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財政力は、横ばいで推移し、類似団体内平均値と同程度となっている。現下の経済情勢では、今後も厳しい収入環境が続くものと思われることから、収支状況を改善させるためにも、町税徴収率の向上などによる自主財源の確保に努めるとともに、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行し、財政基盤の強化を図る。
歳出において、職員の退職手当の増加や、泉州南消防組合負担金の増などはあったものの、歳入面で、普通交付税と臨時財政対策債の合計が221百万円増加するなどし、経常収支比率は前年度の95.8%より1.1ポイント改善し、94.7%となった。今後も引き続き、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行し、経常収支比率の改善を図る。
人件費・物件費等決算額は、平成25年度からの消防広域化に伴い、消防職員が退職したことにより類似団体内平均値より低い数値が続いていた。現状としては、ごみ処理、し尿処理などの事業を直営で行っており、その結果として人件費及び施設の運営経費や維持補修費が類似団体内平均値と比較して高くなる傾向にあるが、令和3年度から、し尿処理事務の広域化により、数値は改善する見込みである。また、超過勤務の抑制など、行財政改革による経費削減も効果を挙げており、今後も引き続き取り組む。
本町は従前より国の給料水準を下回っており、大阪府内でも低い水準となっている。今後も中長期的なビジョンに立って、職員年齢構成の平準化を推進するとともに、引き続き国家公務員に準拠した適正な給与制度による運営を行う。
「職員定数管理基本方針」に基づいて職員数の抑制に取り組んできた結果、人口が増加しているにも関わらず、人口1,000人当たりの職員数は横ばいで推移してきた。そして平成25年4月の消防広域化に伴い、消防職員が退職した影響で数値が減少している。一方で、職員数の減に対応するため、職員研修、人事評価制度、昇任試験制度などにより、職員の資質を高め、行政サービスが低下しないよう状況を見極めながら、職員数の適正化に努めている。
元利償還金が44百万円減少するとともに、公営企業の公債費に充てた繰出金が57百万円減少したこと、また、普通交付税が177百万円増加したことなどにより、実質公債費比率は1.0ポイント改善した。町債の借入れにあたっては、計画的な事業実施に基づき、先を見通した借入れを行ってきた。今後も、町債を借り入れる際には、交付税措置のあるものを中心に借り入れ、国・府の財政支援制度を有効に活用するなど、財政負担の軽減に引き続き務める。
地方債現在高が15百万円増加したものの、退職手当負担見込額が職員数の減少により133百万円減少したことに加え、これらの将来負担に充当できる充当可能基金の額が3,309百万円増加したことなどにより、充当可能財源等が将来負担額を上回るため前年度に引き続き「-」となっている。今後も、事業実施にあたっては、その必要性や規模等を十分に精査するとともに、町債においては、引き続き交付税措置のあるものを中心に借り入れるなど、国・府の財政支援制度を有効に活用することによって、将来に過度の負担を残さないように努める。
これまで、行財政改革に伴う人件費の抑制策として、新規採用者数を退職者数の概ね1/2以下とすることによる職員数の削減など、着実に効果を出している。なお、類似団体内平均値より高い水準となっているのは、ごみ処理、し尿処理を直営で行っていることに伴い、これらの事務事業に係る人件費が嵩むことによるものである。近年は定年退職者の増により、退職手当が増加しているが、職員の年齢構成の平準化により職員給が減少することに加え、令和3年度から、し尿処理事務の広域化により数値は改善していくことが見込まれる。
現状、類似団体内平均値を上回っているのは、ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることによる施設の維持、管理、運営経費が大きいためであるが、令和3年度から、し尿処理事務の広域化により、維持管理経費等は減少するものの、委託料が増加する見込みである。今後においては、施設に係る事務事業の効率化等を図り改善に努める。
扶助費に係る経常収支比率が類似団体内平均値を上回っている要因として、主に町立保育所が多いことが挙げられる。介護訓練等給付費や障がい児通所給付費などが増加となっているものの、臨時福祉給付金等の皆減などにより、平成30年度については減少しているが、少子高齢化に伴う扶助費の増加が今後予測される。
「その他」の主な内容は維持補修費であり、ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることに加え、各施設の老朽化が進んでいるため、それら施設の維持補修に係る経費が大きくなっている。しかし、平成30年4月から下水道事業の地方公営企業法適用により、下水道事業特別会計繰出金が皆減となったため、類似団体内平均値を下回っている。
ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることにより、一部事務組合等への負担金が少ないため、平成25年4月からの消防広域化による負担金の影響を加味しても類似団体内平均値を下回っている。今後は広域消防に係る負担金の増加に合わせて補助費等全体も増加していく見込みである。
町債の借入れについては、原則交付税措置のあるものに限るとともに、実施事業の規模等を十分精査し、その借入額を抑制してきたところである。町債の償還が順次終了していくため、平成25年度をピークに、公債費は減少する見込みである。
