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基準財政需要額が昨年度比で1.4%増となり、基準財政収入額についても5.3%伸びたため、単年度の財政力指数が昨年度に対し0.02増えた。その結果、財政力指数は昨年度に比べ0.01伸びた。昨年度同様、県の平均を0.06上回ることとなったが、町内には大型事業所が少なく、依然として財政基盤が弱い背景もあり、類似団体平均と比較すると0.23下回っている。社会保障関係費の経費増を含め財政需要額は今後も増加傾向が見込まれていることから、徴収業務のさらなる強化推進に取り組み、自主財源の十分な確保を図って財政基盤の強化に努める。
経常収支比率は、類似団体に比べ2ポイント下回っているが、昨年度比で2.9ポイント増となっており、弾力性が弱まる結果となった。これは、昨年度に対し、分子の経常経費充当一般財源が、扶助費及び公債費で95,152千円の増となり、全体で89,745千円(1.8%)の増となったことに加え、、分母の経常一般財源において、税収増を反映して各種交付金・地方交付税で95,636千円の減となり、全体で31,475千円(0.6%)の減となったことによるものである。今後も社会保障関係経費の増が予想され、本町独自施策について、長期的視点に立った事業効果の適宜評価を行うとともに、各種公共施設等について、公共施設等総合管理計画に基づく実行計画の早期策定など、将来コスト削減に向けた取り組みが急務である。
今年度は、類似団体の平均額を下回り、人口一人当たりの決算額は前年度比3.7%の減となった。人件費については、地方公務員給与費の削減に伴い、職員給が前年度比1.1%減となっているほか、委員等報酬(その他非常勤職員)についても減少傾向にあった。また、物件費については、昨年度、マイナンバー制度関連のシステム改修や、選挙関連費など、臨時的な事業が多かったため、今年度については、69,985千円の減となり、前年度比で4.5%の減となった。今年度については昨年度と比較して人件費・物件費とも減となったが、町民からの多様な行政需要が増え、権限委譲や制度改正により業務量が増える中、委託業務などの物件費の増加等が今後も見込まれている。業務の効率化を図り、サービスの質の低下を招かないような工夫が必要になる。
適正な給与水準の維持に努めており、昨年度と同水準で、類似団体平均と比べて1.3低い数値となった。引き続き類似団体平均数値を上回らないよう、適正な給与制度の運用を検討する。
定員適正化計画に基づき新規採用職員については、25年度まで退職者一部不補充等を実施していたことから、常に低い数値となっている。今年度は前年度に比べ人口千人あたり0.08人減となり、類似団体平均と比べても0.66人少なく、宮崎県市町村平均と比較しても1.83人少ない結果となった。本町の人口は、微増ではあるものの増加傾向にあることから、住民へのサービスの低下を招かないよう今後も適正な人員管理に努める。
実質公債費比率は、昨年度から3.1ポイント減となり、類似団体平均を0.8ポイント下回る結果となった。今年度の単年度比率は4.1%である。これは、事業費補正により基準財政収入額に算入された公債費が、主に地域振興費(人口)の減により59,652千円減となったが、26年度の大規模建設事業にかかる元金償還が始まり、元利償還金が74,057千円増えたことや、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が59,652千円減となったが、納税推進強化により税収増となったことから、標準税収入額等が133,122千円増え、結果として分母・分子ともに昨年度よりも伸びたことによる。単年度収支比率は昨年度比で2.6%増だが、26・27年度の2ヵ年平均では7.0%のため、3ヵ年平均で6.0%の比率となった。公債費については、今後も増額していくことが見込まれる。普通建設事業は、補助金の確保や基金造成、事業内容を十分検討して発行額を抑制し、交付税措置のある地方債により基準財政需要額への算入を確実に行うことで、実質公債費比率の抑制に積極的に取組む必要がある。
将来負担比率については、昨年度(-24.7%)に引き続きさらにマイナス計上となり、今年度は-27.1%となった。これは、交付税算入見込額が1.9%、充当可能特定歳入が18.7%減少し、充当可能財源等が1.5%落ちたが、将来負担額についても、地方債現在高・債務負担行為支出予定額・公営企業債等繰入見込額が減となり、3.0%落ちたことから分子全体としては11.1%の減、また、税収増などにより標準財政規模が増となり、反対に元利・準元利償還金に係る交付税算入額は減となったことから、分母は昨年度比で1.4%増となったことが要因である。今後、公共施設総合管理計画に基づき、老朽化に伴う大規模改修といった大型事業の実施を予定していることから、基金積立金の増額や将来コストを見据えたうえで、普通建設事業等を実施する必要がある。
