経営の健全性・効率性について
経常収支比率100%以上、累積欠損金比率0%、流動比率100%以上であり、企業債残高対給水収益比率も類似団体内で平均的な水準、料金回収率は100%を超える水準となっています。現時点の指標からは比較的健全な経営といえます。しかし、決算状況を経年比較すると、流動比率の減少傾向が見られ、施設利用率が低いことから、給水量に対して維持管理費の負担が類似団体より多いと考えられ、今後も長期間にわたって健全な経営を維持していくことは難しいと予想されます。なお、施設利用率が低いのは、本町は温泉観光地であり、住民の他に観光需要を見込んだ施設整備をしてきたことから、景気の低迷による、寮・保養所等の宿泊施設の減少、施設の設備更新に伴う節水化などから、有収水量が10年前と比較して20%以上減少していることが原因となっています。
老朽化の状況について
管路の経年化は類似団体と比べ7%程度悪い数値となっています。管路更新率も平均より低く、近年の管路更新が十分進んでいない状況となっています。中長期の経営計画を精査し、計画的な更新を推進していく必要があります。
全体総括
建設改良事業を抑制しているため、料金回収率は100%を超えているものの、管路の経年化が進んでいるため、現状を踏まえ、更新計画の精査、漏水対策等による維持管理費削減を進めます。また、消費税の転嫁を除いては平成13年度以降料金改定を行っていませんが、料金収入見直しの必要性については、今後の需要予測とともに設備の更新計画と合わせて慎重に検討していきます。