経営の健全性・効率性について
本町の下水道事業における使用料収入に関しては直近3年間において安定した収益を得ており、収益的収支比率は80%を維持している。企業債残高については、平成15年度をピークに順調に減少している。現在は類似団体の平均を下回り、資本費も低下の一途を辿っていることから、今後も経常収支のバランスを考慮した上で、地方債の借入れ等を行い整備事業を実施したい。経費回収率については、令和2年度から公営企業会計へ移行したため、令和2年3月31日で出納を閉鎖する「打切決算」を行っており、一般会計でいう出納整理期間が存在しないため、令和2年3月末までに収入・支出が出来なかった未収金が未払金を大きく上回ったことにより決算に反映している。維持管理面では、汚水処理原価が低く抑えられているが、有収水量を増加させていくための不明水対策調査等により経費回収率の向上に努めたい。今後の事業運営にあたり、地方公営企業法を適用することにより、経営基盤を強化させるとともに、引き続き適切な財政運営を堅持したい。
老朽化の状況について
令和元年度は、2年度からの地方公営企業会計移行に伴う事業資産調査及び評価を実施しているが、これらを総合的に検証し、有効な資産活用を検討。経営資源である事業資産の老朽化と更新時期を見極め、本格的な資産の老朽化に備えたい。団地開発等の排水施設が40年近く経過しており施設の老朽化が進行していることから、更新需要が増加し、管路の布設替え等維持管理を起点としたストックマネジメントにより計画的な維持管理が重要な課題となる。
全体総括
本町の下水道事業は、全体的に概ね良好な経営状況状態を維持しながら近年推移してきた。令和2年度から地方公営企業法の全部適用を行ったことから、より費用対効果を重視した事業推進に努めたい。課題となっている震災後の不明水増加対策について調査を実施しているが、地方公営企業法の適用下においても収益性を高めてゆくことを踏まえ、今後も継続して不明水調査及び対策工事等の実施等により有収水量の向上に努め、安定的に事業を運営したい。