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町内には大規模事業所が少なく、景気動向による大きな変動は見られず、高齢化率も33.4%(28.10推計人口)と高く、人口減少が続いており、財政基盤が弱いため、全国平均、佐賀県平均とも下回っている。人口減少に歯止めをかけるため、定住促進対策としてPFI手法による町営住宅の整備や宅地開発、子育て支援のまち宣言を行い活力あるまちづくりの展開を図り、歳入確保に努める。
歳入では、地方税は73,629千円の増となったが臨時財政対策債が74,741千円の減、地方消費税交付金が42,847千円の減となった。歳出では、27年度に借り入れた合併振興基金造成(1,811,700千円)に係る償還が始まり公債費が250,270千円の増加し、子ども子育て支援制度等の扶助費の増加により、対前年比3.5ポイントの増となった。合併特例債の償還財源に充当するため、計画的に減債基金に積立(28年度末残高2,463,466千円)を実施し、合併特例債償還額の普通交付税に算入残の3割相当額を当該基金の繰入により対応を図っている。
人件費については、17年3月の合併以降6年間の退職者不補充により28年度末には-32.2%の職員削減を行ってきたが、権限移譲や地方創生事業等による事務量の増加や職員年齢構成の高年齢化に伴う新規職員採用を行うとともに、年金の支給開始年齢の引き上げに伴う再任用雇用制度による雇用延長が始まり、今後は若干の増加傾向が見込まれる。また、物件費では、28年度よりふるさと寄附金事業に注力し(28年度寄附額1,475,992千円)、返礼品や事務経費が大幅に増加したことにより、人口1人当たり人件費・物件費等決算額は類似団体平均を大きく上回っている。
指数は類似団体で平均となってはいるが、対前年度比で0.7ポイントの増となった。これは、給料表を国公ではなく、佐賀県人事委員会の勧告に基づく県職員の給料表に準じた給料表を採用しており、当該給料表が国公の給料表より若干高めに勧告されていることによる(ただし、国公は地域手当加算制度有り)。28年度より人事評価規程を施行し、職務遂行能力、業績による勤務成績を反映した人事管理を行うとともに、職務給原則を徹底するため、給与条例で等級別基準職務表を定義したところである。
合併時の298人の職員数は、4保育所の民営化や退職者不補充等により96人減の28年度末で202人となり、全国平均では下回ってはいるが類似団体平均では上回っている。残り1園となった保育園の民営化や学校調理業務の民間委託等の導入により、引き続き適正な定員管理を進める一方、年金支給開始年齢の段階的引き上げに伴う再任用雇用者の増加が見込まれる。
合併特例債を原資に合併振興基金の造成に伴う27年度借入(1,811,700千円)の償還が28年度から始まり、28年度単年で0.9ポイント増となったが、25年度単年度が12.4%であったため、3ヵ年平均では対前年比0.1ポイント減となった。実質公債費率は全国平均より高めに推移しているが、公債費の償還財源として、合併特例債の償還財源として積み立てを行っている減債基金(28年度末残高2,463,466千円)から合併特例債償還額の交付税算入残の3割相当の繰入を行い、財源を確保している。
合併特例債事業や臨時財政対策債の借入に伴い地方債残高が対前年度比で1,149,294千円の増、債務負担行為では、PFI事業の推進による新たな定住促進住宅整備事業により対前年度比692,489千円の増となり、分子である将来負担額から充当可能財源を除した額が9,293千円の減となったが、分母の標準財政規模から基準財政需要額に算入された公債費を除いた額が対前年度比で129,764千円の減と大幅に減少したため、将来負担比率は0.6ポイント増となった。
職員数は、平成17年3月時点で298人から28年度末で202人となり、退職者不補充の実施により96人を削減し、全国平均、類似団体平均ともに下回っているが、年金支給開始年齢の引き上げに伴う定年退職者の再任用や7年間の退職者不補充に伴う職員構成の高齢化に伴い24年度から新規採用が始まり、今後は若干の増加傾向での推移が見込まれ、保育所民営化や学校給食調理業務委託など事業事業の見直しを更に進める。
全国平均、類似団体平均より低い水準にはあるが、増加傾向が続いている。退職者不補充に伴う日々雇用職員の増加や、行政事務に係るPC機器や各種行政事務システムの更新等に伴う費用が見込まれるため、一般財源充当経費の見直し・削減を進める必要がある。
全国平均、類似団体平均とも下回り、臨時福祉給付金の縮小などにより前年度から0.5ポイント減少したが、定住支援対策を進めているため保育給付費の増加や高校生まで拡充している子どもの医療費助成費の増加が見込まれ、注力しているふるさと寄附金事業による財源確保に努めている。
対前年度比は0.4ポイントの増、類似団体平均よりも1.0ポイントの上回っており、国民健康保険事業や下水道事業への繰出金により増加傾向にあるが、今後は、公共施設の維持補修費が増加することが見込まれ、特に空調設備、防水工事等の大規模改修費用の増加が見込まれ、28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、補修や施設の統廃合等の検討とその財源確保のため、計画的な補修計画が必要である。
補助費等の6割を占める一部事務組合負担金については、建設費償還分の負担金がピークを越え、対前年度比で0.6ポイント減となったが、一般廃棄物処理施設の建替事業の計画があり、増加傾向に転じる見込みである。また、子育て支援として第3子給食費無償化を実施し、ふるさと寄附金基金の繰入で財源充当をしているが、補助対象拡大も検討され、一般財源の持ち出しに留意する必要がある。
27年度に合併特例債を原資として積み立てた(1,811,700千円)合併振興基金の償還が始まり、対前年度比3.6ポイント増となった。合併特例債の償還財源として、普通交付税で算入される7割の残額3割相当額は減債基金から繰入を行う一方、償還財源として借入総額の3割相当について、財政計画に基づき積み立てを行っている(28年度末現在減債基金残高2,463,466千円)。
全国平均、類似団体平均ともに下回っているが、国民健康保険事業の広域化に伴う赤字解消支援として28、29年度に各50,000千円の支援、介護保険事業の事務費繰出金の増、下水道事業の市町村設置型浄化槽整備事業が始まり48,857千円の繰出金の増など、今後も増加傾向が見込まれる。普通交付税の一本算定が始まる32年度以降も財政調整基金繰入による財源調整が必須で、将来の財政状況を見据えた財政運営が必要である。
【実質公債費比率(青折線)】減少傾向ではあるものの、交付税措置のある地方債の借入や一部事務組合への建設費等負担金の減により率の上昇を抑制している状況である。類似団体内平均値を上回っている状態が続いていることから、町債発行の抑制の検討、一般財源充当経費の圧縮に取り組んでいく必要があると思われる。【将来負担比率(赤折線)】減少傾向が続いていたが、27年度は合併特例事業の推進や臨時財政対策債の借入増により地方債の現在高が増加したため、将来負担額を押し上げている。現在は、合併特例債の基需措置分以外の3割相当分を減債基金に積み立て、他事業への公債費償還増の影響を抑制する取り組みを行っているが、合併算定替の縮減、定住対策事業等の新規事業への対応を考慮し、一層の財源確保、一般財源充当経費の圧縮へ取り組んでいく必要があると思われる。
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