収益に結びついている。
老朽化の状況について
法定耐用年数を超えた管路が多く、有収率は類似団体の平均値よりも高いものの、管路の経年劣化が進行していることから、計画的な更新を推進する必要がある。また、有形固定資産減価償却率については類似団体平均値とほぼ同水準である。なお、面白浄水場及び低区配水池更新事業が令和3年度で完了したことから、今後は町施設更新計画に沿って管路更新事業を主軸に実施する。
全体総括
給水収益・給水量は人口減少に伴い共に減少の傾向にある。経常費用については、ほぼ横ばいの状況であり、これ以上の経費削減については困難な状況である。今後、施設更新に要する財源を確保することが重要な課題となっているが、本町水道料金は県内事業体と比較しても高料金に位置していることから、料金改定は見送る方向で検討している。このような中で、同じ課題を抱える夷隅地域2市2町が令和4年4月に末端給水事業統合に向けて協議会を設置したところである。広域化を図ることにより、業務の効率化や経費削減などの効果が期待できるため、建設的かつ積極的に協議・検討を実施し、将来的な安定給水につなげたいと考える。