人件費については、1.2ポイント減となり、類似団体との比較においても2.5ポイント低い水準となっている。また、昨年同様全国及び県との比較においても平均を下回る結果である。主な要因としては、退職手当引当組合負担金額が見直されたことや、職員給が昨年度に比べ1.1%減となっていることなどが挙げられる。これまで職員適正化計画等に基づき特殊勤務手当の見直しや一般職の職員採用抑制等を積極的に行ってきたが、今後も、適正な人事管理及び人件費の抑制に努め、行政サービスの低下を招かない工夫が必要となる。
物件費については、昨年度に引き続き予算の3.0%カットによる経費節減や合理化・抑制に努めているが、昨年度に比べ0.6ポイントの増となった。経常的な物件費の支出については、これまで以上に職員一人ひとりのコスト意識を高める必要がある。また、施設の老朽化に伴う修繕が今後益々増えることが見込まれ、中長期的な計画に基づく効率的かつ適正な経費執行に努めていくことが必要となる。
昨年度に引き続き類似団体内で最下位となった。この高い数値を示す大きな要因となっているのは、扶助費全体の6割以上を占める児童福祉費にある。これは、当町が人口に占める若年層の割合が高く、乳幼児医療費の無料化や保育所運営費等に対する町単独経費など少子化対策事業を重点施策として取り組んでいるためである。また、社会福祉費についても、サービス利用者が年々増加し支出額が増加傾向にある。今後社会保障関係経費の増が予想されることから、長期的な見通しを踏まえた事業効果内容の適宜評価見直しを行う必要がある。
昨年度から0.1ポイント減となり、類似団体平均値を0.2ポイント下回ったが、全国及び県平均は上回る結果となった。23年度以降、維持補修費が増加傾向にあり、今後も各施設の老朽化が進み経費の増が見込まれる。今年度策定された公共施設等総合管理計画をもとに、個別計画の策定を進め、統廃合を含めた計画的な施設管理・運営が急務である。
補助費等については、前年度に対し0.2ポイントの増となったが、類似団体平均においては4.5ポイント下回る結果となった。本町では、町単独補助金について、審議会等によって適正な補助額の交付決定に努めている。今後都城クリーンセンター管理費負担金などの清掃関連費に加え、社会保障関係費に係る負担金など同級他団体等への補助費等の増が見込まれることから、これからも引き続き補助費等の検証及び適正な執行に努めていく必要がある。
公債費については、今年度1.8ポイント増となったが、類似団体平均値を2.7ポイント下回る結果となった。地方債の発行額が昨年度に比べ36.2%減となったことにより、年度末の現在高についても2.7%減となっている。しかしながら、今後も国の補正予算等に関連して行われた大規模建設事業の元金償還の開始、公共施設の大規模改修等が控え、地方債発行額の増が見込まれるため、地方債残高の増加が予想されている。充当可能財源の確保とともに、地方債発行額の抑制を図り、将来負担の抑制に努める必要がある。
公債費以外の経費については、前年度比で1.1ポイント増加し、類似団体平均値を0.7ポイント上回る結果となった。すべての経費について経常経費の抑制に努めてはいるものの、類似団体との比較においても突出している扶助費により、経常充当一般財源が圧迫されている状況である。今後さらに扶助費の増大が見込まれることから、扶助費以外の経費についても、これまで同様、経費節減及び抑制の取り組みを継続し、扶助費については世代間及び年度間における平準化を念頭において事業の精査を行うことで、適正かつ効率的な行政サービスの提供と、計画的な財政運営を進める必要がある。
実質公債費比率については、26年度以降類似団体を上回る結果となったが、これは、債務負担行為に基づく支出額が増えたことが要因となっている。また、将来負担比率については、類似団体と比較して低い水準となっており、24年度を除いてマイナス計上となっている。実質公債費比率の増要因となった債務負担行為に基づく支出額が、事業完了に伴い減となるが、地方債残高が増化傾向にあることから、今後、地方債発行額及び地方債償還等について、基金等の充当可能財源を確保するなど、健全かつ適正な財政運営に努め、実質公債比率の上昇を抑制し、将来負担比率への影響を最小限に留める取組みが必要である。
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