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扶助費など社会保障経費の増加傾向が著しい一方で、財政運営の根幹をなす税収については、未だ景気回復の波及効果がみられないため、財政力指数は類似団体平均値を大きく下回っている。公売会実施など収納対策強化により滞納額の圧縮が図られ、徴収率向上に成果を上げている。また、ふるさと納税の推進、企業誘致、移住定住促進の取組など、新たな自主財源の確保に努めていく。
歳入では、地方消費税交付金、普通交付税、臨時財政対策債の減少により経常一般財源が落ち込み、歳出では、扶助費が大きく伸びたことから、93.5%と前年度より7ポイント上がり、類似団体より2.8ポイント上回る結果となった。類似団体と比較して扶助費の割合が極めて高く、財政硬直化の要因となっている。引き続き、行財政改革の取り組みを強化し、コスト削減及び経常経費の抑制を図り、効率的な行政運営に努めていく。
これまでの行財政改革の取り組み成果である公立保育園・小学校給食調理室の民営化、指定管理者制度導入等の人件費抑制、職員のコスト意識高揚に伴う物件費削減などによって類似団体平均以下で推移していたが、平成28年度は、ふるさと納税返礼品経費の増加で役務費と報償費が増加し上回っている。今後、さらに業務効率化及び経費節減による取り組みを継続し、持続可能な財政運営に努めていく。
適正化の取り組みにより類似団体、全国平均との差は徐々に縮まりつつあるが、依然として高い水準にある。今後も人事評価制度の運用、組織機構の見直し、各種手当の総点検等を進め、国公・民間準拠及び他団体との均衡を保つよう給与適正化に努めていく。
先の第5次行財政改革による公立保育園・小学校給食調理室の民営化、団塊世代の退職不補充などの削減効果により、類似団体平均とほぼ同水準で推移している。近年、退職者不補充分の採用増があり類似団体平均を若干上回ったが、引き続き、組織機構の見直しなどスリム化の検討や職員一人ひとりのスキルアップによる業務効率化を図り、適切な定員管理に努めていく。
平成20年度に策定した「公債費負担適正化計画」に基づき、投資的経費、地方債発行額の抑制に努めた結果、改善傾向で推移しているが、未だ類似団体、全国、県平均との差は縮まっていない。今後も適債事業の見極めを行い、新規地方債発行の抑制を図っていく。
ここ数年、庁舎大規模改修、庁舎別館建設などによる地方債発行が続いた反動減によって平成28年度は一時的に改善しているが、地方債残高の規模は膨らみ将来負担は高まっている。下水道事業、一部事務組合等の公債費負担増も財政を圧迫することになるため、今後も町全体で一体となり行財政改革の継続、普通建設事業の取捨選択など、将来負担の軽減に向けた取り組みを努めていく。
過去の行革による公立保育園・小学校給食調理室民営化や退職者不補充などにより、類似団体平均と同水準で推移している。平成28年度は、退職手当組合負担金見直しにより水準が下がったが、雇用、子育て、移住定住など多分野にわたる地方創生の取り組みを推進するため、業務効率化や組織見直しを行い新たな組織体制の構築を検討する必要がある。
経常的な物件費は、予算編成方針にて前年度以下とすることを原則とし、歳出抑制に努めてきたことから、類似団体よりもかなり低い水準で推移している。平成28年度は、施設老朽化による漏水や固定資産評価業務委託などにより増加したものの、今後、歳出抑制の取り組みを徹底・継続し、さらなる経費節減の合理化に努めていく。
平成28年度は、民間の障害者福祉事業所開設等により各種支援サービスの利用実績が増え、訓練給付費等が大幅に伸びた。児童福祉費の幼稚園こども園給付費等の増加とあわせ、扶助費の増加傾向はしばらく続く見込みである。類似団体平均と比較して相当高い水準であるため、事業の見直し、経費縮減、将来見通しなどの分析を行い、扶助費の抑制・適正化を図っていく。
概ね類似団体の平均値と同程度の数値で推移しているが、平成28年度は介護保険事業特別会計の繰出金の増加に伴い、類似団体平均を上回る水準となっている。特別会計への繰出金の増加は、一般会計の財政を圧迫するため、経費節減、料金体系の見直しを行い、収支改善を図っていく必要がある。
平成28年度は、消防分遣所建設、火葬場建設など一部事務組合において実施された施設整備分が負担金に反映されて増加したことから、水準が上がっている。今後、構成市町村と連携しつつ、効率的な業務運営や安定的な行政サービスの提供が継続できるよう努める。その他、町単独補助金は、終期設定及び効果検証を行い、廃止・縮減・統合などの見直しを図っていく。
過去に普通建設事業及び地方債発行を抑制した成果で、類似団体より低い水準で推移しているが、平成28年度は庁舎別館建設事業の償還開始により前年度比では増加に転じている。引き続き、健全かつ持続可能な財政運営を実現するため財政負担の将来見通しを的確に捕捉し、地方債の発行抑制と償還額平準化に努めていく。
公共施設の老朽化に伴い、施設の維持補修費は年々増加する傾向にある。今後、耐用年数を経過した施設の大規模改修が本格化するため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画を踏まえ、各公共施設の個別施設計画策定を検討していくとともに、施設規模の最適化、民間活力の活用など維持管理コストの抑制を図る。
類似団体と比較して、法定耐用年数を経過した建物が多いため有形固定資産減価償却率が高い水準にあるとみられる。今後、さらに法定耐用年数を経過する建物は増加していく見込であるが、財政事情から建替えなど更新は困難であるため、計画的な長寿命化対策の実施、予防保全による維持管理を行うなど、老朽化対策と安全性の確保に努めながら施設を活用していく必要がある。
将来負担比率及び有形固定資産減価償却率ともに類似団体よりも高い水準にあるが、厳しい財政状況のため法定耐用年数の経過後も施設寿命の延命を図りながら引き続き現有施設を活用していく方針であり、今後、老朽化の進行に伴い大規模改修の検討が必要な施設が増えることが予想されることから、両指標ともさらに高くなる見通しである。
将来負担比率は、基金積立残高の増加により充当可能財源等が増えてきていることから減少傾向にある。実質公債費比率は、償還終了した地方債による公債費の減少と基準財政需要額の伸びに伴う普通交付税の増加により、減少傾向にある。ただし、どちらの指標も類似団体と比較して高い水準にあるため、今後も地方債発行額の抑制及び基金積立残高の増加に努めていく必要がある。
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