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類似団体平均を若干上回っている状況ではあるが、対前年度比較では0.03ポイント比率が減という状況である。平成20年秋以降の世界的な経済金融危機や東日本大震災、欧州危機等による景気の悪化から、市内大手企業の収益減に伴う法人市民税の減収などの影響により、平成20年度から4年間で0.24ポイントもの減となっている。世界的な金融危機や東日本大震災、欧州危機等は、我が国の経済や地方公共団体にも長期にわたり影響を及ぼしているが、為替水準の円安調整などの経済政策の展開により市内大手企業の収益は改善しつつあり、法人市民税も若干持ち直しの動きがみられるが、今後も法人市民税に注視する必要がある。また、個人市民税についても団塊の世代の退職等による生産年齢人口の減少により大幅な減少が危惧される。当市としては、平成21年度に過度に法人市民税に依存することのないように抜本的な行財政構造改革を行うため「取手市財政構造改革アクションプラン」を策定し、収納率の向上、受益者負担の適正化、市有財産の処分等により歳入額を確保するとともに、さらなる歳出額の抑制に努め、収支均衡型の財政構造への転換を図り、持続可能な財政構造の構築に努めていく。
類似団体平均を0.9ポイント上回っているものの、前年度と比較すると1.5ポイント改善された。歳入について、法人市民税は、為替水準の円安調整などの経済政策の展開により市内大手企業の収益が改善しつつあることなどから、前年度と比較して1億5千万円の増となったが、固定資産税(現年度分)は地価の下落や評価替えなどの影響により前年度と比較して3億6千万円の減となり、普通税で1億8千万円の減となった。歳出については、扶助費が生活保護や自立支援給付費の増、公債費が臨時財政対策債などの近年における特例的な地方債の発行により増になったが、人件費は「取手市財政構造改革アクションプラン」の確実な取り組みにより、定年退職者補充のための新規職員採用の凍結などにより、4億9千万円の減になった。今後も、人件費の抑制と併せて、内部事務経費の徹底した削減や、事務事業の見直しと再構築、施設の統廃合、一部事務組合・第三セクター等の組織の見直し、指定管理者制度の活用など、歳出の抜本的な見直しに努め、継続して行財政改革を実施していく。
平成21年度、22年度の決算額は類似団体を若干上回るものの、平成23年度及び24年度は全国平均及び茨城県平均、類似団体を比較しても大きく下回る数値となった。これは、「取手市財政構造改革アクションプラン」の確実な取り組みによる人件費の抑制と内部事務管理経費等の削減により効果が現れたものと思われる。今後も、引き続き内部事務管理経費等の精査を行うとともに、組織機構の見直しを含めた適正な定員管理を図り人件費の抑制に努める。
全国市平均及び類似団体平均と比較してもラスパイレス指数は下回っている。また、国家公務員の給与特例法による措置が無いとした場合のラスパイレス指数では98.3となる。給与水準の高い職員の退職や昇格試験の実施などにより指数が減となっている。また、地域手当についても、人事院では15%支給地域に指定されているものの抑制(平成24年度3%、25年度4%で支給)して支給している。今後も人事院勧告に準拠し、給与の適正化に努める。
前年度と比較して職員数は減(対前年比較-12人)となり、平成20年度からは毎年減少傾向にある。(対20年度比較-1.46人)相対的に全国平均は下回っているものの、茨城県及び類似団体平均を若干上回っている。当市は、昭和40~50年代の人口急増期における公立保育所の相次ぐ新設等による職員の採用や、市直営による消防業務、旧藤代町との合併等が影響し職員数が類似団体平均と比較して多くなっている。今後も、組織や事務事業の見直しに併せて計画的な定員管理の中で職員数の適正化を図る。
類似団体平均を上回っている状態が続いているが、対前年度比較では0.4ポイント比率が減少した。臨時財政対策債などの近年の特例的な地方債の発行などにより元利償還金は増となっているものの、災害復旧費等にかかる基準財政需要額も増となったため、分子が対前年度比較で42百万円の減(-2.31%)、分母が対前年度比較で67百万円の減(-0.36%)となり、分母の減が分子の減を上回ったことが、実質公債費比率を引き下げた要因である。平成21年度に策定した「取手市行財政改革アクションプラン」に基づき、銀行等引受資金については、世代間の負担の公平化と公債費負担の中長期的な平準化の観点から借換えを実施するとともに、新規借入については、施設の耐用年数を勘案した償還期間の設定など、公債費の平準化を図っている。今後も、適切な事業の選択・実施による適正な市債発行、満期一括償還地方債の借換え・期間の見直し等を順次行い、公債費の減額及び償還金の平準化を図り、実質公債費率の急激な上昇を抑える。
