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平成20年度秋の景気低迷後も経済情勢の回復が遅れ、個人所得及び法人収益が伸びず、それに伴い町税の減収が続いたことから財政力指数の減が続き、平成24年度、25年度の単年度での指数が0.99となり、交付団体へと転じた。平成26年度から町内保育園3園を民営化したことで、交付税措置されなくなり、需要額が減となったことや、地方消費税率引き上げによる地方消費税交付金の増による収入額の増などが原因で、平成26年度には単年度指数が1.01となり、3年ぶりに不交付団体へ転じ、平成27年度は単年度の指数が1.04、3か年平均指数が1.02、平成28年度は単年度の指数が1.05、3か年平均指数が1.03、平成29年度にあっては、単年度の指数は1.06、3か年平均の指数は1.05と上昇傾向となった。これは、日本経済が堅調に推移していることから、歳入総額の約5割を占める町税が対前年比で154,152千円の増(1.8%)となり、財政力指数自体は類似団体を上回っているものの、景気動向次第では町税収入の下振れリスクは常に伴うものであるから、今後も財源の確保に努めていく。
平成21年度に町税の大幅な減収により初の90%台となったが、平成22年度においては経常経費の削減に努めるなど3.6ポイント改善し80%台へ回復した。平成23年度は扶助費、公債費の増により、経常経費充当一般財源等が大幅な増となったことから再び90%台へと転じた。平成24年度は、33年ぶりに交付団体となったことで普通交付税の増及び臨時財政対策債発行可能額の増により、対前年度比0.2ポイント改善したが、平成25年度は、臨時財政対策債や町税、普通地方交付税などの減により分母側の減が大きく、2.6ポイント上昇し、平成26年度からは再び不交付団体となり、臨時財政対策債や普通地方交付税の皆減など1.9ポイント上昇した。平成27年度は地方消費税交付金が地方消費税率の引き上げによる影響額で増額となったことなどにより0.5ポイント改善し98.2%となった。平成28年度は、分子・分母ともに減となったが、分子側の公債費充当が大幅に下がったことで、1.6ポイント改善し96.6%となった。平成29年度にあっては、分子側の町税が増額、分母側の公債費充当が減額したことにより、経常収支比率は3か年続けて改善し、平成23年度と同程度の水準となったが、依然として類似団体平均を上回る数値であるため、今後も事業の精査を行い、経常経費の圧縮に努めていく。
類似団体平均額との比較では上回っている状況である。平成25年度では、人件費において負担率の改定による退職手当組合負担金の減や給与削減措置の拡大により減となったこと、物件費において予防接種委託料や田端西地区まちづくり事業に係る調査業務委託料などの減により、人口1人当たりの決算額は2,053円の減となった。平成26年度は、給与費削減措置の終了により増になったこと、広域リサイクルセンターを長期包括運営責任業務委託(アドバイザリー委託含む)としたことによる増などにより、6,398円の増となった。平成27年度はほぼ横ばいであったが、平成28年度は、対前年度比で人件費は減となっているが備品購入費や役務費といった物件費の増により、人口1人当たり決算額では471円の増となった。平成29年度は、ふるさと納税拡充に伴い、物件費が増額したことで人口1人当たり決算額では23,633円の増となった。今後、町有施設の老朽化に伴う維持補修費の増加も予想されることから、人件費、物件費の適正化に努めていく。
平成22年度までは類似団体と同率以上の結果となっていたが、緊急財政対策による給与削減措置により、平成23年度から平均値を下回っていた。平成25年度末で当該給与削減措置が終了となったことから、再び平均値を上回る結果となっている。今後も、国等の状況を参考に給与を決定し、適正な指数水準の維持に努めていく。なお、今年度のラスパイレス指数は、前年度の数値である。
事務事業の見直しや効率化の徹底、柔軟な職員配置を行うとともに、勧奨退職や退職者不補充により定員管理の適正化を進めてきたことで、平成28年度以降は全国平均・神奈川県平均を下回る結果となったものの、類似団体比較では僅かであるが平均を上回る結果となった。今後もより一層の定員管理に努めていく。
