簡易水道事業(法適用)
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人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和6年1月1日現在44.60%)に加え、一次産業中心の経済構造であることにより慢性的に財政基盤が弱く類似団体平均を下回る状況である。一方で、恵まれた自然環境、世界農業遺産、ユネスコエコパークを活用し観光業・商工業・農林業等を横断的に結び外貨を取り込む施策に取り組んでいる。個人、法人町民税その他の税収増につながるよう活力あるまちづくりの展開、また観光地であることを活かした自主財源確保策に取り組み、合わせて定員管理や給与の適正化等行財政改革に取り組むことにより財政健全化を図る必要がある。
歳出では、公債費、繰出金は減少したが、人件費、物件費、扶助費、補助費等の増額分が上回り、増となった。人件費における会計年度任用職員分の報酬等の増加、維持補修費の増加、高齢者に対する扶助費の伸び等により経常分は増加することとなった。歳入では、地方税は伸びたが、地方交付税、地方消費税交付金等の減少幅が大きく全体で減となった。以上により、前年度比2.8%増の結果となった。引き続き経常経費抑制に注力する必要がある。
人件費は、任期の定めのない一般職員給、手当、会計年度任用職員報酬等、国の人事院勧告に準じて調整し全体として増額となった。物件費は特に委託料関係の増加が大きい。決算額だけでみると前年度より減少しているが、人口減少が上回り1人当たりの決算額が増加したものと考えられる。1人当たりで分析すると年々上昇傾向にあるため、定員管理の適正化による適切な人件費支出、また、特に物件費の節減に取り組む必要がある。
令和5年度は、前年度と同程度数値の98.3である。令和元・2年度との比較では低い数値を維持しているものの、類似団体平均より高い水準である。引き続き行財政改革や定員適正化計画等により課・係の業務効率化、一層の職員手当等の適正化に取り組む必要がある。
住民基本台帳人口は前年度比289人減少の11,038人である。職員数については、一般職が前年度比1人減の141人である。令和5年度は、人口1,000人あたり12.86人と類似団体平均の12.94人を下回ったが、前年度比較では0.24ポイント増加している。今後も引き続き人口減少に対応しながら住民サービスの低下を招かないよう留意し業務の効率化、効率的な人員配置に取り組む人員管理を行っていく必要がある。
分子を構成する元利償還金は23,908千円減の744,910千円となった。近年は高金利時の起債分の償還が進み減少傾向であると考えられる。但し、公営企業への負担分が増加する傾向にあるため注視していく。令和5年度の実質公債費比率(3か年分平均)は6.6%である。実質公債費比率(単年度)は前年度と同数値の7.0%である。近年同水準を維持してきているが、災害復旧対応やその他の事業の影響により徐々に高い水準に移行することも考えられる。緊急度・住民サービスを的確に把握した事業の選択や新たな自主財源の確保策により、起債に頼ることのない財政運営に努めていく。
将来負担比率は前年度に続き生じていない状態である。(計算上は前年度の-12.8%から-6.8%へと6ポイント増加した。)内訳としては、分子である将来負担額のうち、地方債の現在高が260,821千円の減、公営企業債等繰入見込額が107,029千円の減、組合負担等見込額が57,179千円の減となった。退職手当負担金見込額は130,161千円の増である。充当可能財源等については、基準財政需要額算入見込額が249,033千円減少、充当可能基金も261,117千円減少した。分母の減少が分子の減少を上回る結果となったものである。将来負担比率(計算上の数値)は健全な状態を維持しているが、引き続き注視していく。
任期の定めのない職員分が増加している。また、会計年度任用職員分、各種委員報酬分も増加している。昨年度に続き人事院勧告にならった調整を一般職員だけでなく会計年度任用職員分の報酬、手当にも行った。議員報酬や退職手当負担金等は横ばいである。引き続き定員管理の適正化その他経費削減に努めていく。
令和5年度物件費に充当した経常経費一般財源等は、対前年度比22,492千円増の944,731千円である。それにより経常収支比率は、前年度比0.6ポイント増の18.5%となった。コロナ禍からの脱却により観光関係の需要が伸び、比例して経費も上昇した。また、物価高による全体経費の増加も影響していると考えられる。一般的な事務経費は引き続き省エネや省資源化の徹底に努め、委託費等は適正な競争によるコスト削減に努めていく。
令和5年度扶助費に充当した経常経費一般財源等は366,740千円であり、前年度比10,219千円増となった。特に、昨年度減少していた養護老人ホーム入所措置事業費や子ども医療費への支援分が伸びたことによる。少子高齢化が進む本町では、今後扶助費の増加が懸念されるが、各種手当の必要性や給付要件の見直し等含め適正管理・支出に努めていく。
令和5年度は、類似団体平均を1.8ポイント下回っている。特別会計や公営企業会計に対する繰出金については、各会計での収支状況を見極めながら精査を行っている。特に、国民健康保険や介護保険事業においては、予防事業に重点を置くことで保険給付を抑えるなど、普通会計の負担を軽減すべくなお一層の推進を図っていく。
補助費等に充当した経常経費一般財源等は、225,587千円増の1,084,252千円である。このことから経常収支比率が4.5ポイント増加した。町国保病院統合へ向けた負担金、下水道事業の法適用化直後の出資、補助的負担の伸びが大きかった。また、コロナ禍から平時に戻り、町内での各種イベントや団体活動への補助の復活や増額等により全体的に伸びている。町からの各種団体運営・活動補助金は、その内容や収支の状況を随時精査しており、引き続き適正な執行に努めていく。
