経営の健全性・効率性について
中種子町では,給水人口の減により施設の利用率(⑦)が56%程度ですが,類似団体と比較すると高い利用率となっています。有収率(⑧)では,以前から70%台であり,給配水管の老朽化が原因で施設の利用が収益につながっていない現状です。経常収支比率(①)も全国平均と比べ10.91%低い102.65%と厳しい状況ですが,幸いにも累積欠損金(②)はありません。しかし,収支の差があまりないため現金の確保が難しく,流動比率(③)も類似団体に比べて低い状況にあり,維持管理費などの財源確保がきびしいところです。企業債残高対給水収益比率(④)については,類似団体に比べて低い状況にありますが,建設改良に係る企業債を発行して,今後施設の更新等行う必要があります。また,平成9年7月を最後に料金の見直しがなされていません。給水原価(⑥)は類似団体と比べ平均以下ではありますが,経費の削減に努め,また,料金回収率(⑤)の向上に努めていく必要があります。
老朽化の状況について
中種子町では,耐用年数を経過した資産(②)が約30%あります。耐震化対策も必要な資産も多くある中,財源の確保が困難な状況のため,配水管等の更新(③)は,進まない現状です。また,固定資産全体での減価償却率(①)も50%を超え老朽化が進んでいます。
全体総括
経営を安定化させるためには,まず有収率を向上させることが必要です。耐震化対策と併せて老朽管の更新を近年中に行い生産コストの削減を図る取組を行います。また,同時に資産管理(アセットマネジメント)を見直し,給水人口及び現在の住宅の配置を考えた施設の更新を進めていかなければなりません。収支の改善では,料金も平成9年7月の改定から見直しがされていません。維持管理費なども当時とは変動し現在の料金では施設の更新に必要な収入が確保されずに支障がでることが予想されます。近年中に見直し作業を始めます。