経営の健全性・効率性について
経常収支比率…平成22年度は口蹄疫の発生により畜産農家等の使用量が減少したため赤字となったが、平成25年度でようやく口蹄疫発生前の使用量となり、100%を超えることが出来た。平成26年度は会計基準の見直しにより、長期前受金戻入が発生したため112.97%となり、現在のところ経営状態は良好である。流動比率…1年以内に支払うべき債務(流動負債)が他事業体と比べて少額であるため、比率的に大きくなっている。平成26年度は会計基準の見直しにより、借入れた元金(1年以内の償還)を流動負債に計上したため、当該比率が下がっているが、支払能力には問題はない。企業債残高対給水収益比率…当企業団は、県から譲受けた施設で運営しており、施設の更新に伴う借入が少額であるため、他事業体と比べ低くなっている。料金回収率・給水原価…平成26年度の会計基準の見直しにより、給水原価は「長期前受金戻入」を控除して算出することになり、給水原価が昨年度に比べ27円減少したため、料金回収率が100%を超えるようになった。施設利用率…当企業団の水道施設は、他事業体と比べると効率の良い施設となっている。有収率…平均値と比べると高くはなっているが、年々減少傾向にあるので、漏水調査を行い有収率の向上に努めたい。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率…平成26年度に減価償却費が増額したのは、会計基準の見直しにより「みなし償却」が廃止となり、フル償却を行ったためである。また、一部の施設を除いて施設の更新がなされていないため、平均値と比べ高くなっている。管路経年化率・管路更新率…耐用年数を超えた管路はないが、漏水の多い管路や道路改良に伴う布設替工事は行っている。今後は、将来老朽化を迎える管路を計画的に更新し耐震化ていく必要がある。
全体総括
平成22年度から平成24年度までは赤字経営であったが、平成25年度で給水収益が回復し、また、平成26年度の会計基準の見直しにより、経常収支比率が100%を超えるようになった。その結果、更新工事の財源となる純利益を生じることができ、現時点では良好な運営となっている。今後は、更なる経費削減に努め更新工事の財源を確保するため、長期的収支計画(経営戦略)を立て、計画的に事業を行う必要がある。