類似団体内平均値を上回っているのは、ごみ処理、し尿処理などを直営で行っていることによる施設の維持・管理・運営に係る経費が大きいためであるが、令和3年度から、し尿処理事務の広域化により数値は改善するものと見込まれる。今後、この数値を抑えることができるよう、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行していく必要がある。
(増減理由)財源調整による財政調整基金の繰入が必要なかったことなどに加え、ふるさと納税制度の活用による寄附金が増加したことに伴う積立金の大幅増加により、基金全体としては3,309百万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金について、少子高齢化に伴う扶助費や繰出金が今後も増加していくことが予測されることから、持続可能な行政運営をめざし、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に基づき、公共施設の統廃合を含めた抜本的な改革に取り組んでいく。
(増減理由)利子、剰余金の積立による増加。(今後の方針)財政調整基金の取り崩しに依存しない財政運営を行えるよう、町税徴収率の向上などによる自主財源の確保に努めるとともに、「第3次行財政構造改革プラン・アクションプログラム」に掲げる改革項目を着実に実行し、歳出の抑制等に努める。
(増減理由)利子積立による増加。(今後の方針)将来にわたる町財政の健全な運営に資するため、地方債の償還計画等を踏まえ、町債の償還に必要な財源の確保に努める。
(基金の使途)くまとりふるさと応援基金:住民、法人その他団体との協働による定住魅力のあるまちづくりを推進。公共施設整備基金:公共施設整備事業を円滑かつ効率的に行うための財源確保。墓地基金:町墓苑設置に係る町債等の償還及び供用開始後の管理を円滑かつ効率的に行う。地域福祉基金:高齢者等の保健福祉の推進を図る。産業活性化基金:中小企業者等の円滑な資金調達のための財源及び商工業・農業を含む産業活性化を図るための事業実施に必要な財源に充てる。(増減理由)くまとりふるさと応援基金:寄附の増による増加。公共施設整備基金:利子積立及び一般財源からの積立による増加。墓地基金:墓苑の管理経費の財源として取崩したことによる減少。地域福祉基金:社会福祉協議会の運営に対する補助の財源として取崩したことによる減少。産業活性化基金:事業所開設支援事業等の支援を充実させたことによる減少。(今後の方針)公共施設整備基金:公共施設等を取り巻く社会状況は大きく変化しているなかで、将来世代に渡る長期的な視点を持ち、状況に応じた統廃合など公共施設整備事業を円滑かつ効率的に行えるよう財源確保に努める。
有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値と同水準となっている。老朽化が進んでいる施設が多くなってきており、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や、老朽化した施設について長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。
分子となる将来負担額について、過去に整備した施設にかかる町債の償還が進んでおり、債務償還比率は、類似団体内平均値を少し下回っているが、今後、し尿処理広域化などに係る建設事業債が増加していくことが予測される。安定した財政運営を行っていくため、基金繰入に依存しない自律的な財政運営に努め、経常一般財源等の増加を目指すとともに充当可能基金を減少させないように努める。
将来負担比率は類似団体内平均値と比較して大幅に低い水準にある。また、有形固定資産減価償却率は同水準となっている。近年は臨時財政対策債の割合が大きく、臨時財政対策債の借入れに伴う基準財政需要額算入見込額が増加していることに加え、過去に発行した町債の償還が進んでいることなどにより将来負担比率は減少傾向にあるが、有形固定資産減価償却率については、施設の老朽化が急速に進んでおり、今後ますます高くなることが予想される。公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合や、老朽化した施設について長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。
将来負担比率は類似団体内平均値と比較して大幅に低い水準にある。また、実質公債費比率は近年減少傾向にあり、平成30年度は類似団体内平均値を下回った。将来負担比率については、将来負担額が平成25年4月からの消防広域化に伴う組合負担等見込額の増などにより増加したものの、交付税措置のある地方債借入の増に伴い基準財政需要額算入見込額が増加したことなどにより、全体として比率が低下している。また、くまとりふるさと応援基金の増により充当可能基金が大幅に増加したことにより、しばらく数年は「-」のまま推移していくと見込まれる。しかし、今後消防組合における庁舎建設及び車両更新などに関する借入金の償還が増加していくことから、実質公債費比率については、上昇していくものと想定される。消防組合における負担金の抑制を図るとともに、地方債については、引き続き交付税措置のあるものを中心に借り入れるなど、国・府の財政支援制度を有効に活用し、比率の改善に努める。
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