経営の健全性・効率性について
平成26年度に統合簡易水道事業が完了し、平成27年度から石狩東部広域水道企業団からの全量受水が開始されたことにより、経常収支比率が悪化していたが、平成30年度から上昇傾向にあり、更に経営の改善を図るため、令和2年度に料金改定を実施して、収益の増加を図った。累積欠損金については、平成29年度から減少傾向、令和3年度においても前年度対比13.9%の減少となっており、健全性を確保できている状況にある。企業債残高対給水収益比率については、全国平均値と比較しても非常に高い比率となっており、今後も新たな借入を抑制するなど改善に努めていかなければならない。また、料金回収率については、全国平均値と比較しても低い状況となっているが、全国平均値よりも非常に高い状態が続いている給水原価によるものであり、今後も料金回収率向上のため、経費の削減など一層の経営の効率化を図っていく必要がある。今後も指標を注視しながら、更なる経営効率改善のため、対応策を検討していかなければならない。
老朽化の状況について
令和3年度末時点での管路法定耐用年数(40年)を超える管路経年化率が約20%、20年後には70%を超える見込みとなっているが、管路更新率については低い状況となっており、更新需要への対応が大きな課題となっている。今後は「アセットマネジメント」の実践により、更新周期、長期的な更新費用を把握した上で、管路の更新事業を進めていく予定である。
全体総括
今後更なる給水人口の減少や大口企業の撤退、節水型社会の進行により、料金収入の減少が見込まれていく一方で、老朽化した管路等の更新や災害に備えた耐震化対策に係る経費の増加が見込まれており、今後必要な財源の確保が大きな課題となっている。水道施設等においては、特に管路経年化率の高さや管路更新率の低さを踏まえ、今後長期的に管路更新事業を進めていく予定である。今後も経営の状況を十分に把握しながら、内容の見直しを行うとともに有収率の向上を図るための対策や経常経費の削減など、引き続き経常収支比率の向上を目指す経営努力が必要である。