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社会保障経費を含む民生費の伸びに加え、老朽化施設の維持管理経費等が増加している中で、徴収率の向上が功を奏し、町税収入が前年度比から1.0ポイント増加したこと等から、財政力指数は前年度数値を維持した。今後は、さらなる事業の精査、投資的経費の抑制等、歳出の見直しを実施するとともに、景気回復に伴う税収の向上対策を中心とした歳入確保に努める。
認定こども園開園に伴う児童福祉にかかる扶助費の増加に加え、平成27年度に開庁した町庁舎の経常経費等が増加し、前年度より3.0ポイント悪化した。今後も扶助費の高止まりが予測される中、効率的な組織運営を常に考え、経常的な施設管理経費の削減や補助金制度の見直しを行うとともに、義務的経費の削減など行財政改革への取組を進めていく。
類似団体内順位は昨年度1位から陥落したものの、人口1人あたりの行政経費は全国平均、県平均に比べても安価である。今後も職員のなお一層の資質向上に努め、この状態を維持していきたい。
職員の若年化により、昨年度より0.2ポイント減少したが、類似団体平均と比較すると0.7ポイント上回っている。類似団体との差は、各団体の給与制度や年齢構成の差と分析しており、本町の給与制度は、基本的に国の制度に準拠しているため、適切に進めていく。
町の人口は3万3千人~4千人を維持し、近隣市町の人口は減少する中で本町は大きくは減少していない状況である。その反面、職員数は定員適正化管理計画に基づき減らした結果、近年は概ね横ばいとなっている。「職員数が少ないから行政サービスが悪い」と言われないよう、平成30年以降も効率的な行政運営と職員の資質向上による現状維持に努める。
前年度より0.5ポイント改善したが、類似団体平均と比べると3.1ポイント高い数値となっている。30年償還としている公共下水道事業債については当面減少する予定はないが、新規発行等については計画的に実施し、さらなる悪化を招かないように努める。一般会計においては、保健福祉会館の償還が平成28年度末で終了したが、平成27年度発行の新庁舎の起債償還が今後本格化していく中で、財政比率等の予測を行い、事業の精査、発行抑制に努める必要がある。
平成28年度については、一般廃棄物処理事業債約2億円を含む約8億7千万円を新たに発行しているため、将来負担比率は13.9ポイント悪化している。水道事業債、下水道債については、新規整備が終了していることから、新規発行債は少額であり残高は減少しているが、昭和60年代~平成17年度に集中して実施した下水道面整備の償還が課題であり、加えて水道設備の経年劣化による起債の新規発行も予定されているため、将来負担比率の悪化は避けられない状況にある。今後も年度償還額の平準化を計画的に行いながら、規模縮小、廃止を含め事業内容を再検討し、将来負担比率の低減に努める。
類似団体平均と比較すると、人件費に係る経常収支比率は3.8ポイント下回っている。引き続き、定員適正化管理計画を基本に行財政改革への取り組みを通じて、人件費が高騰しないよう注視していく。
物件費に係る経常収支比率は0.6ポイント悪化したが、類似団体比較の中でも効率が良く、引き続きムダの削減を実施していく。また、予算編成時において、需用費や役務費等、物件費に係る費目に対しては緊縮的措置を講じていく。
扶助費に係る経常収支比率は、昨年度比で0.9ポイント悪化している。医療費及び介護給付費が増加傾向にある上、子育て給付費も減少の目途はなく、扶助費の伸びに歯止めがかからない状況である。削減可能な単独給付型サービス、各種保険料の見直しは当然であるが、類似団体の平均値も年々悪化しており、国の抜本的な補助制度に期待したい。
その他に係る経常収支比率は類似団体に比べ高い比率で推移し、主に、下水道事業特別会計への赤字補填としての繰出金が大きな要因となっている。平成30年度には下水道事業の法の適用及び国民健康保険特別会計の制度変更が予定され、繰出金の抜本的な低減が見込めないところではあるが、その他の特別事業会計においても経費削減を進めるとともに、各保険料及び使用料の見直しも視野に入れ、財政の健全化を図っていく。
補助費等に係る経常収支比率は類似団体に比べ高い比率で推移し、昨年度数値と比較しても0.9ポイント悪化した。要因は、主に一部事務組合の負担金によるもので、増加要因であった西はりま消防組合結成に伴う普通建設事業は概ね終了したが、代わって揖龍保健衛生施設事務組合施設の大規模改修が実施されることには留意が必要となっている。経常的経費の抑制に加え、本町独自の補助金制度の見直しを考えていく必要がある。
公債費に係る経常収支比率は前年度より0.5ポイント悪化しているが類似団体に比べると1.6ポイント低い水準にある。これまでは普通建設事業を抑制していたが、平成28年度は消防車庫の整備、南総合センターの整備等を実施し、新たな起債発行額が増加した。今後も、大型事業が控えており、加えて施設の老朽化対策により一時的に起債が増加することが予測されるが、計画的な地方債発行により公債費の平準化に努める。
類似団体と比較しても遜色ない数値であるが、既存事業の改廃、整理、縮小を図り、今後に控えている施設の老朽化対策等に向けて歳出の抑制を実施し、住民サービスを低下させることなく適正な水準を維持するように努める。
将来負担比率及び実質公債費比率は、ともに下水道事業整備を集中的に推進したことにより類似団体よりも高い傾向にあるが、実質公債費比率は減少の傾向にあり、将来負担比率は平成27年度に新庁舎建設を実施したことにより大幅に上昇したが、計画的な運営を行っており今後も施設の統廃合等により増加傾向にあるが、長期的な視点に立ち安定的な行政運営を進める。
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