平成28年度は、分母側のマイナス要因である事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が-45,998千円となったものの、分子側のプラス要因である公債費の元利償還金が-173,276千円減し、マイナス要因である事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が-45,998千円となったことで分子が減、分母が増となったため、実質公債費比率(単年度)及び3ヵ年平均が減となった。平成29年度も、公債費の元利償還金が-114,380千円減し、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が-55,776千円減したことにより、平成28年度同様に実質公債費比率(単年度)及び3ヵ年平均が減となった。毎年度の償還とあわせ、平成29年度は大規模事業の既発債の償還が終了したことで地方債現在高が順調に減少し、類似団体比較を下回っている。今後、公共施設の老朽化が進んでいることから、施設更新等の可能性もあり、公債費の増も否定できないところだが、県内平均値等を1つの目安としながら、適正水準の確保に努めていく。
平成22年度までは増加傾向にあり、70%台で推移してきたが、平成23年度より60%台、平成24年度には50%台となり、さらに平成25年度は16.3ポイント減の38.4%、平成26年度は5.9ポイント減の32.5%、平成27年度は9.4ポイント減の23.1%、平成28年度は13.8ポイントの減の9.3%となった。これは、過年度借入の地方債の償還期間末期による元金償還の増による地方債現在高の減(-740,231千円)や、資本費平準化債を財源とした元利償還金の償還に宛てたことにより公営企業債等繰入見込額が減少(-320,130千円)したことから、分子全体が減少したこと、標準財政規模の増額などによる分母が増加したことが大きく影響している。平成29年度は、大規模事業の既発債の償還が終了する一方で、大規模事業にかかる新発債を発行していないことから将来負担額がさらに減少し、類似団体平均値を下回った。今後も後世への負担を少しでも軽減するよう、将来負担額のうち大きな割合を占める地方債現在高を可能な限り縮減するなど、適正水準の確保に努めていく。
事務事業の見直しや効率化の徹底、柔軟な職員配置を行うとともに、勧奨退職や退職者不補充により定員管理の適正化を進めてきたことで、平成28年度は職員数が減となったこともあり、前年比較で27,445千円の減となったが、平成29年度はあっては人事院勧告に基づく手当等の増額により、56,353千円の増となった。類似団体との比較では平均値を上回っている。引き続き、人件費の適正化に努めていく。
類似団体と比較して高い割合となっているのは、町立体育館等の施設管理・運営について指定管理者制度を積極的に活用しているほか、広域リサイクルセンターの長期包括運営責任業務委託などが大きく影響しているものと考えられる。平成29年度は、ふるさと納税拡充に伴うふるさと納税推進事業委託料が947,722千円の増などにより、物件費全体では対前年比1,092,374千円の増となった。今後も引き続き、物件費の適正化に努めていく必要がある。
平成29年度は、サービス利用の増により障害福祉サービス費が72,557千円の増となったものの、年金生活者等支援臨時福祉給付金が100,650千円の減、児童手当扶助料が10,890千円となったことなどにより、全体で57,119千円の減となった。類似団体と比較して扶助費が多い原因は、町独自の政策実施のほか、当町よりも規模の大きい近隣市に足並みを揃えた事業実施を行っていることなどが考えられる。扶助費が財政を圧迫する可能性もあり、今後も引き続き各種扶助等の適正化に努めていく必要がある。
類似団体とほぼ同程度の水準で推移してきたが、平成27年度に公営企業化した下水道事業に係る繰出金が補助費等に変更されたことで減となり、類似団体を下回る状況となっている。また、維持補修費は、各施設等の老朽化が進行しているものの、近年は施設利用等に影響のない範囲で、必要最低限の修繕にとどめている。これらにより、平成27年度以降は、類似団体比較で適正水準を確保しているが、今後、各施設の老朽化による維持補修費の増加や、高齢化の進行等により、社会保障制度である各特別会計への繰出金が増加するものと予想され、引き続き、適正範囲内での財政運営に努めていく必要がある。
