経営の健全性・効率性について
H27の①「経常収支比率」は110.63%と黒字、経年の推移をみても100%を超えており、健全な経営が行われています。また、⑤「料金回収率」も100%を越え給水に係る費用が給水収益で賄われています。このことから現在のところ適切な料金設定と安定した経営が行われていると言えますが、今後、給水人口の減少による給水収益の減、老朽化した施設・管路の更新に係る費用の増が想定されますので財源の確保に向けて、更なる費用削減や将来的な料金設定計画など検討していく必要があります。②「累積欠損金比率」は現在は0%となっていますが将来的に収益の減、費用の増が想定されるため、今後の推移に注意が必要です。③「流動比率」は100%を大きく上回っており、現在の支払能力について問題はないと言えます。④「企業債残高対給水収益比率」は類似団体平均値より低く、H23の起債以降新たな借り入れは行っていませんが、今後、収支のバランスによっては起債計画も検討することになります。⑥「給水原価」は類似団体平均値より低く、現在は適切な数値であると考えられます。今後、老朽化した管路更新を進める上で適切な数値が保てるよう経営改善の検討を行っていく必要があります。⑦「施設利用率」は類似団体より高く、適切な規模であると考えられます。⑧「有収率」については約70%となっており、類似団体平均値より低い数値のため、原因の一つと考えられる漏水の対策強化が必要です。
老朽化の状況について
②「管路経年化率」は類似団体平均値より高く、③「管路更新率」は類似団体平均値より低い状況にあります。管路更新については漏水が多い箇所を中心に地区毎に行っていますが、加えて老朽箇所を考慮した管路更新も必要です。そのため更新工事の財源確保・更新計画を検討していく必要があります。
全体総括
①「経常収支率」は100%以上あり、①「有形固定資産減価償却率」は約50%となっています。経営の健全性を維持するための更新投資の先送りは行っていませんが、②「管路経年化率」は類似団体平均値より高く、③「管路更新率」は類似団体平均値より低い状況にあります。財源と費用のバランスを検討し、健全な経営を保ちながら老朽化した管路の更新について重点的に取り組む必要があります。