公債費に充当した経常経費一般財源等は23,259千円減の731,206千円となり対前年度比0.4ポイント減なった。以前より年度ごとに償還額を超えない範囲での新規起債計画を立て運用し、類似団体内平均値を下回る状況が続いているが、今後は災害復旧事業債の増加や、中学校建設等による大型の起債対象事業が見込まれる。人口減少も加速していく見込みであり、総額管理とともに一人あたりの数値等も念頭に、自主財源確保や基金の有効活用等を考慮した起債運用が求められる。
公債費以外の経常収支比率は、前年度78.7%から3.2ポイント増加し81.9%となった。前年度の台風災害発生後、緊急を要する間接的な町単独事業に対する支出や全体的な物価高が影響していると考えられる。引き続き、継続的な歳出削減を念頭に、最小の経費で最大の効果をあげる行財政運営に努め、類似団体平均値を下回るよう更に取り組んでいく。
(増減理由)近年は、財政調整基金、公共施設等整備基金、ふるさと応援基金等について、年度あたり計100百万円から400百万円の間で繰入を行ってきたが、令和3年度は、財政調整基金からの繰入をしなかった。また、前年度(令和4年度)は、特に台風14号災害復旧事業(緊急を要する町単独事業等)への充当その他の事業のため財政調整基金から382百万円繰入を行うなど、高額となった。今年度(令和5年度)はそれぞれの基金の計で9百万円台の運用益積立を行った。また、個人版ふるさと納税を原資とするふるさと応援基金に88百万円積立てた。一方、台風災害復旧事業その他の経費に充当するため財政調整基金から511百万円など前年度に引き続き高額な繰入を行った結果基金全体では298百万円の減少となった。(今後の方針)令和5年度は基金の減少へと転じている。国民スポーツ大会剣道競技会場の対応、高千穂中学校建設事業等、大きなプロジェクトが控えており、令和4年度からの台風、豪雨災害復旧事業を継続して実施していく。今後の歳出増に備えるため、一層の健全財政運営と基金残高確保に努めていく必要がある。
(増減理由)令和5年度は運用利子等の予算積立てで6百万円、剰余金積立てで200百万円の積立てを行った。一方、511百万円の繰入(取崩し)を行い、残高が305百万円減の1,036百万円となった。(今後の方針)上記基金全体の方針でも述べているとおり、今後数年間は、災害復旧関連事業等避けることのできない事業もあり、さらに将来に備えるため引き続き財政健全化に取り組んでいく必要がある。
(増減理由)令和5年度中、運用益の積立てを行い年度末残高は72百万円である。(今後の方針)例年、公債費の償還リスクを注視しながら起債残高等のチェックを行っている。今後も同様に注視して基金の利用について特に慎重に検討していく。
(基金の使途)公共施設等整備基金・・・公用または公共の用に供する施設の整備のために設置。ふるさと応援基金・・・ふるさと納税制度を活用し、全国から寄せられた寄附金を原資とし、少子高齢化対策、観光振興、農林業振興、教育振興などの財源に充てることを目的に設置。企業版ふるさと納税地方創生基金・・・町のまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に活用するための基金。特に観光振興目的に充当する。地域福祉基金・・・町民の保健福祉の増進を図り、地域福祉の充実に資する事業の財源に充てるために設置。地域振興基金・・・農林業及び観光産業の振興、歴史、伝統、文化、産業等を生かした地域づくり事業、地域公共交通に関する事業に充てるために設置。(増減理由)令和5年度はぞれぞれの基金から必要に応じ繰入を行った。一方ふるさと応援基金へ88百万円の積立てをし、それぞれ運用益も積立てたことにより残高合計は増加した。(今後の方針)高千穂中学校建設事業等の大きなプロジェクトが控えており、特に公共施設等整備基金は健全な運用に努める必要がある。また、企業版ふるさと納税地方創生基金は使用期限も一定の基準があることから、その目的に沿った事業展開、充当が必要となる。
近年、有形固定資産減価償却率は各平均と比較しても高い数値が続いている。特にインフラ資産の減価償却率が高い状況である。住民の安全や生活に欠かせないものから優先的に計画的な更新、維持管理が必要となる。公共施設等総合管理計画等の各種計画に基づいた更新・維持管理に努めていく必要がある。
債務償還比率は各平均と比べ低い数値となっている。令和03はコロナ禍ということもあり臨時的収入が多く、経常一般財源に比較的余裕があり特に低い数値で算出された。令和04は令和02以前の推移状況から連続すると減少傾向である。但し、災害対応やその他普通建設事業が控えており、楽観視することなく将来世代の負担を増やさないような財政運営に努めていく必要がある。
将来負担比率は算出されず、顕在化している将来負担は少ないものと考えられるが、潜在化している将来負担である有形固定資産減価償却率は81.3%となっている。類似団体の平均と比較しても高い数値になっており、資産の老朽化が深刻な状況である。特にインフラ資産の減価償却率が高い状況であり、住民の安全や生活に欠かせないものであることから計画的な維持管理が必要となる。公共施設等総合管理計画等の各種計画に基づいた更新・維持管理に取り組んでいく必要がある。
将来負担比率は算出されず、実質公債費比率は類似団体内平均値を下回っている状況である。上記のとおり将来負担比率は算出されず、顕在化している将来負担は少ないものと考えられるが、潜在化している将来負担である有形固定資産減価償却率は81.3%となっている。今後、インフラ資産の整備・更新事業は必須であり、災害対応や新規事業を含め地方債の発行等により将来負担比率が高くなる可能性がある。公共施設等整備基金の計画的な積立等で更新費用をストックしておくことが課題である。