経営の健全性・効率性について
R1年度の決算値について、⑧水洗化率以外は、企業会計に移行する前年度の打切決算により、歳入では3月分下水道使用料等、歳出では4月以降の支払いとなった工事費等、が含まれていないため、昨年度以前と同条件にならず、正確な比較・分析は出来ません。①収益的収支比率は、95.78%と昨年度より悪化していますが、打切決算で3月分下水道使用料等が含まれていないことによる影響です。④企業債残高対事業規模比率は、393.14%と昨年度より悪化していますが、打切決算で4月以降の支払いになった工事費等が含まれていないことによるものです。企業債は分流式下水道に係る借入であり、その一部については一般会計が負担すべき経費として扱っていることから、数値は平均と比較して低いものとなります。⑤経費回収率は99.83%であり、昨年度よりわずかに改善しておりますが、打切決算のため、前年度以前と正確な比較はできません。⑥汚水処理原価は156.36円であり、昨年度より改善しておりますが、打切決算のため、前年度以前と正確な比較はできません。⑦施設利用率は、流域下水道に接続しているため、処理場を有しておらず、数値は対象外となります。⑧水洗化率は、類似団体・全国平均値を上回っており、年々上昇しております。引き続き加入促進を行い、接続率向上に努めます。
老朽化の状況について
公共下水道事業の建設工事は、荒川本郷地区、筑波南第一工業団地、筑見地区の整備を進めていますが、今後は老朽化が進む下水道施設の維持管理が中心になっていきます。長寿命化計画や現在策定中のストックマネジメント計画に基づき、毎年管渠調査等を行い、計画的に管渠及び人孔補修を行っていきます。また、R2年度に企業会計に移行しましたので、固定資産台帳により②の管渠老朽化比率も見据えたうえで、財源確保とのバランスを考慮し、適切に改善を行います。
全体総括
経営の健全性は一定程度保たれているものの、今後ポンプ場・管渠の老朽化が進んでいくことから、維持管理へ移行し、より維持管理・修繕工事等の事業費増加が想定されます。修繕計画に基づく費用、それらの財源確保(使用料、起債等)や、企業債残高等の事業収支のバランスを注視しながら、本来の目的である水質保全を保てるよう、計画的に維持管理を行います。また、共同化・広域化の検討を行い、施設更新・維持管理コストの低減や下水道経営の効率化を図ります。H30~R3年まで接続補助制度の積極的な活用が図れるよう、戸別訪問や郵送による接続推進活動を実施し、接続率向上及び使用料収入の増加を目指します。また、下水道施設における維持管理費削減のため、電気使用料契約を見直します。今後も一般会計からの繰入に頼らない健全経営を目指し取り組んでまいります。