平成29年度については、資源物拠出金分担金が20,671千円の増となったほか、焼却処理施設基幹的設備改良事業負担金の12,625千円の増となったことなどにより、全体では19,188千円の増となった。従前から補助費等の増加傾向に歯止めをかけるため、団体向け補助金の見直し等を行ってきたことで、類似団体平均値を下回る結果となっており、今後も引き続き適正化に努めていく。
平成28年度は、平成25年度に借入した臨時財政対策債の元金償還が開始となったことで7,969千円の増となったものの、平成8年度に借入したさむかわ中央公園整備が終了したことなどにより、全体では114,380千円の減となった。地方債現在高が順調に減少しており、類似団体との比較では平均を下回っている。今後は老朽化が進む公共施設の更新等の可能性もあり、借入額の増も否定できないことから、類似団体平均値等を1つの目安としながら適正な公債費水準を確保していく。
補助費等やその他においては類似団体平均値を下回っているものの、人件費、扶助費、物件費においては類似団体平均値を上回る結果となっている。一方、神奈川県平均では、より平均値に近い結果を示していることからも、町独自の政策実施のほか、当町よりも規模の大きい近隣市に足並みを揃えた事業実施を行っていることが考えられる。多様化する住民ニーズに対応していく必要もあるが、今後、類似団体平均を上回るものについてはさらなる精査を行い、適正化に努めていく必要がある。
(増減理由)・財政調整基金から財源不足を補うため、取り崩しを行ったものの、まちづくり基金へふるさと納税拡充に伴う寄附金を大幅に積み立てたため、前年度と比較して基金全体で368,074千円の増となった。(今後の方針)・各基金の目的に沿った、適切な金額を基金へ積立できるよう努める。
(増減理由)・当初予算及び補正予算において、前年度と比較して102,687千円の積立金の増となったものの、財源不足を補うため、前年度と比較して242,529千円の取崩額の増を行ったため、財政調整基金が減少となった。(今後の方針)・財政調整基金の残高を標準財政規模の10%程度を維持するように努める。
(増減理由)・増減なし(今後の方針)・後年度の町債の償還に備えて、引き続き必要な財源を確保できるよう努める。
(基金の使途)・東海道新幹線新駅整備基金:ツインシティ倉見地区整備事業に伴い、東海道新幹線新駅誘致地区を中心とした新たな北部拠点とするための事業の財源を確保する。・まちづくり基金:多様な人々の参加による活力のあるまちづくりに資する財源を確保する。(増減理由)・まちづくり基金:ふるさと納税拡充に伴い、大幅増となった寄附者からの寄附金を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・まちづくり基金:寄附金を寄附者の使途目的に沿った事業へ活用する予定。
平成29年度の有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均と比較して高い水準となっている。これは、公共施設の多くが人口が増加した昭和50年代に一斉に整備したものが多く、対象施設の更新時期が近付いているためである。今後の状況としては、高齢化及び人口減少が進み、社会保障費の増加と町税の減収が想定されるため、長期的な視点を持って、「寒川町公共施設等総合管理計画」に基づき長寿命化・統合複合等を考える必要がある。
「寒川町公共施設等総合管理計画」に基づく「施設再編計画」策定を進めるため、各施設の老朽化状況を踏まえ必要な対策・検討を進め、長寿命化・統合複合化が開始するまでの間は、該当事業の財源となる新たな地方債や債務負担行為が増加せず実質的な負債として算入されないため、将来負担比率は減少傾向の見込みとなり、有形固定資産減価償却率は増加傾向の見込みとなる。今後としては、町の財政状況を鑑みて地方債借入については将来負担の急増とならないよう努めていく。
本町の平成29年度実質公債費比率は一般会計の元利償還金の償還が進んだことにより逓減している。また、平成28年度将来負担比率は過年度借入の地方債の償還期間末期に伴い元利償還が増となったことによる地方債現在額の減や公営企業債等の繰入見込額が減少していることにより低下している。今後は、「公共施設総合管理計画」に基づく「施設再編計画」の策定による公共施設の新設や更新等により元利償還金や地方債現在残額が増となる可能性も否定できないことから、適正水準の確保に努めていく。
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