類似団体平均を上回っている状況が続いているが、対前年度比較では0.9ポイント比率が減少した。将来負担額のうち地方債残高、組合等負担見込額は増となっているものの、将来負担額から差し引くことのできる充当可能財源等も増となったため、分子となる将来負担額合計が対前年度比較で2億4千万円の減(-1.51%)となったことが、将来負担比率を引き下げた要因である。今後も、公債費等の義務的経費の削減を中心とする行政改革を進め、後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等に係る総点検を実施し、地方債発行の抑制など、地方債現在高の急激な上昇を抑制し、財政の健全化に努める。
類似団体等と比較して高い水準にあるが、当市は、昭和40~50年代の人口急増期における公立保育所の相次ぐ新設等による職員の採用や、市直営による消防業務、旧藤代町との合併等が影響し職員数が類似団体平均と比較して若干多いことや、50歳以上の職員の占める割合が42.0%とという年齢構成が影響し比率を押し上げていることが主な要因である。しかしながら、「取手市財政構造改革アクションプラン」の取り組みにより人件費の抑制が図られ、平成23年度と比較して2.1ポイントの減と削減効果が表れている。今後も組織・事務事業の見直しを実施するとともに適正な定員管理を図る。
類似団体と比較すると平均を大きく下回っており、過去の5年間の推移をみてもほとんど同水準にある。「取手市財政構造改革アクションプラン」の取り組みにより内部事務管理経費等の見直し等による削減効果が現れているためと思われる。今後も、旅費や需用費、備品購入費、委託料など継続的に精査・見直しを図っていく。
茨城県平均は若干上回っているものの、全国平均や類似団体平均と比較すると低い割合を維持している。しかし、全国的に高齢化社会を迎えているなかで、当市においても例外ではなく社会保障費にかかる割合は今後年々増加が予測される。特に生活保護費、障害者自立支援給付費にかかる割合が膨らんできており、経常収支比率を押し上げる主因となっていくことが懸念される。今後も市が単独で行う各種扶助の経費について継続的に精査、見直しを図っていく必要がある。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因である。少子高齢化による人口の減少や、高齢化率の割合が高いことなどから国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険事業の特別会計に対する繰出金が年々増加傾向にあるが、これまでに整備してきた下水道事業への繰出金が減少傾向になり対前年度比較では0.1ポイントの微増となった。しかし、国民健康保険については、財源補てん的な繰出金が増加傾向にあることから、独立採算の原点に立ち一般会計に依存しない財政基盤の強化が必要である。
類似団体平均を継続的に下回って推移しており、平成22年度からは減少傾向で推移している。平成24年度は、一部事務組合への負担金が減少したことにより比率が0.9ポイント減少した。また補助金については,平成21年度に10%のマイナスシーリングを実施し、平成22年度においては公募制補助金を導入し、削減に努めている。今後も引き続き適正な補助金の交付を行い公平性・公益性の確保に努めていく。一部事務組合についても、ゴミ焼却施設の建設により常総広域市町村圏事務組合への負担金の増加が見込まれるため、維持管理経費の削減について働きかけるなど負担金の抑制を図っていく。
公債費については、過去に実施した都市基盤整備事業の元利償還金に加え、喫緊の課題である学校の耐震化事業の実施や、臨時財政対策債、減収補てん債などの特例的な地方債の借入により地方債現在高が増加した影響で、地方債の元利償還金が膨らんでおり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を2.2ポイント上回っている。さらに下水道事業の元利償還金に係るものなど公債費に類似の経費を合わせると、人口1人当たりの決算額は類似団体平均を1,977円上回っており、公債費の負担は非常に重いものになっている。当面の公債費のピークは平成25年度となると見込まれるが、その後も高止まりで推移すると予想されているため、今後の学校等の耐震化事業も含めて、将来に対する投資的な事業についても、緊急性や優先順位を十分検討し、市債の発行を抑制するとともに、借換えや耐用年数等を勘案した償還期間の設定により、公債費の抑制や平準化を図っていく。
前述のとおり、扶助費・その他については増加したものの、人件費・補助費等が減少したことにより、公債費以外の比率としては対前年度比2.6ポイント減少した。今後も類似団体平均と比較して高い水準のものは、継続的に精査・見直しを行い健全な財政運営を行っていく。
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