経営の健全性・効率性について
①経常収支比率については過去5年100%を下回ることはなく、安定した経営状態だと言えますが、今後原水の汚濁対策他区域拡張に伴う建設改良事業が計画されていますので、その財源確保には予断を許さない状態です。②累積欠損金は発生しておりません。③流動比率は、510.55%と全国平均並みの状態ですが5年分の債務支払い能力を有しています。④企業債残高対給水収益比率は他の団体より低く、これまでの建設事業を、債務を抑えた取り組みの効果が表れています。⑤料金回収比率は111.77、⑥給水原価125.22で、徹底した費用の抑制効果が表れています。⑦施設利用率は全国平均を上回るが、夏季及び冬季と安定期の配水量差が大きいため、最大能力内での運用を強いられることもしばしば起こっている。今後、給水人口の減少が見込まれるので、よりこの数値は下がることが見込まれます。⑧有収率は、寒波の回数に大きく左右されるが定期的な漏水調査を施し、有収率の向上に取り組んでいます。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は全国平均を超えてはいませんが、老朽施設の更新時期が迫っています。現在は、建設改良を行うための留保資金の確保及び各施設のスケールダウン等、事業規模に見合った更新を行う方針です。②管路経年化率については、全国平均を大きく上回っていますが、全面的な更新については資金の調達及びその維持について苦慮しているところです。③管路更新率は、低いながらも優先順位をつけながら毎年取り組んでいるところです。平成29年度にアセットマネジメントを実施しますので、具体的な更新計画が示されます。
全体総括
当団体の最大の課題は、老朽施設の更新です。そして、経常収支比率も給水人口が減少している現状では予断を許しません。平成28年度に料金の改定を行いましたが、引き続き平成29年度に経営戦略及びアセットマネジメントを策定し、持続性のある事業経営を目指します。