経営の健全性・効率性について
令和2年度より、公共下水道事業に、地方公営企業法を適用した(令和2年度以前は法非適のため数値比較できない)①経常収支比率は、102.76%で、100%を上回り、使用料収入や一般会計繰入金(基準内)で経費を賄えており、欠損金も発生せず、単年度収支は黒字となっている。③流動比率は18.15%で、類似団体平均値よりも低くなっており、流動負債の大半を占める企業債償還が多額であることが主な要因であり、支払に必要な現金を一時借入金で賄っている。④企業債残高規模比率は、類似団体平均値より高くなっており、公共下水道推進のために過去に投資した企業債の残高が多いことが要因であり、今後も施設の更新に企業債の発行を予定していることから、注視する必要がある。⑤経費回収率は、100%を超えているが、施設の老朽化などにより修繕費等の維持管理費用の増加によっては、悪化することも考えられるため、適正な使用料収入の確保を維持する必要がある。⑥汚水処理原価は、類似団体平均値に比べ低くなっているが、施設の老朽化に伴う維持管理費用の増加が予想されるため上昇する見込みである。⑦施設利用率は、類似団体平均値を上回っており、今後も適切な施設規模を維持する。⑧水洗化率は、類似団体平均値より高い数値であり、安定した使用料を確保するために、水洗化へのPRを行い接続の推進を図る。
老朽化の状況について
共用開始後約21年程度経過しているが、令和2年度より地方公営企業法を適用したため、①有形固定資産減価償却率は、5.02%となっている。終末処理場である上郡浄化センターは、ストックマネジメント計画に基づき、計画的に機会設備の更新を行っている。また、高田台地区において計画的にマンホール蓋の更新を行い、効率的な施設の老朽化対策を行っている。今後も老朽化対策については、ストックマネジメント計画により、施設全体の老朽化の進捗状況を把握し、優先順位を設定し、効率的で効果的な施設更新を行う。
全体総括
公共下水道事業は、下水道の早期推進のため過去に投資した企業債の残高が高い水準にあり、その償還のための費用が多額になっている。また、上郡浄化センターの長寿命化による更新工事など、投資に伴う経費が今後増える予定であり、それに合わせて企業債の借入も増えると見込んでいる。今後は、人口減少が進み、有収水量の大幅な増加は見込めないため、使用料収入の減少が予測されることから、投資の平準化を図り、安定的な経営に向けた使用料収入の確保に伴う料金改定や施設統合について検討し、効率的で健全な経営に努める。