経営の健全性・効率性について
公共下水道事業は、令和2年度より地方公営企業法を適用している。①②経常収支比率については、100%以上であることから単年度収支が黒字であることを示している。また⑤経費回収率においても100%以上であることから、使用料で回収すべき経費をすべて使用料で賄えている状況である。③流動比率については、100%以下であることから、1年以内に支払わなければならない負債を賄えていないことを示しているが、償還原資については使用料収入及び他会計繰入金により得ることが予定されている。④企業債残高対事業規模比率については、類似団体と比較し低い数値となっている。供用開始から24年程度経過しており企業債残高が減少したことに加え、建設改良充当企業債を企業債償還額を超えないように工夫しているためと考えられる。⑥汚水処理原価については、平成29年度から公費負担の算定方法を見直したことで汚水処理費用が減少したため、類似団体と比較し低い数値となっている。⑦施設利用率については、類似団体と比較すると同程度となっているものの、全国平均からは10%程下回っている。今後施設の更新等を計画するにあたり、適正規模等の検証が必要と考えられる。⑧水洗化率については、類似団体と比較して低い状況にある。今後処理区域内人口が減少されることが想定されるなかで、これまでと同様、加入促進等の取組が必要と考えられる。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については、資産の老朽化度合を示すものであるが類似団体と比較し低い数値となっており、老朽化はそれほど進んでいないと考えられる。②管渠老朽化率については、法定耐用年数を超えた管渠がないため算出されない。③管渠改善率については、管渠更新を行っていないため算出されない。
全体総括
経常収支比率及び経費回収率について100%以上であることから、健全な経営である。しかしながら、今後も人口減少による、使用料収入は減少が見込まれる一方、施設の老朽化により維持管理費は高止まりすることが想定され、将来的な収支は決して楽観できない状況にある。今後も持続可能なサービスを提供していくためには、効率的な施設管理手法を検討、実施していくことで経常経費の更なる縮減に努めるとともに、施設の長寿命化や更新にあたっては、適正な施設規模等を見極め、投資の平準化を図り更新していく必要がある。