経営の健全性・効率性について
有収率、料金回収率ともに類似団体や全国平均と比較してみましても高水準であり、健全な運営ができております。有収率が高水準である要因として、平成9年4月に供用を開始した下水道の新設工事の際に、給水管・配水管の布設替工事を併せて行ったことが、老朽化の改善につながり漏水対策となりました。平成27年度より上飯田浄水場及びその関連施設の減価償却がはじまり固定費が多くなったことで、平成26年度と比較しますと経常収支比率は低下しております。平成28年度は、上飯田浄水場建設事業により遊休資産となった固定資産の除却を行い、固定費を圧縮し経営のスリム化を行います。しかしながら、平成29年度より水道事業会計と簡易水道事業特別会計の統合を行うため、経常収支比率、料金回収率、給水原価の悪化が予測され、いずれの経営指標も厳しいものとなることが予測されます。
老朽化の状況について
平成26年度に浄水場の施設更新事業として、上飯田浄水場の供用を開始し、老朽化が著しい須賀浄水場を廃止施設としました。管路については、法定耐用年数を超えるものは少ないです。平成9年4月の下水道の供用開始に併せ、給水管・配水管の布設替工事を行ったことが要因です。しかしながら、今後は法定耐用年数を超える管路延長の増加が見込まれますので、財源の確保と計画的な布設替工事が必要となります。
全体総括
老朽施設の更新事業として、平成27年度より上飯田浄水場の供用を開始しました。これにより、固定費(減価償却費)が増加したことで、経常収支比率は低くなりました。支払い能力を表す流動比率は平成27年度末現在で高水準ではあるものの、平成29年度より簡易水道事業特別会計と統合することを考慮すると、左記のいずれの指標も悪化することが予測されます。今後必要となる施設更新の財源を確保するためにも、財務分析や投資計画が重要な課題となるため、適正な料金設定を行い、将来に渡って安定したサービスの提供に努めます。