経営の健全性・効率性について
■経常収支比率について全国平均、類似団体平均と比較しても大きく上回っており健全な経営状態と考えます。しかし、令和2年度は過去5年間の中でも数値が低くなっています。要因としては他市町村の課題と同様に、人口の減少や節水型社会による使用料収入の減少だと考えられます。その使用料収入は令和2年度決算で前年比98.8%と微減になっており、それに対しては委託料等の維持管理費を抑えることにより補てんしてきましたが経常収支比率を回復させるまでには至っていません。今後も使用料収入が同程度、減少していくと推測されるため対策として、継続的な維持管理費の削減と使用料の見直しを進めていくとともに使用料以外の収入も検討していきたいと思います。■流動比率について令和2年度も前年同様、減少幅が大きいですが、それは雨水排水施設の整備を急務で行っている影響で、費用が一時的に増えたことが原因です。通常であれば企業債償還金は順調に減少しているため、前年と同程度の数値になったと思います。■水洗化率について全国平均、類似団体平均と比較しても共に上回っており、100%になるように水洗化の促進に努めていきます。
老朽化の状況について
■有形固定資産減価償却率について当市の公共下水道は昭和49年度に整備を始め、当初に整備した下水道管渠は布設から40年以上経過しています。令和2年度は類似団体の平均値を上回っており、課題になっています。今後は下水道施設の延命化を図るとともにどの施設から優先的に改築更新を行わなければいけないかを見極めながら計画的に設備投資をしていきたいと思います。
全体総括
令和2年度の動きとして、昨今の台風等による浸水被害に対応するための雨水排水施設の整備を急務で行っていましたが、ほぼ完成をしました。一部工事が残っているため供用開始にはなっていませんが、この投資が落ち着いたことで流動比率が回復すると思います。施設についても新規事業が落ち着いたことで老朽化の対策に投資をすることができます。今後も使用料体系の検討、維持管理費の軽減及びストックマネジメント等による適切な管渠の改築更新を行い、長期的視野にたった健全な事業運営を行っていきます。