経営の健全性・効率性について
高料金に対する補助を受けられていること、また、水道料金の値上げ改定、そして経費節減による経営改善により、キャッシュフローは改善されつつある。平成25年度に多額の累積欠損金が発生しているが、東日本大震災により供給不能となった神宿浄水場の固定資産除却費(特別損失)によるものであり、経営の要因によるものではない。企業債残高については、できうる限り直営工事等により工事費用を削減し、企業債を借り入れない運営を行ってきたため減少傾向にあったが、東日本大震災による浄水場移転復旧事業に伴い、建設費用の一部を企業債を財源としたため、若干増加した。有収率は、東日本大震災の災害復旧により配水管の布設替えを実施しているため、良い状況なっている。施設利用率は、施設工事が完了した後、計画された住宅団地開発が戸数を大きく減らして販売されたため、現況では大きく改善することは出来ない。規模が小さく、経営改善を行っても人件費等の固定費の割合が大きく、また、使用水量が大幅に伸びる要因も無いことから、できうる限り費用の低減化を進めて運営を実施していく必要がある。
老朽化の状況について
管路については、現在、耐用年数を越えたものは少数であるが、10年後には、耐用年数を越えた管路が大幅に増えていく。表流水系の浄水施設は、震災復旧により新しい施設となったが、地下水系及び配水施設については、稼働後20年を経過したため、更新工事を開始しているが制御盤等の工事費が多額となる部分については、財源確保が出来ていない。
全体総括
人件費を含めた出来うる限りの経費節減を実施した結果、経営的には資金不足を回避出来る状況となったが、技術継承などに大きな問題を残してしまった。現在の平均年齢は51才を超え、今後10年以内にほとんどの職員が定年を迎える状況となっている。今後もお客様に清浄にして豊富低廉な水の供給を図るために技術継承を含め、対策を検討しています。